2021.11.21
2021.08.06
2022.09.22
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子供にお金のことをどのように伝えたらいいか、悩む人も多いだろう。横川さんは「隠さずに見せていくことが必要」と語る。日頃から家族でお金の話をしておくことで、子供は気軽にお金の相談ができるようになるという。
「子供はある一定の年齢になると、友達同士で出かけたり、コンビニでおやつを買ったり、社会と接点を持つようになります。お金の使い方やルールは家庭ごとに異なるため、お金で困ったり悩んだりすることも増えてきます。そんな時、家庭でお金の話がされていると、子供は家族に相談しやすくなるのです」。
気軽に相談できる環境作りには、大切なことが3つある。
「お金のことを隠さずに『見せる』こと。そして『体験させる』『考えさせる』ことです。お年玉を銀行に預ける時にお子さんを連れて行ったり、交通系電子マネーをチャージするところを見せたり、お買い物の体験をさせたり。それぞれのタイミングで、ぜひいろいろな体験をさせてあげましょう」。
シーン別の伝え方
こんな時どうする?
Scene 1 お年玉
年に一度の特別なお金。
どう使うかを考えさせるタイミング
お年玉は、お金のことを考える絶好の機会。「年に一度の特別なイベントであるお年玉。普段のお小遣いとは違い、大きな金額をもらえる時です。親がそのまま預かるより、せっかくなので使い方を考えてみるといいでしょう。いつものお小遣いでは買えないものを購入するといった『使う楽しさ』を感じたり、残ったお金を銀行に預けたり、いろいろな体験ができます」。
14%は「子供と一緒に欲しいものを買いに行く」と答えているが、「大人が預かって子供名義で貯金をしている」という家庭が全体の約7割を占める。アンケートからは、お年玉の使い方を親子で考える家庭はまだ少ないと読み取れる。
Scene 2 お小遣い
お金は無限にあるわけではない。
やりくりを覚え金銭感覚を養う
お小遣いからは、「やりくり」を学ぶことができる。「決まった金額を定期的にもらうお小遣い。子供たちは、もらった金額の範囲内で『やりくりをしよう』と考えます。欲しいものが2つあってどちらかしか買えない時は、『2ヶ月、我慢しよう』という思考も芽生えるように。欲しいと思っても買えるわけではない、お金は無限にあるものではないことを自然に学ぶことができるのです」。
お小遣いとして毎月決まった金額をあげている家庭は全体の13%。「必要な時に必要な金額を渡している」という回答が圧倒的に多い。ちなみにお小遣いの金額は、4歳100円、6歳200円、7歳500円という回答が得られた。
Scene 3 お駄賃
家庭でルール作りを。
お金の使い方を考えるきっかけに
お金の価値観は家庭ごとに異なるため、ルールを作ること。「お駄賃は、掃除や料理の手伝いなど、家庭内での仕事に対してあげるお給料のようなもの。タイミングや金額は、家庭で話し合い、ルールを決めましょう。お駄賃をあげて終わりではなく、どのように使うかまで一緒に考えることが大切です。お駄賃を持って、実際に買い物に出かけるのもいいですね」。
<ちなみにアンケートでは……>
お駄賃をあげるのは、玄関の掃除やお風呂掃除、皿洗いといった家事のお手伝いが多数。この他、洗車や庭仕事などの普段しない仕事の手伝いをした時や、肩たたきやマッサージの対価としてあげている人も。
Scene 4 電子マネー
「魔法のカード」ではない。
チャージをして仕組みを伝えよう
電子マネーは、お金の価値を正しく伝えるのが難しいもの。「交通系電子マネーは子供用があり、習いごとの行き帰りやコンビニでも使えてとても便利です。ただ、かざすだけで自動的に使えるため、お金の価値をなかなか理解できない場合も。なんでも買える『魔法のカード』ではありません。現金でチャージをするところを見せ、お金と同じ価値であることを伝えてあげて」。
アンケートによると、子供の半数以上が電子マネーを所有していることがわかった。電車やバスに「子供料金」を払って乗る年齢になると、持たせる家庭は増える。
※お子さんをお持ちのファミリーを対象にしたインターネット自社アンケート調査(2022年3月実施 回答数54)より
「お金の数え方を学ぶのは、就学前、例えば3歳からでも問題ありません。幼少期は、オモチャのレジセットなどを使っておままごと遊びをしますよね。その時、オモチャのお金を使って、遊びながらお金の数え方や価値を伝えていきます。そして、お小遣いやお駄賃をあげるようになったら、本物のお金でも数え方を教えましょう」。
横川 楓さん
やさしいお金の専門家・金融教育活動家。1990年生まれ。明治大学法学部を卒業し、明治大学専門職大学院グローバルビジネス研究科へ進学。24歳で経営学修士(MBA)を取得。「お金のことを誰よりも等身大の目線でわかりやすく」をモットーに活動。2022年、一般社団法人日本金融教育推進協会を代表理事として立ち上げ、「誰もが平等に金融リテラシーを身につけ、活用できる社会に」を目標に金融教育の普及に努める。著書に「ミレニアル世代のお金のリアル」。
文:鈴木ゆうこ
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