0~5歳におすすめ! 幼児期に“身体を育む”シュタイナー教育の年齢別ワーク6選

0~5歳におすすめ! 幼児期に“身体を育む”シュタイナー教育の年齢別ワーク6選
シュタイナー教育では、人の成長は7年ごとに大きな変化を迎えると考えられている。誕生してから最初の7年間は、身体を育てるための大切な期間。おうちでできる幼児期のワークを紹介する。

 

<目次>
1.特別な道具は不要 まずは触れ合いから
2.【0~1歳】
3.【2歳】
4.【3歳】
5.【4~5歳】
6.昔ながらの手遊びで力加減やバランス感覚を育てる

 

この人に聞きました!

鴻巣理香さん

東京賢治シュタイナー学校教師。6年生担任および国語・芸術(絵画)の専科担当。「正直であるというところから人間は真の強さを生み出す」を信念とし、子どもたちが自分を素直に表現できるように関わることを心がけている。

特別な道具は不要
まずは触れ合いから

「おうちでわが子と身体を動かすことに挑戦したい方に、まずおすすめなのがお散歩。足は身体全体につながっているので、身体づくりにはぴったりです。

途中で見つけた花や葉っぱにそっと触れたり、においを嗅ぐのも世界を広げる体験。長い距離を歩くことは達成感につながり、ここまで歩けたという自信が、物事をやり遂げる意志を育てます」。

もっと小さな子たちには、親がやさしく触れてあげるだけでも効果的。特別な道具はそろえなくても、大好きなパパ・ママと触れ合ったり、同じ動きを楽しんだりするだけで、小さな子どもにとっては十分楽しめる時間となる。親子で過ごす楽しいひとときが、身体を動かす喜びへとつながるはずだ。

年齢や成長に合わせたおうち用のワークをご紹介するので、ぜひ実践してみてほしい。

【0~1歳】
いろいろな触れ方で
お互いの存在を知覚する

やさしくそーっとなでたり、目を見ながらぽんぽんとなでることが、小さな子どもにとっては喜びとなる。

まだ身体を自由に動かせない小さな子どもには、そっとなでたり、ぽんぽんと軽く触れてみたり、ぎゅーっと抱きしめたりと、いろいろな触り方で触れてみるだけでも十分な刺激となる。同じ触れ方でも、触れる場所を変えるだけで感覚が変化する。

【2歳】
「やりたい!」気持ちを
そばでじっと見守って

大人が椅子に座り、太ももの上に子どもをまたがらせて、子どもの上半身を支えながら「お馬がぱかぱか」と揺らしてあげる。

身体の自由度が高まると同時に、言葉も出てきて、何かをしたい気持ちが強くなる。大人は手を貸したくなる気持ちを少し我慢して、一人で挑戦するところを見守ってあげよう。

毛糸をぐるぐる巻いてボールを作る。触るだけでも気持ちがよいが、小さな言葉と共に「手渡す→返す」作業を繰り返すことがコミュニケーションの練習に。

いろいろな手触りの物に触る体験も効果的。

10~20cm角の袋を作り、炒りぬかを入れてぬか袋を作る。頭やお腹に乗せてあげると、重みが心地よい。電子レンジで程よく温めるとさらに気持ちいい感触に。

【3歳】
大好きなジャンプ!
を親子で一緒に楽しもう

「大きなうさぎさん(ぴょん)!」「小さなうさぎさん(ぴょん)!」と親子一緒に大小のジャンプを繰り返す。

まだ不器用ながらも動きが大きくなり、子どもにとっても身体を動かすことがさらに楽しくなる。特にジャンプをするのが大好きなので、大人が一緒に跳んであげると大喜び。「上手に」ではなく「楽しく」を心掛けて。

【4~5歳】
子どもと触れ合いながら
大きな動きをサポート

あおむけになった大人が曲げた膝(またはひざを曲げて天井に向けた足裏の上)に子どもを乗せる「飛行機ぶ~ん!」は、子どもが大好きな遊び。

自分ではできないダイナミックな動きの手助けを大人がしてあげると、身体を動かすことがさらに楽しくなる。特別な道具やおもちゃがなくても、抱き上げたり、膝に乗せてゆらゆら揺らすだけでも子どもは喜ぶ。

昔ながらの手遊びで
力加減やバランス感覚を育てる

おはじきやお手玉、こまといった昔ながらの遊びは、子どもがバランス感覚や力加減を学ぶのに効果的。うまく遊べなくても、お手玉を握ったり、おはじきを指でつついてみたりする体験から、子どもは少しずつ力の使い方を学んでいく。

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文:藤城明子
イラスト:岡本倫幸

FQ Kids VOL.16(2023年秋号)より転載

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