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2022.02.27
自分のありのままを肯定する感情「自己肯定感」。 日本人は特に低いと言われるようだが、さらに、自己肯定感の低さの影響で「インポスター症候群」につながることもあるという。インポスター症候群とは、自分を不当に低く評価して辛くなってしまう心理傾向のことだ。
わが子が自己肯定感を高めるために、まずはパパママがありのままを受け容れてあげねばならない。そこで避けるべき言動はどのようなものだろうか。株式会社ヴィエリスが小学6年生までの子供がいる母親103名を対象に行った 「インポスター症候群」に関するアンケート調査から、自己肯定感を高めるヒントを探ってみよう。
ありのままのわが子を肯定するためにはまず、よその子供と比較しないこと。しかし、これがなかなか難しいようだ。
調査では「知人や友人の子供の活躍を見ると焦りを感じて、『~さんちの子はこんなに勉強ができるのに』など子供に態度や言葉でぶつけてしまったことがありますか」と質問している。すると「週に数回程度行なってしまっている(12.7%)」から「月に数回程度行なってしまっている(9.7%)」まで、3割超の子供が、しばしば他の子供と比較して否定的なことを言われている結果となった。
Q.「~さんちの子はこんなに勉強ができるのに」など子供に態度や言葉でぶつけてしまったことがありますか?
一方で「そうした言動を全く行ったことがない」という回答も35.9%あった。
さらに「『お兄ちゃんなんだから』『女の子なんだから』と子供を社会通念に当てはめて叱ってしまうことがありますか」とも質問している。この回答では、「週に数回程度行ってしまっている(11.6%)」から「月に数回程度行ってしまっている(11.6%)」まで、約3割の子供が社会通念のもとに叱られていることが判明。
Q.子供を社会通念に当てはめて叱ってしまうことがありますか?
わが子はかけがえのない存在であり、常識や社会通念以前に尊重されるべき存在であることを伝えたい。
子供の自己肯定感を支えるものの1つには、パパママからのメッセージがある。「子供に、存在を大切に思っていることを言葉にして伝えたことはありますか」の問いには、「週に数回程度伝えている(47.5%)」をはじめ、7割以上のママが「伝えている」と回答。パパママからちゃんと“あなたは存在しているだけで価値がある”とメッセージを受け取っている子供は多いようだ。なんだかほっとする結果である。
Q.子供に、存在を大切に思っていることを言葉にして伝えたことはありますか?
1人の人格として、子供の意思を尊重することも必要なことだ。「子供の意向に添わない習い事を『子供の将来のためだから』『自分がやりたかったから』などの理由で続けさせたことはありますか」の質問に対しては、約半数が「ある」と回答した。
Q.子供の意向に添わない習い事を「子供の将来のためだから」「自分がやりたかったから」などの理由で続けさせたことはありますか?
わが子には、自分の意思でやるべきことを選び取らせてあげてほしい。そうであってこそ、子供は失敗しても何かを学ぶことができるのだろう。
また、「子供のことを、あなた自身の分身や所有物のように『自分と同じように考えるだろう』などとつい同一視してしまうことはありますか」の質問には、半数以上が「とてもある(13.6%)」「少しある(39.8%)」と回答。
Q.子供のことを、あなた自身の分身や所有物のように「自分と同じように考えるだろう」などとつい同一視してしまうことはありますか?
子供には社交場の建前と本心の区別をつけるのは難しいことにも気をつけよう。「子供と第三者と一緒にいる時、謙遜のつもりで子供を悪く言ってしまうことがありますか」の問いには、7割弱のママが「とてもある(19.4%)」「少しある(47.6%)」と回答した。
Q.子供と第三者と一緒にいる時、謙遜のつもりで子供を悪く言ってしまうことがありますか?
例えば「この子は気が小さいから」などと親がくり返し言っていれば、その子は自分のことを気が小さいのだと思いこんで育ってしまうだろう。
さて、親自身の自己肯定感と子供の自己肯定感に関連があることは容易に想像できる。「自分を過小評価してしまう心理傾向のことを『インポスター症候群』といい、自己肯定感が低い人ほどインポスター症候群に陥りやすいと言われている。「あなた自身は自己肯定感を持てていると思いますか」という質問について。
約4割のママが自己肯定感を持てていないという結果は、決して良い状況とはいえないだろう。
最後に、「『インポスター症候群』にならないために、自分の子供に自己肯定感を持ってほしいと思いますか」と質問したところ、「とても思う(58.2%)」「少し思う(28.2%)」と、9割弱が子供に自己肯定感を望む結果となった。
わが子に自己肯定感を持ってほしいと願い、子供に存在が大事だと伝えてもいる。しかし、ふとした時にわが子の「ありのまま」に否定的な言動もとってしまう……。他人事と思えないパパママは多いのではないだろうか。
自己肯定感は、わが子により幸福な人生を歩んでほしいと願う親にとって気になるキーワードだ。自分自身で高められるものではなく、周りの環境や関係性から育まれるという。
ほめることは、過程や成果への評価だ。それも大切だが、まずは評価抜きに無条件に尊重してあげたい。ついとってしまう親の言動で自尊心を傷つけてしまわぬよう、意識の持ち方を改めて見直すことも必要だ。
〈調査概要〉
「インポスター症候群」に関するアンケート調査
調査方法:インターネット調査
調査期間:2021年10月20日~22日
有効回答:東京都在住で小学生(6年生)までの子供がいる30~40代の女性103人
文:平井達也
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