2021.12.09
2023.03.22
2022.07.24
住宅購入にあたっては、当然10年後、20年後のことも視野に入れねばならない。わが子は今は幼く、いつもパパママの目の届くところにいるかもしれないが、10年後にはプライベートな空間を確保してあげる必要が出てくる。20年後には親元を離れていく可能性もある。
パパやママも、仕事などがどのような状況になっているかわからない。家族の事情の変化に住まいをどう対応させるか、予測が必要とされる。もちろん住み替えという選択を迫られることもあるだろう。
中古マンション探しとリノベーションを手がけるリノべる株式会社は、マンション購入を検討している東京、神奈川、千葉、埼玉に住む子育て中の20~50代の男女に対して、住まいに対する意識調査を実施した。
調査では「住まいについて将来的にはどのようにしようと考えているか」を尋ねている。回答結果では「購入する住まいに一生住み続ける」が38.5%で最多だった。
一方で「子供が大きくなったら、住み替えるために賃貸または売却したい」は23.1%、「子供が巣立ったら、住み替えるために賃貸または売却したい」は11.8%で、合わせて34.9%。
「将来的には実家に戻りたいため、賃貸または売却したい」人が0.5%、「わからない」が24.9%いることも考えると、一生住み続ける派と賃貸または売却する派は拮抗しているといえそうだ。
次に、住宅購入にあたって、「価格」「周辺環境、治安、学区」「駅距離」「間取り」「内装」「広さ」「断熱・省エネ性能」「築年数」「物件の管理状況(耐震性、修繕の状況など)」「資産性」の10項目について、どの程度重視するかを尋ねている。
そして、その結果を、購入を考えている住宅の種別(「新築の建売住宅」「新築注文住宅中古の一軒家」「中古の一軒家を自分らしく注文リノベーションした住まい」「新築分譲マンション」「中古のマンション」「リノベ済み中古マンション」「中古のマンションを自分らしく注文リノベーションした住まい」)とクロス集計しているのだが、これが興味深い。
「中古のマンションを自分らしく注文リノベーションした住まい」の購入を考えている人は、10項目すべてについて「とても重視している」と回答した割合が高かったのだ。
特にはっきりと差が出たのが「価格」「周辺環境、治安、学区」「間取り」の3項目。新築(建売住宅、注文住宅、分譲マンション)の購入予定者は「とても重視している」と答えたのは平均52.4%であったのに対し、「中古のマンションを自分らしく注文リノベーションした住まい」の購入予定者では75%にのぼった。
これらの重視姿勢は「リノベーション済の中古マンション」や「中古の一戸建てを自分らしくリノベーションした住まい」購入希望者ともはっきりと差が出る傾向にあった。
10項目は家族の現状と将来を考えて住宅を購入する際に外せない要素だ。それらを織り込んで検討した結果、中古マンションを自分らしくリノベーション、という結論に至る人が多いのだと推測できる。
リフォームとリノベーションは違う。リフォームは劣化したものを復元することだが、リノベーションは機能や価値を増す意味合いが強い。リノベーションはより自由度や創造性が高い行為なのだ。
年齢とともに変化していく家族関係も、変化を受けて、ときにリノベーションが必要になる。時間がかかることもあるだろうが、住まいも家族も、リノベーションがワクワクする、より幸せな暮らしに向けた営みであってほしい。
〈調査概要〉
・調査方法:webアンケート方式
・調査機関:ファストアスク
・調査対象:20~59代の東京、神奈川、埼玉、千葉にお住まいの子育て中の方
・有効サンプル数:221名
・調査実施日:2022年6月6日(月)~7日(水)
・調査主体:リノベる株式会社
文:平井達也
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