2024.07.19
2024.04.26
2022.09.03
知育の観点から、手先を使った遊びが重要視されている。手指の動きが刺激となって脳の発達を促すのはよく語られることだ。モンテッソーリ教育では手を使った活動による知的発達を重視する。
昔から日本人は細かい作業が得意で、多くの工芸品を生み出してきた。そんなものづくりの伝統も現代的な形で次世代に伝えたい。多くの子供はものを作り上げる遊びが好きだ。ブロック遊びや工作が好きな子の意欲を伸ばし、興味を広げるクラフトキットを紹介しよう。
株式会社プラザクリエイトの「つくるんです®」は、累計出荷数160万個突破を誇るDIYクラフトキットだ。これまで3Dウッドパズル、ミニチュアハウスキットで人気を博してきた。
8月に新たにリリースされたのが「絶滅危惧種シリーズ」。昆虫をモチーフにしたポケットバグズシリーズに続く学習要素付きの3Dウッドパズルだ。第1弾は「タンチョウ」「カブトガニ」の2種。
左:RLS01 タンチョウ、右:RLW01 カブトガニ 各¥2,200(税込)
タンチョウは北海道東部を中心に生息し、国内で繁殖する唯一のツルだ。乱獲や生息地である湿原の開発により、大正時代には絶滅寸前まで減った。保護施策により数は回復したが、まだまだ注意が必要な状況にある(日本野鳥の会HP参照)。
カブトガニは、約2億年前からその形をほとんど変えることなく、生きた化石と呼ばれる動物の代表だ。海岸地帯の整備や開発につれて、産卵のための砂浜や幼生の育つ豊かな干潟などが減少し、いまや絶滅の危機に立たされている(環境省HP参照)。
こうした動物をリアルに再現できるのが「絶滅危惧種シリーズ」。開発に携わったプラザクリエイト社の大塚凪紗さんは、「本シリーズのポイントは、それぞれの生き物の特徴が、しっかりとパズルに落としこまれている点」だと語る。
カブトガニ博物館から提供を受けた細部の写真を参照したり、バードウォッチング専門誌「BIRDER」(文一総合出版)とやり取りしながらリアルさを追求したという。
それぞれに図鑑が付属。こちらも河瀬幸氏(阿寒国際ツルセンター【グルス】)、岡山県笠岡市立カブトガニ博物館が執筆・監修した本格仕様だ。
対象年齢は10歳~、制作時間目安は1時間なので、FQKids読者は親子で協力して作業するのもオススメだ。動物たちが絶滅の危機にあることと、その背景について話しながら創作すれば、より学びが深まるだろう。出来上がった作品はインテリアとして飾ることもできる。
工作は作る過程も楽しいが、作品が精巧であればあるほど、作った後の飾ったり眺めたりする楽しみも増す。パパママからは、正確さが求められる制作や生物多様性といったテーマはまだ難しいだろうと思えてしまうかもしれない。しかし、意外と子供は楽しめてしまうもの。
少しだけ高めのハードルをクリアすることで、子供は成長していくのだ。自分でも少し無理そうに思えることができたとき、自身の力を信じることができ、次の目標に挑む意欲を湧かせられるはずだ。
文:平井達也
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