2020.12.14
2024.04.26
2022.04.20
親子で日頃訪れる近所の公園や空き地にもさまざまな草花が芽吹き、自然を感じられる季節がやってきた。「きれいだね」「何の花かな?」と親子のコミュニケーションのきっかけにもなる。それをさらに豊かな気づきや学びへ導いてくれるキャンペーンが開催中だ。
たんぽぽの種類ごとの分布を調べることで、わが子を生命の神秘の入り口に立たせてみてはどうだろうか。1年後には、植物学者の牧野富太郎がモデルの朝ドラが放映予定。植物を学ぶのがトレンドになるかもしれない。
株式会社学研教育みらいは、子供もSDGsに取り組める「たんぽぽかんきょうキャンペーン」を開催している。見つけたたんぽぽの種類と場所を、アプリを通じて報告するというものだ。
たんぽぽにもいくつか種類がある。日本国内で見られるたんぽぽの多くは、ヨーロッパ原産の帰化植物のセイヨウタンポポだ。しかし、在来種のニホンタンポポやシロバナタンポポもちゃんと生息しているのだ。
キャンペーンではこの3種を見分け、発見場所をアプリを通して報告する。するとアプリのマップ上にたんぽぽの花が咲くのだ(プライバシー保護のため、実際の場所とは少しずれた場所に咲く。このアプリでは、個人情報は収集されないので安心だ)。
見分け方は難しくない。花の色、つけね(総苞)の特徴を選択肢の中から選択し、土の上か、コンクリートの隙間かなど、生えていた場所の特徴を入力するだけだ。
これからどんどんデータが積み上がり、3種のたんぽぽの分布状況が明らかになるはずだ。分布の理由、そして生き残りのためにそれぞれの種はどのような戦略をとっているのかなど、わが子と一緒にぜひ探求を深めていってほしい。
キャンペーンに参加することはSDGsの実践的な学びでもある。特に17ある目標のうち「陸の豊かさを守ろう」に直接結びつく活動だ。この目標では生態系や生物多様性を守ることをうたっている。たんぽぽを素材に、さまざまな種が競争しつつ共存している仕組みを知り、その環境を将来にわたって守るにはどうすればいいか、考えるきっかけになるはずだ。
学研教育みらいから3月に発行された絵本『たんぽぽのちいさいたねこちゃん』もオススメだ。
主人公はセイヨウタンポポの女の子。やわらかい土が大好きなたねこちゃんは、どこで花を咲かせられるだろうか? これを読めば親近感がわき、近所のたんぽぽ探しにモチベーションが上がること間違いない。
SDGsに触れるツールも今や少なくない。教材を使ってしっかり学ぶことももちろん素晴らしい時間だが、いつもの景色に少し違った意識を向けるだけでさまざまな発見がある。
そう考えると素材は無限にあるはずだ。たんぽぽよりもさらにひっそりと生きている草にだって固有の生存戦略があり、生態系の中で果たしている役割があるはず。牧野富太郎が残した言葉に「雑草という名の植物は無い」というものがある。
文:平井達也
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