2022.02.21
2022.01.13
2022.11.07
>>関連記事【「STEAM教育って何ですか?」遅れをとる日本で、幼児期に家庭でしておきたいこと】
STEM教育のユニークな取り組みで
将来の起業家を育てる!
2015年から本格的にSTEM教育を採用している香港では、今や多数のSTEAM学校が生まれ、大学と連携した教育も推進されている。公立小学校でも、STEAM教育の一環として子供たち発案のプロジェクトのために教師がスポンサーを探すなど、ユニークな取り組みを展開。
オバマ大統領が重要性を強調!
科学技術イノベーション政策を展開
2009年にオバマ大統領がその重要性を演説で強調したSTEAM教育の提唱国。2015年にはSTEM教育法も誕生し、50州でSTEAM教育プログラムを実施中。国家戦略として国家予算にも組み込まれており、NASAや国防総省など省庁を横断したプロジェクトを展開している。
産業と教育現場が連携をとり
実践的なSTEAM教育の予算を確保
教育現場とSTEAM産業が「産学連携」を築き、実践的な教育プログラムを展開。幼児や低学年の小学生にSTEAM教育を施すプログラムや、生徒の理系学習をサポートするためのプログラムの実施、STEAM分野で活躍する女性をサポートする活動など、多様な形で実施されている。
幼稚園から高校にかけて
デジタルスキルを学ぶ!
2011年にはSTEM学科に入学する学生を支援する予算を確保。プログラミング教育にも力を入れており、幼稚園から高校にかけてデジタルスキルを取得するためのカリキュラムを展開している。STEAM教育を学校教育に取り入れるための、教師へのトレーニングやサポートも充実。
すべての子供を科学好きに!
遊びながら学べる国営施設を設立
すべての学生を科学好きにすることを目標に、国営のSTEAM教育施設「Science Centre Singapore」を設立。実際にSTEAMを体験できるアクティビティを提供している。また低学年から専用プログラムが用意されており、国全体でSTEAM教育に取り組んでいる。
国内予選を通過した子供たちがロボットプログラミングの技術を競う「MakeX」。日本公式サイトもあり。日本からの参加は残念ながら少ないが、公式サイトから参加申し込みが可能。
ロボット大会といえば毎年TVで放映される「NHK学生ロボコン」の印象が強いが、STEAM教育の一環として、小学生が参加する国際ロボット大会が毎年開催されている。
例えば、中国・深圳に本社を置くMakeblock社が開催する大会「MakeX」では、同社がSTEAM教育用として開発したロボット「mBot(エムボット)」を使用し、各国から集まった小学生たちが競う。
参加できるのは、「mBot」でプログラミングを行う6~13歳。日本では、2018年にオーガナイザーであるSTEM教育協会主催で、東京・福岡・沖縄の地区予選が開催された。
大会ではプログラミング技術のレベルに合わせた4つの部門を設置。与えられたミッション(課題)をグループで解決する。過去の大会では「City Guardian(シティガーディアン)」をテーマに、環境汚染や食品の安全性、リサイクルなど、リアル社会で直面するような課題をSTEAMの概念を基に解決することがミッションとなっていた。
「MakeX」のほか、ロボット「VEX(ベックス)」を使用したロボット競技大会もあり、ここでも世界中の子供たちがロボットの工作やプログラミング技術を競っている。
経済的に急成長している中国ではSTEAM教育にも力を入れており、教育ICT化の発展に向けた計画を発表するほか、無線LANの教科やリモート授業の推進を進めるなど、小学校からプログラミングを含むAI教育を展開している。
中国のシリコンバレーとも呼ばれる深圳でも、公教育で積極的にSTEAM教育を採用。その一例として、複数年かけて無土壌栽培を学ぶ授業も登場した。
STEAM教育の一環で、無土壌(水耕)栽培を実践する中国・深圳の小学校。複数年かけてプロジェクトを展開することで、科学や工学、最先端テクノロジーなどを横断的に学習することができる。
この授業では、土を使わずに野菜を育てることでサイエンスを学び、気温や水温などを管理しながらテクノロジーとエンジニアリングを学ぶなど、実践的な授業を展開。単にプログラミングやロボティクスを学ぶだけでなく、一歩先をゆくSTEAM教育が実現している。
スタートアップ企業が多い中国では次々とイノベーションが創出され、競争優位な製品やサービスも数多く誕生。この状況を見ると、STEAM教育の有効性が感じられる。
FQKids VOL.11(2022年夏号)より転載
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