【弁護士が解説】子供の写真のSNS投稿はコレに注意! 実際のトラブル&対処法も

【弁護士が解説】子供の写真のSNS投稿はコレに注意! 実際のトラブル&対処法も
子供の写真をSNSに投稿する際、どんなリスクを想定すべきだろう? 世間のパパ・ママたちはどのように配慮しているのか、調査した結果がまとまった。弁護士によるコメントも参考にしてほしい。

子供の写真のSNS投稿
世のパパ・ママはどうしてる?

可愛いわが子の成長記録として、子供の写真をSNSで投稿しているパパ・ママは多いが、そんなSNSをきっかけにトラブルに巻き込まれることも。幼い子供には、インターネットに自分の姿が掲載されることの意味はわからない。親がインターネットの特性を理解し、わが子への将来にわたる影響を見越すことが求められる。

子供の顔を出すのはやめるべき? 何歳まで続ける? など、実態や意識を調査した結果を紹介しよう。

SNSがもたらす思わぬリスクとは?
弁護士が解説!

弁護士ドットコム株式会社は、18歳未満の子供がいる弁護士ドットコムの一般会員328名を対象に、子供の写真や動画をSNSに投稿することに関する実態・意識調査を行った。

まずはSNSへの投稿の実態だ。この1年以内に、子供の写真や動画をSNSに投稿したことがあるかを尋ねたところ、「投稿していない」が47%。「顔が分かる形で投稿した」が22.9%、後ろ姿や顔部分を加工するなど「顔が分からない形で投稿した」が17.7%、「過去に投稿していたが1年以内には投稿していない」が12.2%で、過半数が投稿の経験ありという結果となった。

「過去に投稿していたが1年以内には投稿していない」人たちは、どんな理由で投稿をやめたのだろうか。多かったのは「将来子供が不利益な目にあう可能性があるため(55%)」「悪用された/悪用される危険性があるため(45%)」「子供に危害が加えられた/加えられる可能性があるため(40%)」。投稿経験がある人たちも、リスクを認識していることがわかる。

1年以内に子供の写真や動画をSNSに投稿した人に、その子供の年齢を尋ねたところ、「0~3歳(32.3%)」が最も多く、「小学生(26.3%)」「4~6歳(小学校就学前)(21.1%)」と続いた。

また、子供の写真や動画を投稿したSNSは、Instagramが最も多く39.9%、次いでFacebookが24.9%、Twitterが18.8%、YouTubeが6.1%という結果となった。

SNS側にもプライバシーを保護するための機能がある。例えば、投稿の公開範囲を限定して、不特定多数の人に見られないようにする設定などだ。こうした機能を活用しているか質問すると、約6割が「子供の写真や動画を投稿したSNSの公開範囲を制限している」ことがわかった。

子供が中学生、高校生にもなれば、さすがにネット上に写真が出回るのことの悪影響は懸念されるし、本人も嫌がるケースが増えるだろう。パパ・ママたちはSNSに子供の写真を投稿するのをやめる年齢や時期を決めているのだろうか。これを尋ねると、約7割は決めていないと回答した。

本人の意思やわが子を取り巻く環境に配慮しながら様子を見て、というのは間違ってはいないだろう。

子供であっても本人の意思を尊重することには留意したい。SNSへの投稿に際して子供に掲載することを伝えているかどうかは、65.4%が「伝えていない」ことがわかった。これはまだネット上に写真が出てしまうことの意味がわからない年齢の子供が多いからなのだろうが、ならばなおさら親が責任をもって判断する必要がある。

子供からSNSに自分の写真や動画を掲載するのをやめるように言われたことがあるのは8.5%と少数だった。

しかし、子供から「SNSに掲載した自分の写真や動画を削除してほしい」と言われたらどうするかを質問したところ、9割が「消す(90.2%)」と回答した。やはり子供自身の意思は最優先すべきだ。

子供の写真のSNS投稿について、パパ・ママからは以下のような声が寄せられている。

●後ろ姿のみの投稿でも周囲の風景などから居住地域が分かってしまうこともあるのでボカシを入れたり、自宅周辺での写真は投稿しないよう心掛けている(東京都、20代男性、子供4~6歳、顔が分からない形で投稿)
●1歳までで、顔出し投稿はやめようと決めています。いくら限定公開にしているとはいえ、このご時世何が起こるか分からないので、SNSは怖いというイメージがあります(福岡県、20代女性、子供0~3歳、顔が分かる形で投稿)
●載せない方が良いと言われたことがある。個人的には、大人になると顔つきが変わるので、その前ならいいと思う。炎上しそうな内容や裸は載せない。また、1人で出かけるようになり始めたら載せない方が良いと思う(群馬県、30代男性、子供0~3歳、顔が分かる形で投稿)

