競争心や幼少期の基礎体力を育む! 「キッズバイク」とレースの楽しみ方

競争心や幼少期の基礎体力を育む! 「キッズバイク」とレースの楽しみ方
乗り物デビューのトレンドといえばキッズバイク。その役割は自転車へのステップアップだけではないという。子供の非認知能力を伸ばすキッズバイクのミエナイチカラとは。

キッズバイクが育てる非認知能力

キッズバイクには色々なメリットがあります。なかでも有名なのはバランス感覚の習得でしょう。自転車に乗るためにはお尻(骨盤)でバランスをとらないとなりません。普段は足でとっているバランスをお尻でとる。この感覚がわからないと自転車には乗れません。

そういった意味で、両足が補助輪になりバランスをとる練習ができるキッズバイクは自転車の導入としてはとても良い運動といえます。また、スピードが出すぎないためコントロールできる範囲内で交通ルールやマナーを学べるとされてます。 

一方、他の遊びでは習得できない能力もあります。まず、視覚情報の処理能力です。キッズバイクでは、走っているとき以上にスピードが出るのでいつもよりも遠くを見なければなりません。

普段見ているエリアと距離感が生まれることで、処理しなければならない情報は数倍にもなります。近くも見なくちゃいけないし、遠くも見ないといけない。この視線のやりとりによって視覚情報の処理能力が高められます。その結果、視野が広がり、障害物や危険を認識することができるようになります。 

次に、衝撃の吸収の仕方がわかることです。例えば、砂利道ではガタガタと衝撃を受けます。このとき、ハンドルを浮かせたり段差を乗り越えるために踏ん張ったり、どう関節や身体を使えば衝撃に耐えられるかがわかるようになります。 

最後に、綺麗な姿勢が作られることです。赤ちゃんは足の筋肉が最初について、お尻の筋肉、背中の筋肉と徐々に筋力がつくことで歩けるようになります。

バランスバイクも同じで、足の筋肉でとっていたバランスをお尻の筋肉、体幹や背中の筋肉がついていくことで乗れるようになります。すると、骨盤を軸にしてバランスよく筋肉がついていくので良い姿勢が作られます。良い姿勢は集中力を持続させ、勉強でも高いパフォーマンスを発揮できるようになります。 

そして、これらは危険予測能力につながります。どんな距離感に危険があるか、それをどう身体を使って回避できるか考える。これは、日常生活でも危険から身を守る意識を芽生えさせます。キッズバイクは楽しいだけでない、成長を促す力で溢れていると言えます。

「ダメだからダメ」ではなく「なぜならば」を伝える

子供の遊びは時代とともに変化しています。キッズバイクのように新しくできた遊びもあれば、無くなっていくものもあります。有名なところだと、シーソーや回転ジャングルジムなどの動く遊具。リスク回避のために次々に撤去されめっきり見なくなりましたが、これらの遊びはキッズバイクと同じ能力を育てる役割がありました。

シーソーは着地の際にタイミングを合わせて足を伸縮させ、衝撃を吸収する動きが必要ですし、回転ジャングルジムのぶら下がった状態で回り続ける惰性の運動はバランス感覚を鍛えます。きちんとした意味があり、正しく使えば安全に楽しめても、危険が伴うものはどんどん排除される。

しかし、遊びにおいて大切なことは危険を取り除くのではなく、危険についてしっかりと理解することです。子供が楽しいと感じるのは「ハラハラ」「ドキドキ」すること。

キッズバイクの場合は、スピードを出したり、急ブレーキをかけることが子供にとって一番楽しく親から見たら危険な遊びです。この時、「ダメだからダメ」ではなく、「なぜダメなのか」をきちんと伝えてあげることが重要です。危険について理解することで危機管理能力が育成され、ひいては交通ルールの学びにもつながっていきます。

危険予測の意識で「まさか」を防ぐ

なぜ危ないのかをしっかり伝えることが大事と言いましたが、それにはまず親が危険予測の意識を持つことが必要です。キッズバイクに乗るときはヘルメットと肘当ての着用は必須ですが、あまり重要視されていない風潮を感じます。その理由としては、親がどんな事故が起こるかという危険予測ができていないことが挙げられます。

キッズバイクは公園での利用が禁止されていることもあり、道路で遊ぶ機会が多くなります。当然車も通る。重大な事故は転んだときに車に轢かれることで、多くは即死です。「まさかあんなことになるとは」と思ったときにはもう遅い。どんな危険があるか、どこで起きるのかといった知識をあらかじめ持っておくことで危険を予測し、事故を未然に防ぐ意識が大切なのです。

いまはインターネットで色々な事故や危険について調べられますから、子供たちが遊ぶ場所にはどんなリスクがあるのか事前に知っておきましょう。そうすることで、正確な危険予測と具体的に「なぜ危ないのか」をきちんと伝えることができます。

» 危ない体験をさせることも大事!
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