2022.05.23
2020.02.17
2022.05.18
いまや多くのファミリーにとって馴染みのあるオンライン動画。赤ちゃんの頃から動画を見てきたイマドキの子供にとっては最大の情報源かもしれない。時間や場所に縛られない動画から探求心が芽生えるとしたら、嬉しいことだ。
何かを知りたいという気持ちは疑問を持つところから始まる。子供の好奇心をくすぐるコンテンツがたくさんある中で、せっかくならそこで感じたことを学びに活かしたい。
京都賞・研究助成・社会啓発の3つの事業を展開している稲盛財団が、社会啓発事業の一環として4月にウェブサイト「キヅキランド」を公開した(PC、タブレットのみ※)。
※:スマホで確認できる案内所のポータルサイトはコチラ:kizuki.land/portal
単に動画を視聴して知識を得るのではなく、自らの気づきや疑問を発信し、他の子供たちと一緒に学びを深めていけるのが特徴だ。
「キヅキランド」で視聴できるのは、例えば「目玉焼きの実況中継」「とある港を船が進む風景」「雲がもくもく」といったごく日常的な光景だ。新奇で刺激的なものを見るわけではない。しかし日常的なシーンにも好奇心を抱けるのが子供の力というもの。サイトはそんな子供の成長力を信頼して作られているのだ。
そして不思議に思ったことや発見を画面に書き込めるのがポイント。目玉焼きが焼けていくとき白身からプツプツと「空気が出てきている!」、星空の一隅に浮かぶ星雲に「ドラやきみたい」といった具合だ。
こうして書き込んだ気づきは他のユーザーたちに共有される。素敵な気づきには拍手が贈られたり、他の子の気づきに自分の感想を書き重ねることもできる。
そうして1つの気づきが深められれば、子供たちは謎の解明に迫っていくだろう。
稲盛財団は2019年8月、京都で「こども科学博」を主催した。2日間で12,800人を集める盛況だったが、コロナ禍で定期的な開催は困難に。
しかし「子供たちが身の回りの物事に対して不思議だと感じたことを大切に育てることが大事で、適切な案内役がいれば、キヅキをより深めることができるのではないかと考えるようになりました」と同財団の金澤しのぶ理事長。ウェブサイトならば日常的に気づきを深めることができるのではと開発されたのが「キヅキランド」だ。
5月21日には「キヅキランド」を用いたオンラインワークショップも予定されている。財団では「こどものキヅキ応援プロジェクト」として、少人数でのワークショップ「キヅキひろば」などにも取り組んでいる。
子供から大人まで、成長や学びにとって好奇心はとても大切なもの。残念なことに大人になると、「そういうもの」としてスルーしてしまうことが多いのも現実だが。
だからこそ、わが子の素朴な疑問や発見に、パパママも刺激を受けることもあるだろう。世の中には素朴に見えて未解明な不思議がたくさんある。例えば「ゴールドバッハの予想」。すべての偶数は2つの素数の和であるらしいのだが、証明はされていない。
不思議や気づきは、発展させ、育んであげたい。そのために、親子のコミュニケーションが一役買う場面もあるはずだ。
文:平井達也
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