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2024年3月11日(月)、東京港の小型船ターミナル施設「Hi-NODE(ハイノード)」で、地元の小学生による「芝浜まちづくりフェス in ハイノード」が開かれた。
これは、令和4年4月に開校したばかりの新しい小学校、港区立芝浜小学校の4年生の取り組み。総合的な学習の時間の一環で自分たちの住む地域について学んできた集大成として、Hi-NODEや芝浦の街を舞台としたまちづくりのアイデアを、保護者や地域の方にプレゼンテーションをするというものだ。
この取り組みは、港区の地域事業「港区SKDs学びのまちプロジェクト」の一環でもある。港区芝浦で推進されている再開発「芝浦プロジェクト」をきっかけとして、地元町会・民間企業・行政とともに設立された「芝浦一丁目地区まちづくり協議会」が全面的に協力している点が大きな特徴だ。
協議会のメンバーが芝浜小に出張授業を行ったり、地域の学びを深めるために資料を提供するなど、1年間かけて子どもたちの学びをサポート。子どもたちは、それらをもとに街のことを調べてまとめたり、他学年の子どもたちにアンケートを取るなどしながら、「芝浦をこんな街にしたい」ということを形にしてきたという。
今回の「芝浜まちづくりフェス」では、子どもたちはこれまでの1年間の学びを踏まえ、「Hi-NODE(ハイノード)を題材に芝浦の地域活性」をテーマにして具体的なアイデアを発表した。
「住みたい街づくりに必要な要素は何だろう?」という問いから、「食べる・遊ぶ・学ぶ・安心安全・環境」など16のチームに分かれて、2~3人で1つの企画を作成。
Hi-NODEのさまざまな場所に散らばり、参加者が発表場所を巡るのに合わせて、繰り返しプレゼンテーションをするというユニークな形式での発表だった。発表の内容は、子どもたちが大人たちと何度もやりとりしてブラッシュアップし、直前の1週間は毎日2時間準備をしたという。
プレゼンされた企画の例としては、
「冬しかイルミネーションがないので、春にも春らしい色のイルミネーションを飾る」
「港区は遊べるところが少ないので、屋外に遊具を置いたり、室内にボードゲームを置いて遊んだり地域の人と交流できるようにする」
「外国人観光客が多いので、カフェのメニューに和風のデザートを増やす」
など、子どもらしい発想ながらも「なるほど」と思えるようなものばかり。
発表の形式もあえて一律にせず、子どもたちが自由に表現の仕方を考える形式に。子どもたちはそれぞれ工夫をこらして、図を描いたパネルを作ったり、ダンボールで模型を作ったり、クイズ形式にしたり、タブレットを駆使してスライドを作ったりと、多様な表現で生き生きと発表していた。
港区立芝浜小学校 4年担任の先生方
今回出されたアイデアは春休み期間中にHi-NODEに展示された。また、まちづくり協議会では子どもたちのアイデアを検討し、今後のまちづくりに活かしていくという。
これまでの学びと自分たちの生活実感から「問題発見」をし、それに対する「問題解決」を考えて、自由な形で表現している様子は、これからの時代に求められる学びそのものだと感じた。
「発表の準備をしたり、発表のために必要なものを作るのが大変だった。」
「実際の場所(Hi-NODE)を見に行って、あれこれアイデアを出すのが楽しかった。」
Hi-NODE(ハイノード)は、東京港日の出ふ頭の小型船ターミナルとして2019年に開業した施設。東京は東京湾という海に面した大都市だが、都市生活の中で海辺を感じられる空間が少ないため、東京都が観光資源や交通手段として舟運活性化に取り組んでいる。
乗船客のための船客待合所に加え、木々に囲まれた芝生広場や、海をのぞむテラス付きのカフェ・レストランを併設。地域住民や観光客の憩いの場としてリニューアルし、2021年度グッドデザイン賞を獲得した。
都市にありながら海や運河に囲まれた芝浦という地域において、場所と場所、人と人を結び、海辺と暮らしの新しい関係をつくることを目指している。
この日も、子どもたちは伸び伸びと芝生を駆け回ったり、2階のテラスから海を眺めたりと、Hi-NODEの明るい雰囲気を楽しみながら発表に臨んでいた。オシャレでありながら、子育てファミリーにもおすすめのお出かけスポットだ。
もちろん、日の出船着場から出航するクルーズもおすすめ。ぜひ観光や日常で足を運び、東京の海辺を楽しんでみてほしい。
文:脇谷美佳子
編集協力:FQ Kids編集部
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