親自身ではなく、友人・知人によるSNS投稿のトラブルも少なくないようだ。
●子供のお友達のご家族が、許可なくSNS上にうちの子の写真を載せていたのでやめてもらったことがある。居住地や通っている保育園もわかる形になっていたので、子供がその情報を使って声をかけられついて行ってしまわないか不安だった(東京都、30代女性、過去に投稿していたが1年以内には投稿していない)
●うちの子供が写っている写真を、お友達のママが承諾なしにSNSにアップしたことがあります。とても良く撮れていたので削除の申し出をするのをためらいましたが、うちで決めたルールを守りたいと思い、削除してもらいました(東京都、50代女性、子供小学生、顔が分からない形で投稿)

逆にわが子と一緒によその子供が写った写真を投稿する際には、本人と保護者の承諾を得るなど、十分な配慮が必要だ。

調査結果を受けて、インターネット上の案件に詳しい弁護士の小沢一仁氏は、次のようにコメントしている。

「子供の写真をSNSなどに掲載する際のリスクとして考えられるのは、以下の6点です。
(1)容姿等が誹謗中傷の対象になる
(2)特定の性的嗜好を持つ人物の興味の対象になる
(3)周りの風景等の情報から居住場所等が特定され、住所や居宅の外観等をインターネット上で公表されたり、公表することをほのめかされて脅されたり、訪問されて直接的な加害行為の対象になる
(4)現在、または将来の子供の意向に反している可能性がある
(5)他人の子供などと一緒に写っている場合は、その他人の子供のプライバシー権や肖像権を侵害する可能性がある
(6)上記のような不利益を避けるために事後的に削除しようとしても削除されなかったり、削除されても画像を保存した第三者により再び公表される可能性がある」。

その上で、インターネット上に投稿したものはインターネット上に残り続けることを前提に、将来子供自身が不利益をこうむったり写真が掲載されていることに否定的な気持ちになる可能性があることも考えるべき、とのことだ。

また、親に対する恨みなどで、子供が攻撃されることもある。また、別の投稿で非難を浴びた際に過去の投稿をさかのぼられ、子供が攻撃されることもありうることを指摘し、

「そもそも子供の写真を掲載するかどうかについても慎重に考えるべきでしょう。さらに、場所の特定につながる情報が含まれていないか、画像を十分に確認することも重要です」と述べる。いわゆる鍵アカウントであっても投稿が外部に漏れることはあり、リスクに注意が必要なのは同じだとする。

「インターネットは、今やなんでもありの無法状態になっているとの印象を持っています。法改正等で発信者特定のハードルが下がったり、侮辱罪が厳罰化されたりされていますが、権利侵害行為が減っている実感はなく、むしろ増えており、手段も巧妙化していると感じます。

もちろん他人の権利を侵害する人物が最も悪いですが、インターネット上では、法律的、技術的問題から、加害者に対し、必ず制裁を加えられるというものではありません。利用者の自衛も重要だと思います」。

投稿の前にわが子の将来を考えて

SNSの普及で、誰もが手軽に世界に向けて、情報や意見を発信することができるようになった。そのことで善意や励ましの輪が広がっている事例がある。一方で、攻撃の応酬があったり、子供が事件に巻き込まれてしまっているのも事実だ。

子供の愛らしい写真に私たちがいやされる反面、それを卑劣な目的で使おうとする者も中にはいる。一度投稿してデータという形になってしまったものは、当事者の手を離れて誰の目に触れるかわからない恐ろしさを、常に意識しておくべきだろう。

〈調査概要〉
「子供の写真や動画をSNSに投稿することに関する実態・意識調査」
・調査機関:自社調査(弁護士ドットコム一般会員を対象)
・調査方法:弁護士ドットコム一般会員を対象にウェブアンケートを実施
・調査対象:弁護士ドットコムの一般会員で回答が得られた720名のうち、18歳未満の子供がいる328名
・調査期間:2022年8月24日~30日


文:平井達也

人気の特集・連載記事 人気の特集・連載記事

〈特集〉「おうちで・楽しく・短時間で」実践に使える英語力をみにつける
〈特集〉おうちで遊ぶ・おうちで学ぶ
〈特集〉非認知能力をはぐくむ「おんがくのチカラ」
〈連載〉アフロ先生・阪田隼也さんの「大人と子供が響き合って、育ち合う」
〈連載〉てぃ先生の子育てお悩み相談室
〈連載〉佐藤卓/親子の「デザイン的思考」入門
〈連載〉和田明日香さんの「むずかしくない食育」
〈連載〉小島慶子さんが語る「子育て 世育て 親育て」
〈連載〉平田オリザ “わからない”を超えるチカラ -演劇×コミュニケーション能力-
〈連載〉照英さんが実践する「子供の才能を伸ばす接し方・話し方」
〈連載〉鶴岡そらやすの「LGBTを通して子育てを考える」

FQKids | これからの幼児教育を考えるメディア

Follow us!