2020.09.16
2022.11.18
2021.05.01
コロナ禍も2年目に突入。なかなか旅行やレジャーにいけない自粛期間中、子供がタブレットやゲームにばかり夢中になってしまう……とお悩みのパパママは少なくないのでは?
株式会社Ampusが2021年3月に発表した「幼児の外遊びに関する意識調査」によると、「コロナ禍で家にいる時間が増えた中、子供の運動不⾜について気になるか」の問いに対し、77%(「⾮常に気になる(28%)」と「少し気になる(49%)」)の 実に8割近くの親が「運動不足が気になる」と回答。
「新型コロナウイルス感染拡大前と比較して子供が動画を観たりゲームをしたりする時間が増えたか」の問いには、半数以上が「増えた」と回答している。自粛期間を経て外遊びの機会が減り、家での動画視聴やゲームの時間が増えていることが伺える。
これらの実情について、特別な状況だからと見過ごすわけにはいかないようだ。⽇本体育大学体育学部教授の野井真吾先生によると、子供の外遊び減少には発育上様々なリスクがあるという。
「子供が外遊びをしないと、身体が育たない、⽣活リズムが整わない、⾷欲がわかない。そして心も育ちにくくなってしまいます。また、身体活動は脳の前頭葉の成長に関与しています。外遊びで体を動かしてワクワク・ドキドキする体験は前頭葉の発達を促し、協調性や社会性を学ぶ場にもなります。」(野井先生)
ではいざ外で遊ばせてあげようと思っても、外遊びのバリエーションに自信がなく不安を感じてしまうパパママも。しかし、気負う必要はなさそうだ。
「必ずしもスポーツや目的がありすぎる遊びだけが外遊びということではありません。陽の光を浴びながら、何もせずに外を歩くだけでいいのです。季節の花を⾒つけたり、チョウチョなど⽣き物を追ったり、子供は⾃然と遊びを始めます。そのすべてが外遊びです。
親が先回りして安全性を担保して、遊びも学びもすべてを⽤意しすぎるのではなく、子供が遊ぶ“余白”を残すことが⼤切です。まずは外へ誘うこと、そして⾒守ることが外遊びの第⼀歩です。」(野井先生)
そんな余白を楽しむ外遊びにはどんなオモチャが向いているのだろうか?
「遊び道具を与えるなら、頑張ったらできそうな、ちょっと先の目標になるような外遊びグッズがおすすめです。簡単すぎるとつまらないですよね。何回か練習してできるようになると、成功体験を積み、子供の⾃信につながります。」(野井先生)
成功体験や達成感を味わえる
外遊びグッズ3選
ストライダー
スポーツモデル(1歳半~5歳)¥14,850(税込)
愛用キッズも多い『ストライダー』は外遊びグッズの大本命。世界25ヶ国、200万⼈以上の子供たちに愛されているランニングバイクだ。2輪を直感的にコントロールするので自然とバランス感覚が⾝につき、体幹が鍛えられる。
ペダルとハンドブレーキがなく、⾛る・⽌まる・曲がるのコントロールがしやすくて軽いうえに丈夫なので子供にも扱いやすい。対象年齢は1歳半~5歳。
「ストライダーに乗っている子供の⽬の輝きを⾒ると、発達欲求を満たしているのではないかと感じます。」と、野井先生もお墨付きだ。
billibo(ビリボ)
参考価格:¥3,850(税込)
カラフルなカラーが目を引く『billibo(ビリボ)』は、室内遊びにも外遊びにも使うことができるオモチャ。サンフランシスコ現代美術館にも所蔵されているというデザイン性の高さでも人気だ。
乗り物にしてバランスをとってみたり、伏せた状態で床に置いて踏み台にしたり、バケツのように水や雪を入れて遊ぶこともできる。オモチャ入れとして使ってもキュート。その丈夫さから導入している保育園や幼稚園も。親子で遊び方を考えて新しい課題を設定するなど、無限大の使い道が発達に役立ちそうだ。対象年齢は2歳~7歳。
プラズマカー(rangs japan(ラングスジャパン))
¥9,350(税込)
アメリカで爆発的人気となった、カナダ生まれの車型乗用玩具。3歳以上が対象。コロンとしたボディーにプロペラのようなハンドルがついた可愛いデザインで、グッドデザイン賞やグッドトイ賞なども受賞している。
ギアもペダルもバッテリーもなく、ハンドルの動きだけで前進・後退・方向転換を行う。推進距離もハンドルの回転角度によってコントロールする。ハンドルを大きく切ればたくさん進む、など頭を使いながら躯体を動かすので知育も期待できそうだ。タイヤはフローリングに優しいゴム製なので屋内での使用もOK。
暖かくなり、色々な植物や生き物も楽しめる季節だ。十分な感染対策をしながら、親子の外遊びで心身ともに気持ちがいい時間を過ごしてみてはいかがだろうか。
「幼児の外遊びに関する意識調査」(株式会社Ampus)
調査⽅法:インターネットリサーチ
調査期間:2021年2⽉26⽇~3⽉1⽇
調査対象:全国の20~40代の⼥性で3~6歳(未就学児)のお⼦様がいる⽅400名
取材協力:日本体育⼤学体育学部健康学科 野井真吾教授
1968年東京都⽣まれ。⽇本体育⼤学⼤学院体育科学研究科博⼠後期課程修了。博⼠(体育科学)。東京理科⼤学専任講師、埼⽟⼤学准教授、⽇本体育⼤学准教授を経て現職(⽇本体育⼤学教授)。教育⽣理学、学校保健学、発育発達学、体育学を専⾨領域として、子供の“からだ”にこだわった研究を続けている。主な著書に『新版からだの“おかしさ”を科学する』(かもがわ出版)、『子供のからだと⼼⽩書』(ブックハウス・エイチディ)、『正しい姿勢で元気な体』(⾦の星社)、『めざせ︕からだはかせ 全4巻』(旬報社)等がある。
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