2022.07.25
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2021.09.27
さあ新学期! とは言えまだ夏休み気分が抜けていないようなわが子に対してつい発破をかけたくなってしまうのが親心。しかしうるさく言われたからといって、やる気など湧いてこないのはわが身を振り返ってもわかるだろう。
ではどうしたら子供のやる気スイッチを入れることができるのだろうか? 親と子供を対象にしたアンケート調査から興味深い事実が明らかになった。やる気を起こさせるのに必要なのは、パパママのほんのちょっとした発想転換のようだ。
株式会社やる気スイッチグループは、小学生の子供たちとその保護者を対象に、「あなたとお子さまの『やる気』に関する親子アンケート」を行った。
アンケートでは子供に「やる気が起こるきっかけ」を尋ねている。結果、1位は「親にほめられた」が67.6%。以下、「学校の先生にほめられた(66.2%)」、「テストの点数/通知表が良かった(44.7%)」と続いている。子供がやる気を出すのは「ほめられる」「良い結果を得る」といった、自分への肯定につながる出来事が起きたときだったのだ。
Q.子供のやる気が起こるきっかけは?
一方、パパママ側に、子供のやる気を引き出すために行っていることを尋ねたところ、1位は「一緒に考える」が44.5%。以下、「常に応援している(35.1%)」、「どんな些細なことでも子供の意見を聞く(33.3%)」などが続いた。子供自身が「やる気が出る」と感じる「とにかくほめる」は、7番目で29.4%に留まった。
Q.親が子供のやる気を引き出すために行っていることは?
パパママの方法も間違っているわけではないが、やる気を引き出すという点では肝心なところに届いていないのだ。
逆に、子供に「やる気がなくなるきっかけ」も質問している。最多回答は「自分の思った通りにできない」が40.5%。「親によく怒られる(32.5%)」、「暑い(32.2%)」、「ほめてもらえない(30.3%)」と続く。
Q.子供のやる気がなくなるきっかけは?
パパママには「子供のやる気を継続させるためにやっていること」を尋ねた。結果は1位が「はげます(39.4%)」。以下、「環境を整える(37.9%)」、「小さな目標を設定させる(34.7%)」などとなっている。
Q.親が子供のやる気を継続させるために行っていることは?
いかがだろうか。子供にとっては、自分の思った通りにやってみて「ほめられた」「結果が出せた」という体験がやる気につながっている。
一方パパママは、一緒に考えたり自らやり方を示したりしながらはげます、という傾向があるようだ。モチベーションに対する考えや行動はかなり異なり、正反対とも言える。
なお調査では、1年間のうち「夏休み明け」は最もやる気がなくなるタイミングであることも示された。2学期が始まった今こそ、夏バテならぬ「やる気バテ」に注意が必要なのだ。
Q.現役の子供が/親が子供時代にやる気が無くなる時期は?
この結果について「やる気の科学研究所」所長の庭野匠さんは次のように解説している。「『やる気バテ』は、心理学の世界では『学習性無力感』と呼ばれている。いくら計画を立てたり勉強しても計画通りにいかない、楽しいことにもつながらないといった失敗体験を繰り返してしまうことによって、どうせやっても無駄だ、頑張っても意味がないという精神状態が当たり前のものになってしまうことを言う。コロナ禍で『学習性無力感』に陥りがちな状況の中でやる気を出すには、より“今を肯定できること”が大事」
パパママにとって大切なのは叱咤激励することではなく、また手出し口出しすることでもなく、子供の今を肯定し、その努力や結果の中に評価できるものを見出してあげることだったのだ。
パパママも子供の頃、大人に急き立てられて「今やろうと思ってたのに」とふてくされたことはなかっただろうか? 調査結果を参考に、わが子への接し方や声掛けをひと工夫する余地があるかもしない。
いい大人が「自分はほめられて伸びるタイプ」などと言うのとは違う。子供については、誰もが「ほめて伸ばしてあげる」存在であるのだ。
〈調査概要〉
「あなたとお子さまの『やる気』に関する親子アンケート」
・調査方法:インターネット調査
・調査期間:2021年8月14(土)~15日(日)
・調査対象:①全国の30~50代の小学生の子供がいる保護者826人
②全国の小学1~6年生男女1,001人(保護者と一緒に回答)
文:平井達也
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