2024.07.24
2021.02.18
2020.09.29
<登壇者>
●Crimson Global Academyカントリーマネージャ・文科省中央教育審議会委員 松田悠介さん(以下、松田さん)中学校体育教員、千葉県市川市教育委員会 教育政策課分析官、PwC Japanを経て、教育系団体Learning For Allを創業。2019年より海外トップスクール進学に特化したオンラインのインターナショナルCrimson Global Academyカントリーマネージャに就任。グローバル人財の育成に取り組んでいる。
●コビープリスクールよしかわみなみ・園長 三鍋明人さん(以下、三鍋さん)千葉県出身。養護施設の教育者という両親のもとで育ち、学生時代はボランティアで養護施設の支援に取り組む。保育士養成校を卒業後、2003年に株式会社コビーアンドアソシエイツに入社。主任保育士を経て、2011年より園長職を務める。
●FutureEdu代表・Learn by Creation代表・Peatix.com共同創設者 竹村詠美さん(モデレーター。以下、竹村さん)McKinsey を卒業後、Amazon、Disneyなどの日本経営メンバーに従事後、2011年に「Peatix.com」を共同創業。2016年以来グローバルなビジネス経験を生かした教育活動に取り組む。
イベント冒頭での登壇者挨拶のあと、まずはそれぞれが思う「育てたい子供」の姿について語られた。
三鍋さん:幼児期は色んなものとの「出会いの場」なので、色んなものに触れることが大事。見つけられるチカラや、感性を豊かにして、気持ちを表現できる子に育っていくといいなと思います。
松田さん:やっぱり、好きを徹底的に探求できる時間をどれだけ確保できるか、ということがすごく重要だと思います。AI社会に突入するとずっと言われていますが、「感性・直感」についてはAIでの再現が非効率的なので、引き続き人間が担っていくだろうと。そこで新しい価値を見出していったりだとか、自分の人生に意味を見いだせるように「感性・直感」を育んでいきたいですね。
竹村さん:幼稚園では「五感」や「好き」を育むことができますが、小学校に上がった途端に、先生のほうを見て静かに授業受けようね、に切り替わりますよね。「小1の壁」とも言われますが、これについて松田さんはどう思われますか?
松田さん:小1の壁はよく言われますが、実は小4の壁というのもあります。低学年のうちはテストも少なく自由に過ごせることが多いですが、小4くらいになるとテスト型の評価に変わっていく。
また夢も同じで、幼稚園・保育園の頃はみんな自由な夢を掲げて良かったはずなのに、小4くらいから急に「そんな夢叶わないよ、勉強しなさい」と大人から言われる機会が増えてきます。
僕が教師をやっていた頃、プロサッカー選手を夢見ていた子がいました。僕はよくその子と一緒に「プロサッカー選手になるにはどうしたらいいんだろうね?」と話していたんですが、ある日親御さんから電話がかかってきて、「困りますよ先生」と言われたんです。「怪我してサッカー選手になれなかったらどう責任を取ってくれるんですか?」と(笑)。
たしかに、怪我をして夢を閉ざされてしまう可能性もゼロではありません。けれど、夢をかかげ、目標を作り、失敗しながらも努力を重ねて達成体験を得る――僕はこれを「夢ヂカラ」と呼んでいますが、このプロセスこそが人が生きていく原動力なんです。大人から見るとリスキーなこともあるけれど、子供のことを見守り、信じることが重要なのではないかなと思います。
松田さん:「変わらないといけない」と聞くとネガティブなイメージがありますが、そんなことはありません。大人も一緒に楽しみながら変わっていけると良いと思います。
そのためには、夢や志を大人自身が持つことが重要です。大人はよく子供に「将来の夢はなに?」と聞きますが、そんな時は逆に「あなたの夢はなに?」と大人に聞いてみてね、と子供たちに言うようにしています(笑)。子供は大人の背中を常に見ている。夢に向かって努力する姿、ワクワクしている姿を、大人自身が体現することが大切です。
三鍋さん:保育園の場合は子供たちとの関わりがより密接になってきますが、行事などで特に意識しているのは、「先生自身が本気になる」こと。かけっこで先生が勝ったら「やったー!」と全力で喜ぶ(笑)。本気でやったらこんなに楽しんだ、という気持ちを共感することで、子供たちも色々なことを学んでくれるのかなと思います。
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