入学前の過剰な予習は逆効果!? 「あと伸びする力」をつける自己肯定感の育て方とは

入学前の過剰な予習は逆効果!? 「あと伸びする力」をつける自己肯定感の育て方とは
入学前に読み書き計算ができるようにと過剰な勉強をさせることは、むしろ逆効果。心配しすぎで教育過剰になっていないか? 子供との関わり方を見直そう。

>>関連記事【噂の小1プロブレムって? 対策のカギは、幼児期に育むべき10の姿と新カリキュラム】

あと伸びする子に育つ
自己肯定感を大切に

教育が変わり、新1年生の受け入れに「スタートカリキュラム」が導入される中で、保護者に届く情報はまだまだ逆のことが多い。席につくのはもちろん、文字や計算など「これができないと小学校で困る」という情報が溢れ、親たちが躍起になり事前準備を子供に強いるケースがある。

「それがむしろ学びへの意欲を失わせる心配があります。これができないとダメと怒られると、自分のままではダメだと感じ、学習意欲も育ちません。あなたのやっているここが素敵! そんなふうにできるのね! と育てた方が自己肯定感が育ち、自ら気になるものを見つけて深く学ぶ子に育ちます」。

幼児期に夢中になって遊び込める子は、興味・関心・意欲を持ち、やりたいことに集中して取り組み、うまくいかないことがあっても工夫しながら乗り越える力がある。

「それは、大人にさせられているのでなく自分が興味・関心を持っているからできるのです。遊びを通じて育てられた興味・関心は、入学後の学びにつながり、“あと伸びする力”がつきます。幼児期に大切に育ててきたものを小学校でも引き継ごうとしているのです」。

保護者が注意したい
教育過剰の注意点

入学前に過剰に訓練すると……
保護者がいつも怒ってばかりで、「座って勉強しなさい」とやりすぎると、学びは面白くないと感じる。入学当初は文字や数が理解できて楽でも、長い目で見ると学習意欲が削がれた子は、勉強嫌いになる心配がある。

遊びの中で興味・関心を育てると……
自ら「友達に手紙を書くのに字が書けるようになりたい」と思うことは学習意欲へつながる。他にも、遊びを通して興味や関心を育てられた子は、小学校に入り学びの力につながり、いわゆる「あと伸びする力」がつく。

教えてくれた人

大豆生田啓友さん
玉川大学教育学部教授。乳幼児教育学・子育て支援が専門。NHK Eテレ「すくすく子育て」をはじめテレビ出演や講演活動など幅広く活躍中。著書に『非認知能力を育てる あそびのレシピ』(講談社、共著)など。


文:江頭恵子
イラスト:寺崎 愛

FQ Kids VOL.08(2021年秋号)より転載

連載記事 連載記事

〈連載〉寺島知春さんの「非認知能力を育てる絵本」
〈連載〉新井美里の「“個才”を発見して伸ばす方法」
〈特集〉「おうちで・楽しく・短時間で」実践に使える英語力をみにつける
〈連載〉てぃ先生の子育てお悩み相談室
〈連載〉小島慶子さんが語る「子育て 世育て 親育て」
〈連載〉平田オリザ “わからない”を超えるチカラ -演劇×コミュニケーション能力-
〈連載〉鶴岡そらやす先生の「ごきげんおやこの視点づくり」
〈連載〉アフロ先生・阪田隼也さんの「大人と子供が響き合って、育ち合う」
〈連載〉佐藤卓/親子の「デザイン的思考」入門
〈連載〉和田明日香さんの「むずかしくない食育」
〈連載〉照英さんの「子育て・夫婦のお悩み」一緒に考えます!
〈連載〉谷崎テトラの「未来の地球人育て」
メニューフォームを閉じる

FQ Kids | 親子のウェルビーイング教育メディア

メニューフォームを閉じる