2022.10.06
2021.01.15
2022.03.20
住まいを考える時、子供にとってベストな環境にしたいと考えるのが親心。しかし、「ベストな環境」とはどんな住まいだろうか。
「子供のために環境を整えたいと考えるなら、まずは子供のどんな能力を引き出したいのかをしっかり見極めるのが大切」と語るのは、教育研究家の中山芳一さん。もしもコミュニケーション能力を高めたいなら、親子の会話が活発になるような家具の配置を考え、集中力を高めたいなら寒色系のファブリックでまとめるなど、目的に合わせて住環境をデザインする必要がある。
「非認知能力を育てる」という視点で考えるなら、大切なのは「安心感」と「集中力が発揮できる環境」、そして「コミュニケーションのしやすさ」だろう。リビングを「非認知能力を育てる場」として考える場合、テーマごとにゾーニングするのもひとつの手だ。
例えば「コミュニケーション」スペースでは家族全員が参加できるゲームをセットしておいたり、「集中力」を育てる場として、デジタル機器をストップして本などのアナログコンテンツに集中できる場を整えたりと、テーマに合わせたコーナーを設定。さらに、各コーナーで過ごす時間をマネジメントすれば、だらだらとした時間も減り、目的に沿った環境をつくることができるはずだ。ゾーニングで何をする場かを明確にすれば、子供も自発的に次の行動へと取り組めるだろう。
「子供部屋はいつ用意すればいい?」という悩みもよく耳にするが、「小学校低学年までは個室は不要では」と中山さん。低学年の子供は学校の宿題もリビングダイニングで行うことが多いので、個室を急いで用意する必要はない。
「大切なのは、子供が静かな環境で集中したいのか、少し雑音がある方が集中できるタイプなのか、見極めてあげること」。高学年になる頃に、本人の希望も取り入れた子供部屋をつくればOK。「目的をはっきりさせて、子供の個性に合わせることが大切ですね」。
●コミュニケーションが取りやすい空間
●安心感・居心地のよさ
●集中力が発揮できる環境
リノベる。調べ(www.renoveru.jp)(※)
※20~40代の東京、神奈川、埼玉、千葉にて、現在、小学生以下のお子さまと暮らし、住宅購入を検討中の方319名へのWebアンケート結果(2021年)。
中山芳一さん
岡山大学全学教育・学生支援機構准教授。専門は教育方法学。大学生のキャリア教育に取り組むと共に、各世代の子供が非認知能力やメタ能力を伸ばすことができるように尽力。著書多数。
文:藤城明子
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