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2021.10.14
各地で緊急事態宣言がくだされていた中での新学期開始から早1ヶ月。株式会社イー・ラーニング研究所が子供のいる20~50代の親を対象に行った「新学期ならびに今後の教育体制に関する意識調査」では、約4割が「9月からの新学期における不安がある」と回答したという。
しかし同時に、習い事やデジタル教科書や新教育体制に対して、社会の変化を敏感に察知し、新たな教育への期待を高めているパパママが多いことも明らかになった。詳しく結果を見てみよう。
まずは習い事について、約6割の親が「9月からの新学期にあたり、新しい習い事を始めてほしいと思う」と回答。感染状況が落ち着きを見せてきた今なら、この数字はさらに高くなるかもしれない。「どんな習い事を始めてほしいと思うか」の質問には、1位が「英語・英会話スクール」、2位が「プログラミングスクール」という結果となった。
Q.どんな習い事を始めてほしいと思いますか? (MA n=133)
習い事の定番といえば、サッカーや水泳などのスポーツ系やピアノなどの音楽系だったが、どちらも1位、2位と大きく差がついている。英語・プログラミングの小学校での必修化はパパママの心理にも影響を与えているようだ。さらに大きいのは、グローバル化、高度情報化する社会で、何を身につけることが力になるのか、という視点なのだろう。
また、学校での「デジタル教科書について、今後より推進してほしいと思うか」については、なんと96%が「推進してほしい」と答えた。
「なぜ推進してほしいと思うか」の最多回答は「どこでも気軽に学習できるため」。「インターネット活用に慣れることができるため」、「持ち運びしやすいため」が続いた。
Q.デジタル教科書について、なぜ推進してほしいと思いますか? (MA n=229)
コロナ禍の一斉休校の衝撃は大きかった。今後もそうした事態の可能性が残る中、同様の学びを保証してほしいという願いがあるのだろう。動画や音声活用への期待がまだ伸びていないのは、具体的なイメージが広まっていないのかもしれない。教育行政にはデジタル教科書による学習効果についてさらに示すことが望まれる。
そして昨今議論されている小学校での教科担任制については、約7割が賛成だと回答した。
Q.小学校における教科担任制について、賛成ですか? (SA n=239)
これまで小学校では学級担任がほとんどの授業を行っていたが、中学校以降のように教科ごとに別々の先生が授業を行うのが教科担任制だ。来年度の小学校高学年から、段階的に全国で導入予定となっている。わが子が通う学校がこの改革にどう取り組もうとしているか、チェックしておこう。
さらに近年注目のオルタナティブ教育についても質問。「モンテッソーリ教育やイエナプラン教育などの、オルタナティブ教育を受けさせたいと思うか」には、9割以上が「受けさせたい」と回答した。
Q.モンテッソーリ教育やイエナプラン教育などの、オルタナティブ教育を受けさせたいと思いますか? (SA n=239)
オルタナティブ教育には様々あり一括りにはできないが、共通しているのは、既存の教育システムとは異なる独自の発達観や人間観にのっとって子供の成長を支えようという点。シュタイナー教育やモンテッソーリ教育、イエナプラン教育はその中でも有名なものだ。
>>関連記事【小学校は公立か私立かオルタナティブスクールか? わが子の「幸せな学び場」の選び方】
これほどオルタナティブ教育が支持を集める背景には、パパママたちが既存教育に不十分さを感じているからではないだろうか。選択肢の1つとして考えることは、少なくとも子供の幸せのためにどんな教育を受けさせるべきか、根本的に見直すきっかけになっているだろう。
調査からは、変化の時代を生きていく子供たちのために何が必要か、何がベストかを考えているパパママが多いことがわかる。忘れてはならないのは、人生を選び取っていくのは子供自身だということ。
幼児期には、自ら人生を切り拓く基礎となる感性、知性、体力をじっくり養ってあげたい。正解が何かがわからない時代に親としてできることは、新しい情報をキャッチしながら、環境を整えていってあげることだ。
〈調査概要〉
「2021年新学期ならびに今後の教育体制に関する意識調査」
・調査機関:イー・ラーニング研究所
・調査方法:紙回答
・調査地域:全国
・調査期間:2021年7月5日(月)~27日(火)
・調査対象:子供のいる20~50代の男女 計239人
文:平井達也
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