2021.05.13
2021.11.05
2022.03.12
余裕そうに見えるあの家庭はどうやってお金のやりくりをしているのだろう……。それほど倹約しているように見えなくても、使うべきところと浪費を徹底的に分けているのだろうか。
しっかり注意しているつもりでも、なかなか不安が拭えない家計管理。パートナーへの相談なしに思うまま買い物してしまっては、家計も夫婦仲も危うくなりかねない。アンケート調査から、家計管理がうまくいっている家庭のやりくり方法を探ってみよう。
通信費・家計見直しサイト『Soldi(ソルディ)』は、1,370人に「夫婦の家計管理についての意識調査」を実施した。結果からは、家計管理がうまくいっている夫婦の特徴がよくわかってくる。
まず、婚姻年数ごとの家計管理事情。管理が「うまくいっている」「うまくいっていない」ともに、婚姻10年以上30年未満の層で最も多くなった。この年代で、家計管理の質に差が出るということだ。
家計管理と持ち家率にも相関関係が明らかになった。家計管理がうまくいっている夫婦の持ち家率は65.4%、賃貸が34.6%、うまくいっていない夫婦の持ち家率は54.4%、賃貸が45.6%だったのだ。家の購入にはローンの返済を見通す必要がある。家計管理に自信がなければ、確かにできない決断だ。
さて、家計を主に管理しているのは夫婦どちらだろうか。調査結果では、家計が「うまくいっている」「うまくいっていない」夫婦ともに、約4割が妻の管理だった。「夫婦両方」「夫」だと答えた割合も、家計管理の上手い下手でそれほど差はなかった。
ただし、「夫婦別々=財布が別」なのは、家計がうまくいっていない群では15.9%だったのに対し、うまくいっている群では9.4%だったことも興味深い。これは、家計の状況を夫婦で共有することの大切さを示唆している。
家庭の収入・支出を把握できているかどうかも家計の上手い下手に直結する。家計がうまくいっている夫婦の63%が「収入・支出両方把握している」のに対して、うまくいっていない夫婦では30.5%にとどまっている。
また、うまくいっていない夫婦では「収入・支出両方把握できていない」が27.4%に上った。うまくいっている夫婦では8.8%にとどまる。支出についても記録を残して把握に努めてこその管理のようだ。
さて、衝動買いのような突発的な支出が重なるとお金は貯まらない。突発的な支出の際にパートナーに相談するかどうかを調査では聞いている。家計管理がうまくいっている夫婦で89.6%、うまくいっていない夫婦で76.8%が相談すると答え、2つの群で差が見られる。
また、家計管理がうまくいっている夫婦では「金額に関係なく相談する」が49%と最も多い回答となった。家族になったらお金も自分だけのものでないのだと肝に銘じよう。
家計管理がうまくいっている夫婦からは、以下のような秘訣が挙げられている。
●夫婦間でしっかりと家計簿をつけ無理な節約などをしない事が、ストレスもたまらずに適度に貯金も出来て良い
●お互いに支出と収入を共有して貯蓄できている
●奥さんが私にも見える形で家計簿を作成してくれているので安心
●夫婦でしっかり話し合い、お互いに納得できる金額を設定
●夫婦で共通理解しながら管理している
やはり現状を共有し、コミュニケーションをとっていくことが大切だとわかる。
結婚から出産、子育てなど、色々な関門を共に越えてきた夫婦であっても、元は他人同士。育ってきた環境も違えば、価値観も異なる。お金の管理には、そんな違いが表れやすいのかもしれない。
いさかいを避けるために核心に迫るような話ができない、という夫婦もいるだろう。しかし、家計管理がうまくいっている夫婦には、そんな壁を越えてきたからこその絆があるのだ。小さな溝をその都度話し合って埋めていくことで、夫婦はさらにホンモノの夫婦になっていくのかもしれない。
〈調査概要〉
「夫婦の家計管理についての意識調査」
・調査方法:インターネット調査
・調査対象:「引越し侍」のユーザー1,370人
・調査期間:2021年11月9日~12月17日
・調査エリア:全国
・該当記事:hikkoshizamurai.jp/soldi/articles/questionnaire_couple_household_budget
文:平井達也
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