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「ネットトラブルあんしんサポート」を提供するNTTドコモが、2020年2月に全国の13~18歳のスマホを所有する中高生200名を対象に実施した「中高生のスマートフォン事情」に関する調査を行った。
調査結果によると、スマートフォンの使い方によっては、トラブルに巻き込まれるリスクがあるという。例えばSNSでは、写真投稿での個人情報流出や友人とのトラブル、ネットショッピングではフィッシングメールや架空請求などが挙げられる。
子供がSNSトラブルやネットショッピングトラブル、ネット詐欺に巻き込まれないようにするには、どのような対策が必要なのか? ITジャーナリスト・スマホ安全アドバイザーの鈴木朋子さんによる、「中高生のネットトラブルの事例や対策法」から有効策を紹介しよう。
SNSでは、中高生の42%が「顔や制服のうつった写真・動画」をSNSに投稿した経験を持ち、「学校名」の投稿も約7人に1人に経験があることが分かった。
中高生でこの意識なのだから、もっと幼い子供がスマホを持つことを考えるとゾッとしてしまう親もいるだろう。
またチャットグループがある中高生は約9割で、約7人に1人が「悪口」の目撃経験があり、約3人に1人が「SNSで不快なコメントをもらったことがある」と回答した。
これに対して鈴木さんは「インターネットにつながっている以上、投稿は多くの人の目にさらされます。子供たちが、そのリスクをあまりわかっていないことから、トラブルに発展する事例が多く見られます。親御さんは、知らない人に会いに行かないことを約束しておくべきです。また、自身の制服姿、学校名など、個人の特定につながるような行為も危険ですのでやめましょう」とコメント。
親としては、子供が小学生の頃から、ネットでは多くの人の目にさらされるという事実や、知らない人との付き合い方、写真投稿ルールなどを少しずつでも教えていく必要があるだろう。
ネットショッピングの利用も進んでいる。中高生の9割が「ネットでの買い物経験」があり、43%が「フリマアプリで商品を購入」。ネットで買い物をする際に、親に相談や共有をするか、という質問に「しないこともある」36%、「いつもしていない」21%と回答。合わせて57%にも上った。
これに対して鈴木さんは「大人と同じ土俵で売買を行っていることから詐欺に合う危険性があり、商品を購入したにもかかわらず発送されない、または偽物だった、実際には汚れやキズがひどかったといったトラブルに巻き込まれることがあります。また、転売禁止のチケットを購入して入場を拒否された事例も目立っています。さらに、ネットショッピングにおいては、サイト自体が偽物という事例もありますので、URLなどの確認をすることも重要です」とアドバイスする。
そのショッピングサイトが偽物か否かは、大人であってもプロでなければ騙されるほどだ。近年、様々なものをEコマースで調達する社会的なトレンドもあり、子供たちが成長するに連れてネットショッピングを利用する機会も増えるだろう。
買い物利用は事前に親に共有するなどルールを設け、親の承諾なしに決済できない環境づくりや、親子ともども、ネットショッピングリテラシーを向上すべく、騙されないための最低限の知識を自分にインプットしておくべきだろう。
ネット詐欺については、「フィッシングメール(銀行、カード会社、オンラインサービス、芸能人などの名を騙った詐欺メール)を受け取ったことがある」と回答したのが20%。「利用した覚えのないサイト・サービスからの請求を受けたことがある」が11%にも上った。
これに対し、鈴木さんは「スマホの画面にアラートを出して脅かし、金銭を取る『ワンクリック詐欺』」や「偽メールにより、個人情報をもらしてしまう」、「SNSで知り合った人に個人間で取引を持ちかけられ、お金だけ取られる」などさまざまなトラブルが実際に起こっていることを指摘している。
親としては、こうしたトラブル事例を日頃からよく知っておき、子供の行動に対してリスクを想定しておく必要がありそうだ。
調査では、ネットトラブルに直面した際、「身近に相談できる人がいない」中高生たちも多く、ネット検索で自己解決する傾向も見られた。
年齢が上がるにつれて、「親に心配をかけたくない」「親には相談しづらい」ケースが増えてくる。鈴木さんは「普段からスマホやネットに関して、オープンに話せる雰囲気作りが大切です」とコメントする。
また、「フィルタリングやペアレンタルコントロールを利用して、利用時間の制限、アプリのインストール管理、課金の許可制などを設定しておくと安心です。」とのアドバイスや、「万一トラブルにあった際に専門スタッフ等に電話相談できるサポート体制、キャッシュレス決済の不正利用補償を行ってくれるサービス」の利用も促す。
スマホを利用させる親としては、日頃から子供に起こりうるネットトラブルのリスクをよく知りつつ、デジタルやサービスなどを駆使して予防策を取っておくことが重要といえそうだ。
〈調査概要〉
「中高生のスマートフォン事情」
株式会社NTTドコモ
・調査エリア:全国
・調査期間:2020年2月7日~2月10日
・調査方法:インターネット調査
・調査対象:13歳~18歳
中高生男女200名
※スマートフォンを所有している方
(性別および中学/高校で均等割付)
鈴木朋子(すずきともこ)/ITジャーナリスト
大手メーカーでシステムエンジニア業務に従事、のちフリーライターに。SNS、スマホ、パソコン、Webサービスなど、身近なITに関する記事を執筆。初心者がつまずきやすいポイントをやさしく解説することに定評があり、入門書の著作は20冊を越える。ITの知見と2人の娘の子育て経験を生かして、子供の安全なIT活用をサポートする「スマホ安全アドバイザー」として活動中。TV・雑誌などメディア出演も多数。
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