2022.03.29
2021.09.04
2020.03.18
街では週末でも人が減り、特に子供の姿を見なくなった。登下校の子供たちの賑やかな声が大人に活気を与えてくれていたことを改めて気づかされるが、外出を控えるよう言われている子供たちとその親は、どう過ごしているのだろう。
今回の臨時休校の事態を受け、ソフトブレーン・フィールド株式会社が、小学生の子供を持つ働く母親161人を対象に調査を行った。
「小学校の臨時休校中の対処」について尋ねると、「子供だけで留守番をさせる(50.3%)」「自分や夫などが仕事を休んで子供と過ごす(46%)」という声が多く挙がった。
高学年なら一人で留守番もさせられるが、低学年の子供はそうもいかない。仕事を休めない日は、預け先を必要としている家庭も多いだろう。
そのほか、「休校について不安に感じていること」に関しては、「子供の勉強(75.2%)」「子供の精神状態やストレス、健康面(65.8%)」「この状態がいつまで続くか(65.2%)」が上位に。親は自分の仕事よりも、子供への影響を懸念していることがうかがえる。
さらに、「新型コロナウイルスによって自身の働き方は変化したか」を尋ねると、5人に1人が「変化した(20%)」と回答。
ウイルスの脅威といういわば外的圧力によって、テレワークや時差出勤など、はからずも新しい働き方の実験を強いられている形だ。
休校中の子供と親は、家でどのように過ごしているのか。調査に寄せられた声を拾ってみよう。
また、「忙しく子供と接する時間を設けていなかったので、たくさん話す機会にする(30代パート)」「外出ができないので窮屈を感じないように気遣い、できるだけ会話をしながら体調も細やかに様子を見る(30代パート)」など、普段よりも丁寧に子供と向き合おうとする姿勢も見られた。
休校は大変な事態だが、子供とコミュニケーションをとる貴重な機会とも捉えられているようだ。
新型コロナウイルスが契機となり、働き方や暮らし方が変わる可能性もある。企業は柔軟な働き方の導入や業務プロセスの見直しを求められており、これらは政府の「働き方改革」と併せて、今後も継続されていくだろう。
学校も働き方も、もう少し幅やゆとりがあってもいいのかもしれない。たとえば経団連は2019年度事業方針「『Society 5.0 for SDGs』で新たな時代を切り拓く」で、「学校休業日の分散化および企業における年次有給休暇の促進に取り組む」としている。これは国内観光需要の喚起と平準化に向けて提唱されているものだが、働きやすさ、暮らしの豊かさの観点からも前向きに捉えることができる。
また、外出自粛が広がった状況を指して「巣ごもり」という言葉も使われるが、これが意外とコロナ終息後も一部続いていくのでは、という意見もある。
たしかに、外出しなくてもインターネットがあれば、家で買い物をしたり映画も観られる時代だ。この「巣ごもり」が、新たな需要やサービスを生み出すかもしれない。
いま世界は、経済的にも社会的にも重苦しい空気に覆われている。しかし、今回の事態によって家庭や学校、職場が学ぶものがあれば、コロナ禍にも意味があったといえるだろう。
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