2023.03.23
2020.12.08
2021.10.18
>>関連記事【キャンプが最高の学び場に! 楽しみながら子供の自己肯定感×非認知能力を育てる方法】
なるべく最小限の荷物で、自然にあるものを活用してサバイバルするブッシュクラフトは、創造性を育むのに最適な体験だと思います。テント1つとっても、普通は説明書があってその通りに組み立てますが、自然の木やロープ、タープなどを活用すれば、かなり自由度が高く、ユニークな自分らしい居場所が完成します。
当然失敗もあると思いますが、何度も行うことで慣れて知恵も付いてきますので、非認知能力を育む観点からもとてもおすすめですよ。
とにかく教えたり、手を出さないことです。失敗にも目をつぶって、大きな危険がない限りは見守りましょう。
沢を登ったり川に入ったりする体験は、子供たちにとっても非常に面白いと思います。自分たちでより歩きやすいルートをみつけたり、道を切り開けば、「道なき道を進む」という人生のメタファーにもなります。
大人とは違う子供の視線で「こっちの方がいいよ」というルートを発見してもらい、子供に前を歩いてもらうのもいいでしょう。場所によっては石を飛んでみたりすると、「落ちたらどうしよう」というワクワクドキドキ感もプラスされます。
水辺は危険と隣合わせの場所ですので、子供から目を離さず、自分たちの技術や体力も考えて行ないましょう。
渓流魚は、海釣りのように回遊して同じポイントに戻ってきたり、船長さんの言うとおりに餌を流せば釣れるということがほとんどなく、自分でどんどんポイントを探って、釣れなければそこを諦めないといけないトライ&エラーの連続です。
次のポイントにチャレンジして、そこで魚が釣れたり釣れなかったり、釣れても小さかったりと、ドラマティックな出来事が起きやすいので面白いと思います。経験を重ねることで確実に知恵がつきますよ。
渓流釣りでは、あらかじめ魚の特性を知っておく必要があります。親子で一緒に事前に調べておいてください。
火を点けるチャレンジは、挑戦する粘り強さや、創意工夫を育むという意味で非常におすすめです。点いた火を安定してキープしておくという部分もポイントで、新聞紙や落ち葉ではよく燃えても無くなったらすぐに消えてしまいますから、どんな木が長く燃えやすいかなどを、ぜひ子供に考えさせてあげてください。
薪は市販で購入してもいいですが、天然木で行えば、限られた資源を集めなければならず、より知恵や工夫が必要になります。
ナタなどの道具を使った薪割り体験も、意外とコツがいるので、ケガに注意しながら子供たちに体験させてあげましょう。
キャンプ料理では、地元やキャンプする土地の野菜、郷土料理などを取り入れるのがおすすめです。土地のものを味わうことは、その土地への愛着や、幼少期の大切な想い出にもつながります。また、食材や調味料だけ用意して、子供に自由に料理させるのもクリエイティブで面白い体験になりますよ。
ご両親が詳しければ、山菜やキノコ取りをして食べられる植物を教えるのも◎。「何があっても山へ行けば大丈夫」という自信につながります。
食材の購入は市場や道の駅に行って、スーパーには並んでいないような食材にあえて挑戦するのもおすすめです。
危険が伴う体験は、
専門家がいるツアーへの参加もおすすめ!
渓流釣りや沢登りなどの体験は危険が伴います。ご両親にあまり経験がなく難しい場合は、無理をせず、プロが行うツアーやスクールに親子一緒に参加するのもおすすめです。きっとプロならではの記憶に残る体験が安全にできますよ。手を引っ張ってあげるなど、ご両親のサポートも必ず出番がありますので、子供たちからも尊敬されます。
田中一徳(たなか・かずのり)さん
國學院大學北海道短期大学部 幼児・児童教育学科教授。研究分野は、野外教育、ウエルネス、レクリエーションなど。大学構内の自然環境を活用して、キャンプやブッシュクラフト体験ができる『アウトドアキャンパス』を手がける。教員になる前からボランティアでキャンプを行っており、キャンプ場を開発する企業に勤めた経験も持つ。分担執筆に『野外教育入門シリーズ』第一巻『野外教育の理論と実践』(杏林書院)
文:笹間 聖子
FQ Kids VOL.07(2021年夏号)より転載
編集部のオススメ記事
連載記事