2022.08.12
2021.04.26
2022.03.16
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大豆生田啓友さん
玉川大学教育学部教授。乳幼児教育学・子育て支援が専門。NHK Eテレ「すくすく子育て」をはじめテレビ出演や講演活動など幅広く活躍中。著書に『非認知能力を育てる あそびのレシピ』(講談社、共著)など。
A1.誰に何をされて、何が困っているのか具体的に伝えると、担任も配慮しやすい
入学当初は様々な園から子供が集まってきて、1年生のスタート時は慣れてくると、少し落ち着かない状況になるクラスもあります。もし、お子さんが他の子からされて嫌なことがあって、学校に行きたくないと言っているのであれば、遠慮なく担任の先生に相談しましょう。
漠然とクラスが荒れていることをクレームとして伝えるよりも、誰にどのようなことをされて、何が困っているのかを具体的に話すと良いでしょう。クラスの人数も多く、担任として気が付かないこともあります。具体的に伝えることで、担任として、明日からそのことに配慮してかかわりやすくなると思います。
A2.地域や学校、教師によって差があることも。まさに過渡期なので、長い目で見ることも大切
現在は小学校以上の学習指導要領も改訂され、すべての学校が「主体的で、対話的で、深い学び」の教育をすることが求められています。それは、1年生のカリキュラムだけの問題ではありません。学校教育全体が「個別最適な学び」(個々に応じた指導)と「協働的な学び」(多様な他者と協働)が求められ、1人ひとりの良い点や可能性を伸ばそうとする方向性が示されているのです。
しかし、その進められ方には地域や学校、教師によっても差があります。コロナ問題やパソコン導入等もあり、主体性を重視する教育への転換は簡単ではありません。いま、過渡期でもありますから、少し長い目で見ていくことも必要です。ただ、わが子の学びへの心配があれば、担任に相談してみましょう。先生たちは、個々のペースの学びを大事にしようとは考えているはずですから。
A3.お子さんにあった就学先をよく考えて選び、特性にあう生活のあり方を学校とよく相談する
まず大切なことは、入学前にしっかりと園の担任、発達支援の専門家、小学校側との話をして入学に臨むことです。そして、普通学級か、通級か、特別支援学級か、特別支援学校に行くのかの選択をします。自分のお子さんにあった選択ができると良いでしょう。
小学校に入る前に座れる訓練が必要かというのは、おそらく普通学級に入るという選択の場合だと思います。園生活でも落ち着いて座わることが難しいのだとすれば、お子さんが落ち着いて過ごせるような、その子の特性にあった生活のあり方を学校とも相談できるといいですね。無理な訓練をしてしまうと、学校は辛いところに思えてしまいます。それは、避けたいことです。障害の有無にかかわらず大切なことだと思います。
A4.まずは通っている園の先生にご相談を。入学する予定の小学校への相談も可能
「じっとできない」「お友達とのコミュニケーションが苦手」「文字に関心を持たない」など、就学について心配があるときは、通園している幼稚園や保育所、認定こども園の先生や保育者に相談しましょう。必要に応じて地域の関係機関につないでもらえるなど、保護者の不安を解消する方法をともに考えてもらえるはずです。
また、小学校側に配慮してほしいことがある場合は、就学前健診や就学相談などの機会はもちろん、そうでなくても小学校に相談してみてください。地域によって呼び名が違いますが、児童支援を専門にする教諭が配置されているところもあり、予め子供の様子を伝えておくことで、入学後すぐからの対応などを検討してもらえるでしょう。
文:江頭恵子
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