しつこく駄々をこねる子を納得させられる方法は? 今すぐできる「環境&習慣づくり」

しつこく駄々をこねる子を納得させられる方法は? 今すぐできる「環境&習慣づくり」
SNSで大人気の現役保育士・てぃ先生が、FQKids読者の悩みに答える連載企画。今回は「子供がしつこく駄々をこねてイライラしてしまう」と悩む親御さんのお話です。

《今回の相談内容》

子供がしつこいのが悩みです。スマホの写真を見たいと言い始めたら、見せるまで見たいと言い続けます。一緒に買い物に行って欲しいものを見つけると、買ってくれるまで言い続け、買わないとものすごく拗ねて、何もしなくなります。気を紛らわせようといろいろやってみるのですが、数分後にはまたしつこく言い始めます。

長所と短所は紙一重で、確かにうちの子は困難なことでも何度もめげずに頑張るのですが。言い始めるとあまりにもしつこいので、自分もイライラしてしまって……。どう接したらいいのか、何か良きアドバイスをお願いします。

(おもちもちもちさん・4歳の男の子の親)

納得してもらうために大事なこと

「見せるまで見たいと言い続ける」「欲しいものを見つけると、買ってくれるまで言い続ける」。こうした場合によくあるのが、環境として「見通し」が立てにくい状況になってしまっていること。見通しが立たないと、子供はどうしてもしつこくなることが多くなります。

どういうことかというと、例えば、「スマホを見せて」とお子さんが言った時。昨日は見せたのに、今日は見せなかったとします。

この時お子さんはどう思うでしょうか。子供にしてみたら、同じタイミングで同じように言ったのに、昨日はよくて今日はなぜダメなのか、混乱しますよね。見せてくれるはずと思って頼んだのに、見せてもらえなかった。だから、見せてくれるまで、しつこく粘り続けてしまうのです。

欲しい物も、買ってくれる日もあれば、そうじゃない日もある。すると、子供にはいい日とダメな日の違いが理解できず、「見通し」を立てることができません。

子供は子供なりに、「前回はこうだったから、今回もこうだろう」と見通しを立てて親に頼んでいるわけです。でもその通りにならないから、「なんでなんで?」「見せて見せて」「買って買って」となってしまいます。

子供に納得してもらうためには、まず子供が「見通し」を持てる環境を作ることが必要です。

「見通し」が持てる環境とは?

そういう場合に僕がおすすめしているのは、お子さんがいつでも目にすることができる壁掛けタイプか卓上タイプのカレンダーです。

買い物を例にすると、お菓子とかガチャガチャなど、何か買ってもいいという日は、あらかじめ赤い丸をしておきます。赤い丸がある日は買ってもいい日。それを一緒に親子で朝、確認します。そして、次のように会話してみてください。

「今日は赤丸ついてないけど、明日はついてるね。赤丸の日って、なんの日だっけ?」と。すると子供は「やったー、買ってもらえる日だ!」と見通しを立てることができます。逆に赤丸がついていない日も、カレンダーをひと目見れば、あらかじめ理解できます。それによって、子供はしつこく言いにくくなります。

スマホも同じです。もしもお子さんに見せるのであれば、見せるタイミングをなるべく固定化します。昨日は見せたけど、今日は見せないなど、ランダム性が生まれてしまうことはなるべく避けます。親の気分とか都合ではなく、なるべくあらかじめ伝えておけるようにするのが理想です。

寝る時間なども、同じようなことがあるかもしれませんね。例えば、いつもは早く寝ろというくせに、大晦日は起きててもOKとなると、子供にとってはわけのわからないことになります。次の日も「遅くまで起きてテレビを観たい!」となりがちです。

では大晦日も早く寝かせるべき? そんなことはありません。

家族の団らんの1つとして、普段は20時に寝るけど23時まで起きていてもOKという大晦日のような日は、カレンダーに赤丸をつけて、「この日は遅くまで起きてOKな日」と最初から伝えておきます。他の日は赤丸がないので、ちゃんと早く寝る日。すると、お子さん自身、「見通し」を立てられるのでストンと腹落ちします。

カレンダーを使うのは、見通しを可視化できるから。目で見えるようにすることは、子供に納得してもらう上でとっても大事なことなのです。言葉で言うだけでは納得しない時は、ぜひ試してみてくださいね。

プロフィール

てぃ先生

関東の保育園に勤める保育士。名前の読み方は「T」先生。Twitterフォロワー数、YouTubeチャンネル登録者数はともに60万人を超える。著書である『ほぉ…、ここがちきゅうのほいくえんか。』は15万部を超える大人気作に。『てぃ先生の子育てで困ったら、これやってみ!』は自身初となる育児本であり、こちらもベストセラーとなっている。現在は保育士の専門性を生かし、子育ての楽しさや子供への向き合い方などを発信中! 2022年、「第15回ペアレンティングアワード」にて文化人部門を受賞。

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文:脇谷美佳子

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