2021.01.27
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2022.08.23
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人間にとって食が生きるうえでの基本となり、大切だということは昔から変わらない。しかし現代人と食を取り巻く環境は時代と共に変化してきた。
「いただきます」「ごちそうさまでした」の挨拶からはじまり、箸の使い方や食べ方の作法、そして食べ物を残さない、粗末に扱わないということなど……。これらは明治、大正、昭和の昔から家庭の中でごく自然に、子供が親の姿を見て学んでいくものだった。
時代は変わり核家族が増えて家庭に大人の数が減り、食事をバラバラにとる「孤食」の増加や、親が家で料理をする機会の減少などから、子供が家で「食を通じて多くのことを学ぶ」機会は減っていった。
そんな家庭における食育だが、近年は環境問題や教育的観点、新しい食育ツールの誕生などから再注目されるケースが増えている。つまり、“新しい視点”を持つことで食育に対して新たな気づきを得たり、もっと身近に、気軽に、実践的に身につけることができるようになってきたのだ。今回は新しい視点から見た食育との関わり方を紹介する。
近年教育の現場でも注目されている「非認知能力」。「=生きる力」と言われているように、非認知能力と食育は実は親和性が高い。料理を非認知能力という視点から見てみると、考える力、判断力など、本当に多くの能力を必要とするものだと実感するだろう。
「料理と一言に言っても、準備をしてから調理、おもてなし、片づけなどいろいろな要素が含まれています。まず『レシピを読む』『手順を考える』『作る相手を思いやり、目的や好みに合わせて献立を考える』ことは、自主性や先を読む力、応用力に繋がり、思いやりの心を育てます。
また『誰かと一緒に作業する』ことは、協調性、社会性、コミュニケーション力を高める経験になります。作る工程では、考える力、アレンジ力、手先の器用さ、創造力、独自性が必要になってきますよね。
また、作ったものを食べてもらう喜びを感じたり、褒められたり、感謝の気持ちを言われたりすることで、ふだん自分も周囲にしてもらっていることに対する感謝の気持ちが養われていきます。そしてなにより達成感を得ること。これは同時に、自己肯定感のアップにも繋がります」。(榊原さん)
榊原理加さん
一般社団法人「日本キッズ食育協会」代表理事。大手料理教室運営会社を経て2011年独立。2014年に3歳~小学生のための食育スクール「青空キッチン」をオープンし、その後全国展開。キッズ食育トレーナー養成講座の運営も行う。
文:松永敦子
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