2024.06.14
2020.10.02
2024.03.13
世の中には、子どもの心の栄養となってくれる素晴らしい児童書がたくさんある。一方で、子どもが動画やゲームに夢中でなかなか本を読んでくれない、と悩む家庭も増えているという。子どもが本を楽しめるようになるにはどうしたらいいのか、日本初の読書教育サービス『ヨンデミーオンライン』を立ち上げた笹沼颯太さんに話を伺った。
「動画やゲームに比べて、読書はやることが多いもの。自分でページをめくって、自分で目線を動かさなければ読めませんし、自分の頭を使って想像することも必要です。でも、本にはそれを乗り越えるだけの魅力が必ずある。大切なのはきっかけづくりです」と笹沼さん。
「動画やゲームには、子どもが夢中になる理由があります。それを参考にすれば、読書も同じように楽しめるんですよ」。
子どもが読書好きになる3つのポイントや、おすすめ児童書を参考にして、一生の宝物になる「読書の楽しさ」を子どもにプレゼントしてあげよう。
子どもが読書好きになる
3つのポイント
➀子どもが手に取りやすいところに
まずは、テレビやタブレットのように、パッとお子さんの目に入り、すぐ手が届くところに常に本を置くこと。本棚に並べるだけはNGです。リビングの一番目立つところに置けば、隙間時間にめくったり、ご飯中の話題にできたりと、本が生活の一部になります。
➁子どもの好みに合わせる
あれを読ませたい、これも読んでほしいと思うのが親心。でも、まずは子ども自身の好みに合わせましょう。動画のおすすめ欄も、好みのものはつい見てしまいますよね。自分が読みたい本を楽しめるようになれば、だんだんといろいろな本も読むようになりますよ。
➂子どもの読書レベルに合わせる
「◯年生向け」という表記には要注意。まだ読書に慣れていない子には難しすぎる傾向があると感じます。対象学年は気にせず、その子にとっての読みやすさを重視して選びましょう。読み聞かせをしていたなら、1人読みのときはそれよりも簡単な本を。
ヨンデミーオンラインの独自の指標。本の文章をデータ化し、漢字率、漢語率、一文の長さなど、複数の指標を元に独自のプログラムで解析して算出。例えばYL30でも小1〜小4まで幅があるように、子どもの読書レベルは学年によって一概には決まらないため、ヨンデミーではこのYLを元にその子が一番読みやすい本をおすすめしている。今回は本の紹介にYLも表記。1人読みに挑戦するときの参考に!
ヨンデミーオンラインおすすめの児童書を、会員の子どもたちの感想も一緒にご紹介!
もりやまみやこ/作 つちだよしはる/絵
あかね書房 1985年
【YL12】
ほっこり 日常モノ 優しい 内面の豊かさ
きつねの子が丸木橋のたもとで、誰が落としたのかわからない真新しい黄色いばけつを見つけました。うさぎの子とくまの子に相談すると「誰も取りに来なければきつねくんのものにしたら」と言います。そこで、ばけつを1週間置きっぱなしにしてみることに……
●まいにちバケツがあるかドキドキした
●とても感動するお話でした。黄色いバケツは、誰のだったのかな?
ジーン・バン・ルーワン/作 アーノルド・ローベル/絵 三木 卓/訳
童話館出版 1995年
【YL13】
家族 日常モノ 母 兄弟 姉妹 ほっこり
こぶたくんは、とうさん、かあさん、妹のアマンダと暮らしています。子どもたちを優しく受け止めるかあさん。妹にいじわるをするこぶたくんをたしなめつつ、時にはおどけてみせるとうさん。小さいアマンダ。心がほっとする、時にはクスッと笑えるようなお話を5編収録。
●いろんな話が載ってて面白い
●こぶたくんクッキーがおいしそうだった
●こぶたくんのいもうとのアマンダがわたしにそっくりでした!
木村裕一/作 あべ弘士/絵
講談社 1994年
【YL16】
動物 自然界 友だち ハラハラ 調和
嵐の夜に、たった1人見知らぬところで、誰かに出会えたらほっとしますよね。でも、その誰かさんがこわーい相手だったら……? 続編として『あるはれたひに』『くものきれまに』『きりのなかで』『どしゃぶりのひに』等も刊行。
●たべられるのかとおもってドキドキしました
●その後どうなったのかが気になる
林 明子/作・絵
福音館書店 1984年
【YL24】
日常モノ 成長 ほっこり 挑戦 勇気
なほちゃんは、大きい子たちに混ざって、1人でキャンプに行きたいと言いました。みんなに「小さい子にはできないよ!」と言われても、なほちゃんは重い荷物も1人で背負い、まきを集め、懸命にがんばります。なほちゃんは最後までキャンプができるのでしょうか?
