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2023.01.09
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デジタルメディアのルールは、子供の性格や各家庭の教育方針によって違っていい。大切なのは、その場その場で突発的に決めるのではなく、「子供がトラブルに遭わず、自立してデジタルメディアを使いこなす」というゴールを設定すること。
そこから逆算して「では今はどうするべきか」を考え、長期的な計画を話し合うことだ。だから当然最初は、厳しく制限した状態になる。そして発達に合わせて、「小学生ではここまでOKにしよう」などと、徐々に制限を解除していくのだ。
例えば、デジタルメディアに触れるシチュエーションで考えれば、「必ず保護者と一緒に行う」「保護者のいる部屋で1人で行う」「一定時間は自分の部屋で行ってOK」など。動画やゲームに触れられる範囲も、子供用制限モード、年齢別のフィルタリング機能などを活用すれば、徐々に制限を解除していくことができる。
ちなみにゲームに関しては、『Nintendo Switch』では「VRモード」のゲームを7歳以上に規制するなど、年齢制限や目安が決められているので注意が必要だ。
また使用時間については、WHO(世界保健機関)が『1歳未満では視聴を推奨しない。2~4歳では1日1時間以内』というガイドラインを出している他、下表のように、各国の健康機関が規制を発表しているので、ルール作りの参考にしよう。
もちろんルールは、一度決めたらそれで終わりではなく、徐々にアップデートが必要なもの。子供1人ひとりの発達や状況に合わせ、節目節目で見直してほしい。
※出典『デジタル時代に向けた幼児教育・保育』(明石書店)/Gottschalk,F.(2019)“, Impacts of technology use on children:Exploring literature on the brain, cognition and
well-being”,OECD Education Working Papers,No.195,OECD Publishing, Paris, https://doi.org/10.1787/8296464e-en.
ルールは家族で可視化して
声をかけ合える環境に!
完成したルールは可視化し、家族で共有するのが望ましい。そうすれば、子供の側も大人のスマホの使い過ぎを注意するなど、「お互いに声をかけるのが当たり前」な環境が作れるからだ。そうしておけば何らかのトラブルが起こった時も、親がすぐに把握し、最小限の被害に抑えることができる。また将来、テクノロジーの進行で親が理解できない内容も生じるかも知れない。その際も子供に教えを請い、家族というチームで学ぶことができる。
七海 陽さん
相模女子大学 子ども教育学科 准教授。PCメーカー勤務を経てフリーランスに。デジタルメディアと子供の育ち・発達を領域として調査 研究・執筆・講演活動を行う。現在は相模女子大学の准教授として教鞭をとる傍ら、教育番組などにも出演。専門は児童文化学、子供メディア論、メディアリテラシー教育など。著書に『佐藤家のデジタル生活 子どもたちはどうなるの?』(草土文化)。
監修:七海陽
文:笹間聖子
FQKids VOL.12(2022年秋号)より転載
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