2023.04.01
2020.04.10
2022.07.17
SDGsについてはメディアで取り上げられることも増えてきた。子供たちは学校でも勉強するが、パパママは家庭でどう教えるか、難しいところだ。生物多様性や食の問題は身近ではあるが、今、何が危うく何をすべきかと問われると、簡単には答えられないかもしれない。
紹介する2つのパビリオンは、職業・社会体験施設「キッザニア」で公開されるもの。具体的に環境問題を学びつつ、その解決のために自分はどう生きるかを考えさせてくれるだろう。
KCJ GROUP 株式会社が東京都江東区、兵庫県西宮市、福岡県福岡市の3ヶ所で企画・運営しているのがキッザニアだ。実在する企業が出展するパビリオンが建ち並び、さまざまな仕事やサービスを体験することで社会の仕組みを学ぶことができる。
この夏、キッザニア東京とキッザニア甲子園で特に注目なのが、体験型SDGsパビリオン「サンゴ未来研究所」と「サーキュラーフードセンター」だ。
サンゴ礁は熱帯雨林とならび、地球上で最も生物多様性が高い場所の1つ。そのサンゴが今、気候変動や人間の開発により絶滅の危機に瀕している。サンゴの危機は多くの海洋生物にとっての危機でもある。
体験型環境教育プログラム「サンゴ礁ラボ」を提供する東大発環境移送ベンチャー企業・株式会社イノカと共同で、期間限定公開される「サンゴ未来研究所」では、サンゴが生息している環境を再現した水槽を観察でき、サンゴを中心とした生態系について学べる。
子供たちはサンゴ研究員としてシートに観察を記録し、キッザニア内で使える通貨「キッゾ」で報酬も受け取る。SDGsでは14番目の目標として「海の豊かさを守ろう」と掲げている。わが子は何に気づき、どんな決意をするだろうか。
また、日本を含む先進国では食品ロスが問題となっている一方で、途上国では飢餓が止まらない。ユニセフなどによれば、最も多いアジアでは3億8,100万人、次いでアフリカで2億5,000万人、ラテンアメリカとカリブ海諸国でも4,800万人が栄養不良に苦しんでいる。SDGsの2番目の目標「飢餓をゼロに」は、2030年の達成は困難では……とも言われる。
そんな中、環境負荷の低い次世代のタンパク源として「コオロギ」を取り入れたサーキュラーフードが注目されている。キッザニアがタッグを組むのは徳島大学発のベンチャー企業として食用コオロギ関連事業を展開する株式会社グリラスだ。
「サーキュラーフードセンター」では、子供はサーキュラーフード開発者として、食品ロスの現状を学び、サーキュラーフードとして注目されている食用コオロギパウダーを利用してオリジナルポップコーンを作る。
こちらもキッゾで給料が支給される。わが子は毎日なにげなく行っている「食べる」ことについて、深く考えるのではないだろうか。
6月中に梅雨が明け猛暑となるなど、地球環境の異変を感じさせる夏の始まりとなった。生態系の危機や食糧の深刻さなど、状況は厳しい。パパママ世代の子供時代と比べても、問題は差し迫っていると言えそうだ。
しかし子供たちは自らの手で未来を切り拓いていかねばならない。現実を知る場を提供し、乗り越えていく力を育てるのは大人の役目だ。もちろんそこには楽しさや希望もたくさん添えてあげたい。
〈パビリオン概要〉
「サンゴ未来研究所」
・期間:キッザニア東京 2022年7月23日(土)~8月28日(日)、キッザニア甲子園 2022年7月21日(木)~8月28日(日)
・職業名:サンゴ研究員
・定員:6名/1回
・所要時間:約35分
・成果物:観察シート
「サーキュラーフードセンター」
・期間:キッザニア東京 2022年7月23日(土)~8月28日(日)、キッザニア甲子園 2022年7月21日(木)~8月28日(日)
・職業名:サーキュラーフード開発者
・定員:6名/1回
・所要時間:約30分
・成果物:コオロギパウダー入りのオリジナルポップコーン
文:平井達也
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