●なほちゃんとお友だちになりたいです。ちっちゃい子でかわいいから
●ちっちゃい子もやれば出来ると知った
神沢利子/作 堀内誠一/絵
あかね書房 1969年
【YL24】
モノが主人公 冒険モノ 愛 日用品 しみじみ
ふらいぱんじいさんは、卵を焼くのが大好き。ところがある日、奥さんが新しい目玉焼き鍋を買ってきて、卵を焼かせてもらえなくなってしまいます。そこで旅に出た、ふらいぱんじいさん。嵐にあったり、ジャングルでヒョウに出会ったり、冒険がいっぱい。
●いい終わりかたで、よかった。まだヒョウたちけんかしてるのかな
●自分がフライパンだったらこんな冒険嫌です
中川李枝子/作 中川宗弥/絵
福音館書店 1965年
【YL29】
友だち ドキドキ ファンタジー 冒険モノ
大きな桃色の紙をもらったるるこは、のりとハサミとクレヨンで桃色のキリンを作り、「キリカ」と名前をつけました。ところが雨が降ってきて、桃色がはげてしまいます。キリカの首を再び桃色にぬりなおすため、るるこはキリカに乗って「クレヨン山」に向かいます。
●きりんが桃色なんてきれいだと思った
●わたしもオレンジぐまがこわいのに、ももいろのきりんはゆうきをだしてがんばってすごいと思いました
宮川ひろ/作 小泉るみ子/絵
童心社 2008年
【YL30】
成長 愛 家族 後悔
人に言えない失敗は、誰にでもあります。達也のお姉ちゃんは、小学校のリレーで失敗をしてしまいます。朝ごはんも食べられないくらい落ち込むお姉ちゃん。そんなとき、おじいちゃんから電話がかかってきて……
●失敗しても大丈夫だと知って安心しました
●なんか、自転車の鍵をなくして焦って心臓がドキドキして『ヤバい!! どうしよう…』っておもったときある
●失敗しても、やさしくしてもらえたりでいいこともあるんだな
ヨンデミーオンラインは、月額定額制のアプリを通して子どもの読書を支援してくれるオンライン習い事。子どもの好みや読書レベルを、AI「ヨンデミー先生」が診断して、1,000冊以上の児童書データからその子にぴったりの本をおすすめしてくれる。本は図書館などを活用して読めばOK。読んだら「面白かった」「難しかった」などのフィードバックを送ることで、さらにおすすめ精度が上がり、提案の幅も広がっていく。
クイズ式レッスンで本の楽しみ方を学んだり、読んだ本のバッジをコレクションしたり、本の感想を投稿して仲間に応援をもらったりと、楽しく読書を続けるための工夫も盛りだくさん。一生の財産となる「読書習慣」を、ゲーム感覚で楽しみながら身につけることができる。無料で30日間体験できるので、気になったらまずは試してみよう。
●推奨年齢:6〜12歳
●入会金:無料
●月額料金:¥2,980(初月無料)
SpotifyやYouTube等で無料で聞けるPodcast番組。読書教育のお悩みに答えたり、ゲストを招いて話を聞いたりと、充実した内容を定期的に配信。読書教育を通じて教育の「見方」をアップデートし、おうち読書の「味方」になってくれるラジオ番組。
無料で誰でも利用できるLINE公式アカウント。チャットでヨンデミーの専任講師に読書のお悩みをなんでも相談できる。日々のおうち読書に役立つ記事や、友だち登録者限定の無料オンラインイベントなども配信中。
笹沼颯太さん
株式会社Yondemy代表取締役/CEO。東京大学経済学部経営学科卒。学生時代に家庭教師をしていた際、すべての家庭で「うちの子は本が嫌いなんです」と相談され、子どもの読書離れを実感。自分が受けた読書教育や、読書指導の経験をもとに、在学中に日本初のオンライン読書教育サービス『ヨンデミーオンライン』を設立。好きな絵本は『ミロとまほうの石』、好きな児童書は『北極のムーシカミーシカ』。
文:FQ Kids編集部
編集協力:ヨンデミーオンライン
FQ Kids VOL.17(2024年冬号)より転載
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