小学生が錠剤作りに挑戦! ファイザーの「サマーサイエンススクール」が面白すぎた

小学生が錠剤作りに挑戦! ファイザーの「サマーサイエンススクール」が面白すぎた
ファイザー名古屋工場では、小学生を対象に、薬について学ぶサマースクールを開催。なんと「錠剤づくり」にも挑戦! 子どもたちはどんな様子で参加したのか、楽しい体験内容とともにレポート。

子ども人気が高いお仕事体験
さまざまな企業が開催

昨今はさまざまな企業が子ども向けにお仕事体験の場を提供している。会社やその業務内容に親しみを持ってもらおうというものだが、子どもにとっても、社会に触れ、興味の幅を広げる良い機会になる。

サイエンス系の企業も、実験など興味を引く工夫をしながらお仕事体験に参入している。国を挙げて大学の理系学部の拡充に力を入れ、科学技術関係人材の育成が期待されるいま、わが子にも積極的に自然科学に触れてほしいところ。

この夏、小学生に向けて開催されたサイエンスイベントは、子どもにさまざまな気づきを与えたようだ。

おくすりハカセから薬を学び、
錠剤づくりにも挑戦!

製薬企業のファイザー株式会社は、7月22日(土)に同社名古屋工場(ファイザー・ファーマ株式会社)にて、「サマーサイエンススクール」を開講した。愛知県武豊町の教育委員会生涯学習課との共催で、コロナ禍を経て4年ぶりに開催されたものだ。当日は小学5、6年生20人が参加した。

イベントは3部構成で進められた。まず1部の冒頭では、サマーサイエンススクールの「入学試験」と題して、ファイザーのボランティア社員から薬についてのクイズが出題される。続いて薬とは何か、薬ができるまでのプロセス、剤形による薬の違いや服用方法など、薬全般について講義を受けた。

子どもたちは、薬ができるまでにたくさんの時間とお金がかかることに驚いたり、「なぜ薬は水で飲まなくてはいけないのでしょうか?」と問われて一生懸命考える様子がみられた。

2部では、イベントの目玉である「錠剤づくり」を体験! 参加者は白衣とゴーグルを身につけて科学者気分が高まる。ファイザーの「おくすりハカセ」の指導のもと、実験道具の組み立てからスタート。正しく組み立てないと上手に錠剤ができないので、子どもたちは真剣。

錠剤づくりでは2つのミッションが出された。1つは「乾いた粉で錠剤を作る」というもの。粉は性質の異なる青、黄土、赤、白の4種類。錠剤の形に固めていくと、臼(うす)に入れる時の入れやすさが違うことに気づく。同じ量の粉でも、色によって「錠剤の厚さ」はそれぞれ異なってくるのも不思議だ。

手順書を見ながらファイザーのボランティア社員とともに和気あいあいと主体的にミッションを進める子どもたち。粉を固めるために使うハンマーのトントンという音が各テーブルからひろがった。

もう1つは「作った錠剤を水に溶かす」というミッションだ。4種類の錠剤を1錠ずつ水の中に入れ、崩れ方や溶け方の違いを観察。その理由について仮説を立てて子ども同士交換しあう姿は、まさに開発者のよう。

ファイザーのボランティア社員からは、時折「この錠剤はさっき作ったものよりも固いけど、固いとどんな良い点や悪い点があるかな?」などの問いが出される。考える中で薬への理解がどんどん深まっていく様子だった。

昼食をはさんで3部は、実験の振り返りと参加者からの質問タイム。錠剤の崩れやすさや溶けやすさの実験結果を見せ合い、それぞれが作ったオリジナル配合の錠剤を発表。「ぼくは赤と黄色を混ぜました」「私は全色混ぜました」など、錠剤づくりという仕事を成し遂げた子どもたちの表情は誇らしげだ。

質問タイムではたくさん手が挙がり、実験を通して薬への関心がますます深まったことがうかがえた。さらに、ファイザー名古屋工場内の実際の機械で薬が作られていく様子を、動画で視聴。1分間に3,000個の錠剤を作る機械の動きに目をみはっていた。

そして最後は修了証の授与。顔写真入りの修了証を受け取った子どもたちは皆、満足げに顔を輝かせていた。

参加児童の感想は?

●Aさん(小学5年生):お父さんが薬剤師なので、薬を作る実験をやってみたくて参加しました。ハンマーを使って錠剤を固めたことが楽しかったです。
●Bさん(小学6年生):『おくすりハカセ』のお話を聞いたり、実験をしたりしたことで、薬の効き目について学ぶことができました。あと、薬を飲むときはお茶ではなく常温の水がいいと教わったので、これからは水で薬を飲みたいと思います。

さまざまな体験は
わが子の人生を切り開くチャンスに

夏休みの自由研究では自然科学系のテーマに挑戦した子も多いことだろう。こうしたお仕事体験の場も、プロの指導を受けながら新たな関心を芽生えさせるチャンスだ。

うちの子はあまり興味はなさそうかな……と思っていたことに意外とハマることだってある。わが子の世界を広げる機会になるイベントを、今後チェックしてみてはいかがだろうか。

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文:平井達也

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