子供の頃は何してた? 夢を叶えた人に聞く「パティシエ」になるために必要なこと

子供の頃は何してた? 夢を叶えた人に聞く「パティシエ」になるために必要なこと
夢を叶えた成功者のインタビューから、わが子の好きを見つけて伸ばすためのヒントを探ってみよう。今回は、女の子に人気の職業「パティシエ」としてフリーランスで活躍されている、向井聡美さんにインタビュー!

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自分が作ったものが世に出て、
人に喜んでもらえるという達成感

母親が家でよくお菓子を作ってくれて、小学校低学年の頃にお手伝いをするようになったのが最初のきっかけ。作ったものが形になるのが楽しかったのと、人に喜んでもらえるのが嬉しくて、高学年になると自分ひとりで作るようになりました。本で調べて本格的なレシピを試すなど、お菓子作りの魅力や奥深さにどんどんハマっていきましたね。

手を動かすこと自体が好きだったので、小学生の時、ぼんやりと思い描いていた将来の夢は、手芸屋さんか、お菓子屋さん。パティシエという職業を明確に意識するようになったのは、高校生の頃でした。

TVチャンピオンという番組の職人選手権を観て「お菓子でアートができるんだ」と感動。当時もお菓子作りは趣味で続けていたのですが、「私がなりたいものはこれだ」としっくりきたんです。

ただ、周りに大学進学希望者が多かったため、親は大学進学を希望。「4年間通ってみてそれでも夢が変わらなければ、専門学校へ行っていいから」と言われ、4年制大学へ進学しました。

それでもやっぱりパティシエへの想いは変わらず、卒業後に2年間専門学校へ通うことに。少し遠回りはしたけれど、18歳からの4年間、人間形成される大切な時期を大学で過ごせたことは無駄ではなく、必要な時間だったと思っています。

華やかなイメージがあるパティシエですが、仕事の内容は地味でストイック。時間に追われながらのチームワークなので現場はかなり忙しいですし、職人の世界なので厳しい指導や教育も仕事のうち。想像以上に、忍耐力や精神力が問われる仕事だと思います。

現在、製菓学校の講師も務めているのですが、学生たちには好きなことを仕事にするのは楽ではないよ、と伝えています。でも、続けたからこその楽しさややりがいがあるのもこの仕事ならでは。

技術的な成長が自分で目に見えてわかるのも嬉しいですし、自分が作ったものが世に送り出され、人に喜んでもらえるという達成感は、大きな原動力になっていきます。

将来、パティシエになりたいのなら、とにかく色んなものを作ってみる、色んなものを食べてみることをぜひ続けてみてください。子供の時に感じる美味しさは、大人になった時の味覚とは少し違います。子供の頃においしいものにできるだけたくさん出会い、その味を覚えておけば、パティシエになったときもきっと役に立つはずですよ。

PROFILE

向井聡美(SATOMI MUKAI)
フリーランスパティシエ、製菓学校講師。北海道出身。北海道の4年制大学の経営学部を卒業後、製菓学校に進学。卒業後はパリの名店で修業。店舗に属さないフリーランスのパティシエとして、専門学校講師や、企業のレシピ開発・新店舗オープンのコンサルティングなどを行う。コンテスト受賞歴多数。


文:曽田夕紀子

FQ Kids VOL.05(2021年冬号)より転載

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