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アオマツムシ(写真左)はリーリー、エンマコオロギ(写真右)はコロコロリーと鳴くと言われるが聴こえ方は様々。翅を振動させて音を出す様子を観察しながら、音の仕組みまで興味の幅を広げてあげよう。
秋といえば虫の声。ステキな音色に耳を傾けてみよう。その鳴き声は1つではなく、よく耳を澄ませると高い音から低い声まで何種類もある。識別が難しいときは、録音してみよう。虫の鳴き声図鑑などで確かめてみるのも楽しい。
ふわふわとした触り心地のススキ(写真右)は秋の風物詩。お月見に飾られたりと身近な存在で、その起源を教えてあげるのもgood。オオオナモミ(写真左)は服にくっつく子供の大好物。
木の実や草の実、落ち葉などを触った感触は、秋ならではの味わい。「意外とベタベタする」とか、「とげとげしてる」とか、「ぷちゅっとつぶれる」といった触感体験は、子供の五感を刺激する。風で落ち葉がさらさらと舞う音や、車に落ちるどんぐりの音も面白い。
都内近郊ではあまり目にしないアケビ(写真左)は、あっさりした甘さで子供でも食べられる。タネをかじらないように注意して。サツマイモ(写真右)も花が咲くことを知らない子供も多いはず。食卓に並べるときに、野菜の花でクイズをしても楽しいかもしれない。
秋の味覚は、栄養がいっぱい。サツマイモにサトイモ、ナシ、カキ、クリ、アケビなど、季節の野菜・果物にはビタミンもたっぷり含まれている。新米の季節でもあるので、新米で炊いたご飯を何もつけずに食べてみよう。自然の甘みが口の中いっぱいにあふれてくる。
秋の夕暮れは空の色彩が豊か(写真上)。綺麗な夕焼けの翌日は晴れることも多い。冬の足音を感じる重たい雲(写真下)が見えたらそろそろ寒くなる予兆。天気予報を見なくても空の様子で季節のうつろいを感じることもできる。
秋は、雲の観察に最適な季節。季節のうつろいとともに変化する空の姿を楽しもう。9月初旬は主に積乱雲系、10月は安定した秋晴れにいわし雲、11月後半には雲の一部が氷の結晶になって輪郭がぼやけることも。夕暮れ時の空の色の変化や、早朝の澄んだ空もおすすめ。
秋の香りの代表格キンモクセイ。夕方は特に香りが広がるので涼しくなってからの散歩もオススメ。(写真左)ハッカとシソが混ざったような香りのナギナタコウジュは淡い紫色で草むらの中でも見つけやすい。(写真右)
初秋ならキンモクセイの香りに出会いに行こう。秋も深まる草むらでは、シソ科植物の葉の香りもいい。木の実や草の実のカラフルな色味が楽しめるほか、オオオナモミなど服にくっつけて遊べる草花も秋は多い。小春日和には、陽気に誘われスミレが花開くことも。
岩槻秀明さん
気象予報士。植物、昆虫、気象など自然に関する書籍や雑誌に執筆を行う。「わぴちゃん」の愛称で親しまれ、テレビなどのメディアにも出演。小学校への出張講義や自然教室が人気。最新刊に「雲の図鑑 最新の国際基準で見分ける」(日本文芸社)。
文:甲斐 望
イラスト:岡本 倫幸
FQ Kids VOL.08(2021年秋号)より転載
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