2024.05.31
2023.11.24
2023.05.01
都心から比較的気軽に行ける箱根。家族でのお出かけの候補地にも挙がりやすいが、子どもが楽しめるスポットがあるかどうかは、ピンと来ないかもしれない。
でも実は、温泉や自然、グルメだけではない。アートの町としても知られ、いくつもの名作に出会える美術館も見どころだ。そのうちの1つ、彫刻の森美術館では、子どもも大人も感性が磨かれそうな展覧会が開かれている。
彫刻の森美術館は、1969年に日本初の野外美術館としてオープンした。緑豊かな屋外展示場に、近・現代を代表する彫刻家の名作約120点が常設展⽰されている。ピカソ館をはじめとする室内展⽰も見ごたえ十分だ。
そんな彫刻の森美術館で、来年の2024年3月31日(日)まで開催されているのが、“100個の質問で会話が弾む、おしゃべりOKの展覧会”の「tupera tupera + 遠藤幹子 しつもんパークin 彫刻の森美術館」。
100の質問に答えながら美術館をめぐることで、人と人、人と作品、人と場所のコミュニケーションが促され、新たな視点を得られるという。
イメージ
質問のベースになっているのは、絵本の「かおノート」「しろくまのパンツ」「パンダ銭湯」著作などで知られる2人組アートユニット・tupera tupera(ツペラ ツペラ)による、人気絵本『しつもんブック100』。家族や友人、初めて会った人、みんなに聞いてみたい100の質問が詰まった1冊だ。
そこに収められた質問に、美術館オリジナルの質問も加えて、館内あちこちに「しつもんパネル」が用意されている。「うちゅうじんのおならってどんなおと?」から、「じぶんをやさいにたとえると?」といった多様な質問に答えながら、ふだんとは違う会話を楽しんだり、自分を少し見つめなおしたりもするだろう。
家族や友達同士でも答えがいろいろで、身近にも価値観の違いがあることに気づくきっかけにもなりそうだ。
メイン会場のアートホールには、空間デザイナーで建築家の遠藤幹子さんが設計した体験型アート作品を展示。しつもんパークの一番高いところにのぼって叫ぶことができる「ヤッホーやま」や、ふかふかした雲のうえにのって、不思議な体験をする「そらとぶ くも」など、楽しい作品が並ぶ。
上図「ヤッホーやま」、下図「そらとぶ くも」イメージ
アートの面白さや表現の自由を体感できるだろう。なお、体験型アート作品で遊べるのは12歳以下までなので注意。
『しつもんブック 100』の他、ツペラ ツペラの近著『きゅうきゅうブーブー』『めがねがね』の絵本原画の展示もある。ハサミを使って丁寧に切ったパーツを貼り合わせて制作されている様子を、出版された本と比べて鑑賞することができる。さらに展示室内では、ツペラ ツペラの国内で出版された絵本の数々を手に取って楽しむことも。
会期中は、ツペラ ツペラが来館してのトークやワークショップなどが予定されている。詳細は展覧会ウェブサイトやSNSで確認できる。随時、イベントの最新情報が更新されるのでチェックしてみよう。
しつもんパークの体験アートでは、問いをきっかけに自分について考えたりお互いを知ったりと、家族のコミュニケーションが生まれて絆が深まるひとときを過ごせるだろう。彫刻の森美術館の常設展も屋外展示場が充実しているので、小さい子どもから大人まで楽しめるはずだ。
せっかくお出かけを計画するなら、現地で子どもが何を体験できるか、という視点も盛り込みたい。学習のトレンドが参加や体験を重視する方向に向かっている今、面白そうなイベント企画をチェックしてみよう。
〈展覧会概要〉
「tupera tupera + 遠藤幹子 しつもんパークin 彫刻の森美術館」
・アーティスト:tupera tupera(ツペラ ツペラ)、遠藤幹子
・会期:2023年4月28日(金)~ 2024年3月31日(日)
・会場:彫刻の森美術館 (アートホール/ポケっと。/丸太広場キトキ/カフェ/屋外展示場)
・開館時間:9:00~17:00(⼊館は閉館の30分前まで)
・料金:美術館入館料(大人 ¥1,600、大学・高校生 ¥1,200、中学・小学生 ¥800、未就学児 無料)
・休館⽇:なし(年中無休)
・主催:彫刻の森美術館(公益財団法⼈ 彫刻の森芸術⽂化財団)
・協力:株式会社ネオテリック[青山出版]/株式会社クオラス/ブックハウスカフェ/私立珈琲小学校
・特設サイト:www.hakone-oam.or.jp/specials/2023/shitsumonpark
文:平井達也
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