2022.04.23
2020.02.20
2023.06.11
子育てにおいて、まずは共感すること、子どもと同じ目線に立って考えたり話したりすることが大切とされている。でも、かつてはみんな子どもだったとはいえ、大人がその頃の感覚を鮮明に思い出すのは難しい。
見るもの聞くものが新鮮で感動に満ちていた一方、周囲のあらゆるものが圧倒的な力を持っているように感じられ、怯えることもしばしばあっただろう。わが子は今まさに自分の世界をそう感じているのかもしれない。改めてそんな子どもの立場になって世界を経験してみることは、子育てにさまざまなヒントを与えてくれるはずだ。
そんな体験を可能にしてくれる場所が東京にオープンした。港区北青山で、SDGsをさまざまな角度から切り取り、情報発信や体験の場の提供を行っているITOCHU SDGs STUDIO内に昨夏できた、子ども向けSDGs施設・ITOCHU SDGs STUDIO KIDS PARK(協力:ボーネルンド)に隣接する「こどもの視点カフェ(協力:こどもの視点ラボ)」だ。
昨夏、約2ヶ月で15,000人が訪れ大盛況となった、子どもとの暮らしや社会の在り方について考える体験型展示『こどもの視展』のコンセプトや一部のコンテンツを引き継いでいるという。
①ベイビーヘッド
赤ちゃんの身体のうち、頭が占める割合は大人よりずっと大きい。その比率を大人にあてはめると長さは約45cm、重さはなんと約21kgにもなる。それがどんな重さなのかを目で見て体感してみよう。
②2歳の朝食
なにげない毎朝の食卓でも、子どもは大人とは違う体験をしている。「大人が2歳児の手のひらになったら?」を可視化した朝食を見れば、大人が感じている倍近い大きさの食材や食器と格闘する子どもの苦労がわかるかもしれない。
③いとちゃんの30分
時間の流れ方も大人と子どもでは異なる。時計をまだ理解していない小さな子どもにとっては、時間感覚は「新鮮な体験」の数で計られているという。それを定点カメラで子どもの30分を追った映像作品から感じてみよう。いかに子どもは体験の詰まった濃密な時間を生きているかがわかるだろう。
④4mの大人たち
子どもから見た大人は、大人にしてみれば4m級の巨大生物と向き合っているようなもの。そんな大きな生き物に見下ろされ、毎日怒られるとしたら、どれだけ怖いかが想像できる。
⑤大人ランドセル
さらに、社会問題として取り上げられることもある「重すぎるランドセル」も体感することができる。ランドセル重量を5.7kgとし、6歳女子の平均体重を、大人の体重70kgに置き換えて算出して作られた約18.9kgの「大人ランドセル」の重さに驚くと同時に、ランドセルの選び方も変わるかもしれない。
「こどもの視点カフェ」には、子どもの当事者視点とはどんなものかを真面目かつ楽しく研究しているラボ「こどもの視点ラボ」が協力。親と子、社会と子どもの良い関係を目指して重ねてきた取り組みが、さまざまな形で反映されている。
カフェメニューにも工夫が満載。「こどもの視点セット」は、ビッグサイズのケーキとドリンクのセット。ケーキは直径約15cm、ドリンクは500mLと、子どもにとって通常のフードがどれほどのものなのかがしっかり味わえる。なんと、大人も着けられるオリジナルスタイ付きだ。
他にも、こどもの視点ラボの研究レポートの内容をおいしく学べるクッキー(味:4種、学び:6種)や、麦茶、100%フルーツジュース、コーヒーといったドリンクが楽しめるので、子連れでのお出かけにもおすすめ。
忙しない毎日の中で、つい「早くご飯を食べなさい!」「早く着替えて!」など、きつく声をかけてしまいがち。早寝早起きをさせないと……あと10分で家を出ないと……など、仕方がない理由は少なからずあり、悩ましい。
でも、どうやら子どもは子どもなりに大変なようだ。親の都合で催促するだけではなく、まずは子どもの立場になって考えることが必要だろう。子どもから見た世界を垣間見ることで、もっと違うアプローチの仕方が見つかるかもしれない。
こどもの視点カフェ公式サイト:
www.itochu.co.jp/ja/corporatebranding/sdgs/cafe.html
こどもの視点ラボ公式サイト:
kodomonoshiten.com
文:平井達也
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