
2022.11.10
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2025.09.11
7月20日(日)・21日(日)、株式会社アフレル主催の小・中・高校生向けのロボット・コンテスト、『アフレル・クリエイティブカップ』関東大会が開催された。
20日は「ジュニア部門(小学生)」、21日は「シニア部門(中学生以上)」として、関東地域でロボットプログラミングのスキルを磨く、児童・学生が集まった。
競技は、当日出された課題にその場でロボットを作ってチャレンジする「チャレンジクラス」と、あらかじめ出された課題に対して制作したロボットで競う「マスタークラス」の2つ。どちらも、ロボット制作に加えて、その狙いについての「プレゼンテーション」も行い、総合点を競うのが特徴だ。
課題に対して解決法を考え、仮説検証しながらロボットを制作する課題解決力と、それを人にわかりやすく伝える表現力・コミュニケーション力の両方を育むのが狙いだ。
20日のジュニア部門では、マスタークラスに小学生3チームが参加。そして21日のシニア部門では、チャレンジクラスに高校生の5チーム、マスタークラスに中学・高校生の12チームが参加した。
ロボット制作の課題は、車輪を使わない「歩行ロボット」。「足」を使って2分間の制限時間内に約2mを歩行し、途中で障害物となる複数のブロックを越えて、決められた地点への停止位置精度を競う。
使用機材はレゴ® エデュケーション SPIKE™ プライムと、教育版レゴ® マインドストーム® EV3という規定があり、すべてのチームが同じ前提条件で戦う形となる。
マスタークラスでは、まずプレゼンテーション審査が行われた。内容の論理性はもちろん、わかりやすさ、インパクト、声の大きさや目線などのノンバーバルなコミュニケーション力も評価ポイントとなる。
参加者は、スライドツールを駆使したり、模型を使うなどの工夫も凝らしながら、それぞれの考えた狙いと解決法を伝えようと頑張っていた。
そして、ロボットの試走・調整の後にいよいよ実走。20日のジュニア部門では、プレゼンテーションは高評価ながら、バッテリー切れなどが原因で出走できずリタイアとなったり、1度目の実走では失敗したが、2度目の実走で成功させたりといったドラマが見られ、1人ひとりにとって大きな学びの体験となったことが感じられた。
21日のシニア部門では、チーム数が多かったにも関わらず、それぞれまったく異なる戦略や設計のロボットを用意しているのが印象的だった。
スピードは遅くても安定走行を取るチーム、スピードを速くし時間内に何度もリトライしてベストスコアを狙うチームなど、同じ課題に対してもまったく異なるアプローチがあり、「正解のない課題」に挑戦するプロセスによって、課題解決力や発想力が育まれていることを実感した。
21日のシニア部門チャレンジクラスでは、「宝」ブロックと「ゴミ」ブロックを見分けて、「宝」ブロックだけを移動させるといった課題にチャレンジ。
チームで話し合いながら、限られた時間に戦略を決め、試行錯誤をしながらロボットを完成させるプロセスは、ロボットプログラミングのスキルや知識だけでなく、アイデアの瞬発力やコミュニケーション力も大きく発揮されていた。
プレゼンテーションも、実走の後、時間内に模造紙に書いて発表する形式。時間や表現方法が限られている分、チームワークや表現力がより試される場となっていた。
『アフレル・クリエイティブカップ』では、ロボットプログラミングの技術はもちろん、プレゼンテーションやコミュニケーションという「人に伝える」ことを重視している部分が、子どもたちの未来にとって大きな意義があると感じた。
また、ロボットの実走では、本番で上手く結果を出せないチームもたくさんあったが、結果の良しあしに関わらず、それまでに自分たちで精一杯考え、何度も試行錯誤を経てきたプロセスは、子どもたちにとって大きな学びとなったはずだ。
今回のロボコンの体験が、子どもたちの未来に活かされていくことに期待したい。
株式会社アフレルは、ロボットなどの最新技術を駆使した教育支援サービスを提供する企業。「感動体験から得られる学び」を理念に、企業や教育機関向けの教育サービス・教材の企画・開発・販売に加えて、小学生から若手技術者までさまざまな年代向けのロボット・コンテストを通して、学び・挑戦の機会を提供している。
文:FQ Kids編集部