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2022.02.08
近代的なオルタナティブ教育に影響を与えた教育法と言われるフレネ教育は、もともと、一方的な当時の「教え込み教育」の批判から始まった。フレネ教育研究会代表を務める東京家政大学の結城孝雄教授は、こう話す。
「一言で言えば、子供のやる気を引き出す教育。学び方を学ぶ教育とも言えます。学習ではなく、『学び』という形を100年前から学校教育の中で取り組んで来た教育実践です」。
キーワードは、協同、表現、地域、自律、対話。言葉や様々な表現活動からメタ認知を自分の中に築いていくという教育は、まさに数値化できない非認知能力を伸ばすことに繋がる。
フレネ教育では、教科書ではなく、子供たちが綴る生活表現「自由テクスト」を大切な学習材とし、それを発表する。これは、単に文章トレーニングのための反復学習方法ではなく、クラス、地域に向かって意味を持つ情報を提供する発信(=メディア)を通しての学びになる。また、子供たちは自分の「学習計画表」を作成。自分のペースで学習を進めていく。
「これらは子供が自発的な活動の主人公になるために行われる学校での基本的な活動です。学校の決まりは、子供たちが自分たちで修正したり、確立していく。活動内容は、他者評価を含んだフィードバックによって質が高まっていく。日々の繰り返しにより、子供は自立、自律した存在になる。責任と自由の中で考え行動する存在になっていくのです」。
生きることは、自らの判断と選択の繰り返し。大人は、それぞれの場面に応じて、年齢に則した判断と選択を子供に委ねることが大切。より良い判断と選択は、協同と対話の中で生み出すように心がけたい。
結城孝雄先生
東京家政大学政学部 児童教育学科教授。フレネ教育の日本での普及・発展を目指し、「フレネ教育研究会」の代表を務める。「フレネ教育ハンドブック」など著書多数
文:曽田夕紀子
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