2020.05.29
2022.05.18
2022.11.04
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理工系の教育に力を注ぐことで、現代社会に対応できる人材を育てるSTEM教育。現在はSTEM教育のScience(科学)、Technology(技術)、Engineering(工学)、Mathematics(数学)の4科目にArts(アート)が加わり、さらに総合的なSTEAM教育として各国で取り入れられている。
日本でもプログラミング教室やロボット教室が増加中。しかし、「日本のSTEAM教育は国際的に見て立ち遅れている」と一般社団法人STEM教育協会の代表理事・桶谷早苗さんは語る。
現在、世界でSTEAM教育をリードするのは、アメリカと中国。特に、急成長している中国では教育ICT化のための国家予算も年々増加しており、総合的なSTEAM教育を進めている。それに対し、日本の公教育では2020年に小学校でのプログラミング教育が必修となったばかり。総合的な教育には程遠い状況だ。
そもそも、STEAM教育とは単に知識を身につけることを目的にしている訳ではない。科学やIT技術といった世界共通の言語を身につける過程で、自身の興味の方向性を知り、自由な発想力を育むことが重要だ。
それでは、STEAM教育のために家庭では何ができるだろうか?
「ブロックでもゲームでも、親子一緒にしっかりと遊ぶことが大切です」と語るのは、STEM教育協会の理事やプログラミング教室「DOHSCHOOL」の教頭を務める久木田寛直さん。
ひとつの抽象的な世界観を親子で共有し、言語化することは、後に理工学系の文化を理解する際に必ず役に立つという。幼少期に遊びながらロボットやプログラミングに触れていれば、理数系への苦手意識を防ぐこともできるだろう。
子供の「好き」を育てる。それこそが、STEAM教育と非認知能力の育成の共通目的なのだ。
「Science(科学)」「Technology(技術)」「Engineering(工学)」「Arts(芸術)」「Mathematics(数学)」の5文字を組み合わせた教育概念。複数の教科に横断的な学習機会を提供することで、IT化が進む国際社会で通用するような、革新的な視点を備えた人材を育てることを目標としている。2000年頃にアメリカでSTEM教育としてスタートし、その後自由な発想力・創造力に必要とされるArtsをプラス。STEAM教育として各国で取り入れられている。
一般社団法人STEM教育協会は2017年に発足以降、国内外の教育機関をはじめ、教育事業者、出版社、教育サービスプロバイダー、教育者等と連携を図りながらSTEM教育の普及を推進。STEM教育をキーワードにした国際交流にも積極的に取り組み、各国の情報収集や人材交流プラットフォーム作りも行っている。
桶谷早苗さん
一般社団法人STEM教育協会代表理事。2017年に同協会を設立後、幼児教育からプログラミング教室の講師育成までSTEAM教育全般に関わる。国際ロボコン「MakeX」の国内大会や、「mBot」を使ったワークショップなども開催。
久木田寛直さん
一般社団法人STEM教育協会理事。小中学生向けプログラミング教室「DOHSCHOOL」教頭。昭和女子大学現代教育研究所研究員。2015年より小学校から大学までのプログラミング・情報教育の研究を行なっている。
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文:藤城明子
取材協力:一般社団法人STEM教育協会
FQKids VOL.11(2022年夏号)より転載
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