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2022.10.02
積み木やプルトイ、電車や車、ぬいぐるみ、モビールなど、おもちゃには、さまざまな種類がある。子供にとって、おもちゃはどのような存在なのか、おもちゃコンサルタントで、東京おもちゃ美術館のディレクターを務める岡田哲也さんに聞いた。
「自分の手や体を使い、頭で考えながら遊ぶのがおもちゃ。気持ちや行為を表現し、周囲とコミュニケーションをとりながら、嬉しい気持ちや安心感などの心を育みます。これらは、単独で養われるものではなく、複合的につながり高まるものです。
おもちゃを通して、自分を知り、さらに身の回りの世界や人との関わりを知っていくのです。そのうち『次はこうしてみよう』などと、現状よりも良くなる方法を考えて主体的にチャレンジするようになります。自ら考えて試すことで、自分の力で物事を変えていけることを実感することができます」。
子供が主体的に関わることができるおもちゃとは、遊び方やルールが決まっていない自由な発想で楽しめるものだという。
「遊びながら子供自身が『楽しい!』と思えることが大切です。多くの大人は、『こう遊んでほしい』『こんな力を身につけてほしい』などの願いを持ちがちですが、まずは見守ること。いろいろな遊び方をするわが子の様子を楽しく眺めてみてください」。
おもちゃには、人と仲良くなれる素敵な力があるという。
「年齢が違っても言葉を交わせなくても、おもちゃがあれば一緒に遊ぶことができます。初めての友達でも、仲良く遊べるきっかけになるでしょう。おもちゃは人と人をつなぐ“コミュニケーションツール”なのです」。
大人は、ただ子供におもちゃを渡して終わりではなく、一緒になって楽しむことが大切だ。
「子供たちは大人の楽しそうな姿を見ると、『僕もやってみたい』『私も遊んでみたい』と興味を示すものです。子供自ら手を伸ばし、主体的に関わるようになります。パパやママはぜひ、お子さんと一緒に遊んでみてください。『違うでしょ』などと横から邪魔をせず、子供と共感しながら遊ぶのがポイントです」。
東京おもちゃ美術館/おもちゃコンサルタント
岡田哲也さん
NPO法人芸術と遊び創造協会 人材育成事業部、東京おもちゃ美術館ディレクターとして、展示・イベント等の企画、運営に携わる。現在、東京おもちゃ美術館及び、全国の姉妹おもちゃ美術館の人材育成などを担当し、全国の幼稚園・保育園・子育て支援センター等で、おもちゃと遊びを広げるワークショップを展開。おもちゃのデザイナーとして、おもちゃを使ったあそびの研究・実践も行う。おもちゃコンサルタント、駒沢女子短期大学・植草学園大学・京都女子大学非常勤講師。
文:鈴木有子
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