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2021.11.06
2023.03.08
新たな年度に向け、何か新しいことに挑戦したくなる年度末。わが子の習い事を検討しているパパ・ママも多いことだろう。
せっかくなら将来に役立つ習い事を、というのが親心。しかし社会の変化が加速している中、将来像を描きにくいのも事実だ。世の中のパパ・ママはどう考えているのだろう。そんな疑問に答える、最新の習い事事情を紹介しよう。
株式会社イー・ラーニング研究所は昨年末、子供がいる親を対象に「2022-2023年:年末年始の習い事に関する意識調査」を実施した。
まず質問しているのが「2022年、保護者間で話題になった子供の習い事は何ですか」だ。1位は「英語・英会話スクール」で、「プログラミング教室」や「スポーツ系」が続いた。「ユーチューバー・Vチューバー」という回答も2割弱あったようだ。
「2023年、子供に何の習い事をさせたいですか(させる予定ですか)」の問いに対しても、1位「英語・英会話スクール」、2位「プログラミング教室」という結果だった。
グローバル化、デジタル化といった社会の流れが、習い事の選択にも影響していることがうかがえる。昨年はウクライナ戦争や円安、東アジア情勢の不安定化など、世界とのつながりを強く意識する1年でもあった。また、コロナ禍によって進んだ社会のリモート化で、デジタル技術の活用がますます求められている。
させたい習い事がある親を対象に「なぜ子供にその習い事をさせたいですか(させる予定ですか)」と尋ねると、約8割が「将来のためになると思ったから」と回答。
先が見通しにくい状況の中でも、確実に役立っていくだろう能力を身につけさせたいという思いが明らかになった。ついで多かった「新しい習慣に対応するため」という回答も、社会が転換期にあるという実感を反映しているだろう。
さて、そんな見通しの立てにくい時代、子供に将来なってほしい職業は何だろうか。結果は1位が「経営者」、2位が「プログラマー(SE)・ゲームクリエイター」、3位が「公務員」となった。この順位は前年の調査と同じだ。将来にわたって必要とされる職業を選択してほしいという願いのあらわれだろう。
「その他」の回答には「自分のなりたい職業になって欲しい」「個性を活かせる職業」という声も目立ち、子供の意思や個性を重視する意識もうかがえる。
さらに「2022年に特に関心が高かった教育関連ワード」も質問している。「オンライン学習」が6割以上で最も多く、2位に「金融教育」、3位に「プログラミング教育」となった。
あわせて「2023年に意識したい教育・学習」を尋ねると、1位は「金融教育」で「オンライン学習」を上回った。
高校教育で金融教育が開始されたこと、成人年齢が引き下げられ10代から契約行為ができるようになったことなど、より身近なテーマとしてお金について学べる機会が求められている。投資による資産形成を促す時流も、意識を強めているといえるだろう。
「今後の教育・子育てトピックで関心のあるもの」について質問すると、1位は「教育のメタバース活用」だった。
コロナ禍でリモートの教育活動が広く行われるようになり、登校を伴わないことによるメリットも明らかになった。学校の機能をどこまで現実世界に残していくのか、仮想空間でどこまで教育を行えるか、今後問われていくようになるだろう。
習い事や教育、子供の将来について、パパ・ママたちは社会の変化を敏感に受け止めつつ考えていることがわかる調査結果となった。
未来は予測不能なゆえに、子供たちを取り巻く環境はこれからもどんどん変化していくことが予想される。世の中が進む方向を見定め、わが子の世界を広げることができるようサポートしてあげたい。
〈調査概要〉
「2022-2023年:年末年始の習い事に関する意識調査」
調査方法:紙回答
調査地域:全国
調査期間:2022年12月3日(土)~23日(金)
調査対象:子供を持つ親 計395人
文:平井達也
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