2020.03.02
2021.11.07
2021.08.30
身近なアイテムを素材にしながら、作る過程も楽しみつつ手作りすることで、集中力や行動力、柔軟な発想を育むおもちゃ。「正解」がないからこそ作る人のアイデア力が必要となり、でき上がりはすべてが「正解」になるので肯定感も育てられる。
子供のために作ったおもちゃが話題となり、今や手作りおもちゃ作家として雑誌やTVで活躍中の佐藤蕗さん。市販のおもちゃが山のように市場にあふれている中、あえて手作りするに至ったきっかけは何だったのだろうか?
「第1子が0歳だった頃、1対1でいても何をしたらいいかわからなかったんです。赤ちゃんからの反応はないし、誰もほめてくれないし」。
赤ちゃんとの遊び方なんて、誰も教えてくれなかった。「2人でいると時間が進まない」と悩んでいたところ、ふとチラシに印刷されていた人の顔を切り取り、床にテープで貼りつけただけの「かおシール」に子供が大喜び。元来の工作好きに火がつき、わが子のためのおもちゃ作りがスタートした。
「引っ張りたい」「音が鳴るのが好き」といった子供の個性に合わせたおもちゃを与えることができるのが、手作りのおもちゃのよさであり、楽しさだとか。喜んでもらえるおもちゃを作るためによく観察することで、子供への理解も深まり、共有する物が増えると子供との会話もはずむ。「おもちゃを作ることで子育てがラクになりましたね」。
特に「知育」を意識したおもちゃは作っていないという佐藤さんだが、子供は無理に誘導しなくても、自然に文字や数字に興味を持つもの。
「好きな気持ちに沿って、与えてあげたときの、子供の吸収力はすごいですよ」と取り出したのが、数字を模したマグネットだ。「急に数字が好きになり、外出先でも数字を見つけては喜んでいた2歳頃に作りました。数の概念にとらわれず、数字をモチーフとして自由に並べて遊ぶ姿を見て、すごく素敵だと思いましたね。今だけの期間限定の遊びなんだなって」と語る。
本来「学び」と「遊び」は別のものではないはず。「遊び」は「学び」だし、「学び」自体が「遊び」と考える佐藤さん。そんな佐藤さんが作るおもちゃは遊び方を限定せず子供にゆだねる物が多く、いろんな楽しみ方が考えられる。「違う方向から見ると解釈も変わる。自分で考えて遊ぶから、そうした気づきに敏感な子に育った気がしますね」。
自由に考え、身体で感じ、発見する。非認知能力を育てるのは、こうした遊びの時間なのかもしれない。
外に持っていって、カードを葉っぱや花に当てても楽しい
厚紙に好きな絵をかいて、模様を変えたい部分をカット。印刷物や洋服などの布、スマホの画面などに当てて気軽にお着替えを。
「くらしのひらがな」とWEBで検索してみよう
カットした発泡スチロールに色画用紙を貼って仕上げた「くらしのひらがな」。好きな物2つを立体の「と」でつないで遊ぶ。
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