世界150ヶ国トップ10選出の教員が教える、エンタメで学ぶ“エデュテイメント”の活用法

世界150ヶ国トップ10選出の教員が教える、エンタメで学ぶ“エデュテイメント”の活用法
予測不能な未来において、わが子が幸せに生きるためには、「好きなこと」がたくさんあることが大切。“好き”を見つけるために活用できる「エデュテイメント」について、専門家に話を聞いた。

<目次>
1.ゲームや動画などエンタメを学びの味方に
2.予測不能な未来で幸せに生きるために
3.“好き”を見つけるためにまずはたくさんの体験を
4.子どもの“好き”をたくさん見つける3STEPS

 

教えてくれた人

正頭 英和さん

小学校教諭/マインクラフトを活用した英語授業の実践が評価され、2019年、教育界のノーベル賞といわれる「Global Teacher Prize(グローバル・ティーチャー賞)」にて、世界150ヶ国以上、3万人のエントリーの中から日本人小学校教員で初めてトップ10に選出。現在、教員として務める傍らエデュテイメントプロデューサーとしてさまざまな教育コンテンツ開発に関わる。著書『子どもの未来が変わる英語の教科書』(講談社)。

ゲームや動画など
エンタメを学びの味方に

「エデュテイメント」という言葉を聞いたことがあるだろうか? これは、「エデュケーション(教育)」と「エンターテインメント(娯楽)」を合わせた造語だ。

「エデュテイメントとは、教育のエンターテインメント化、またはエンターテインメントの教育への活用を指します」と語るのは、現役の小学校教員であり、エデュテイメントプロデューサーでもある正頭英和先生。

「ゲームや動画といったエンタメコンテンツは、勉強の敵だと思われがち。でも、今のエンターテインメントには子どもを夢中にさせる仕掛けに満ちています。ならば、どうやったらそれを学びに活用できるか考えるべきではないでしょうか」。

予測不能な未来で
幸せに生きるために

エデュテイメントを活用することによって、子どもたちの学びがどう変わるのだろうか。

「エデュテイメントで学びがすべて完結するわけではありません。エデュテイメントはあくまで入口。その目的は、たくさんの“好き”を見つけることです」と正頭先生。

「学びの入口に入る最初のハードルをエンタメと同じくらい下げて、興味を持ってもらいやすくする。“好き”を見つけさえすれば、子どもはもっと学びを深めていくことができます。もともと学びは楽しいものですから」。

ICTの発展や生成系AIの登場で、世界はますます激しく変化している。子どもたちが生きる未来がどうなっているかは、誰にも予測することができない。

「子どもたちが生きる未来にどんなスキルが必要か、もはや誰にもわかりません。でも、どんな未来が来ても、“好き”をたくさん持っている人は幸せな人生を送ることができるはず。そのためにエデュテイメントが活用できると考えています」。

“好き”を見つけるために
まずはたくさんの体験を

今、学びにつながる内容を楽しい動画やゲームにしたエデュテイメントコンテンツは、世の中に溢れている。それを具体的にどう活用すればいいのだろうか。正頭先生は、「いろいろなコンテンツのつまみ食い」を提案する。

「テーマを決めず、さまざまなコンテンツに広く浅く触れさせる。動画なら見てみる、ゲームならやってみる。その中に子どもが“楽しい”“好き”と思えるものが見つかるはずです」。“好き”になれるかどうかは、試してみないとわからない。この「試す」のハードルを下げられることが、エデュテイメントの利点の1つだ。

エデュテイメントによって見つけた“好き”は、さらに体験を深めることによって学びへとつながる。でも、すぐ飽きてしまうのでは? と親は心配になるかもしれない。

「好きになっても、子どもは2ヶ月もすれば飽きてしまうものです。そうしたら、さらに次の“好き”を探せばいいんです」。飽きてしまったとしても、一度好きになった記憶は残る。その繰り返しで、子どもたちはたくさんの“好き”を手に入れることができるはずだ。

おうちでできる!
エデュテイメント”を活用して
子どもの“好き”をたくさん見つける
3STEPS

STEP 1
まずは試して“好き”を探す

動画、ゲーム、アプリなどを活用したエデュテイメントコンテンツに幅広く触れさせる。子どもは興味を持つとひとつのコンテンツをくり返してしまいがちなので、親は「こっちもやってみたら?」といろいろなジャンルやコンテンツを提案することがポイントだ。また、子どもをよく観察して、どんなコンテンツが特に好きなのか、子どもが何に興味を持っているのかを見極めよう。

STEP 2
“好き”をとことん体験する

子どもの“好き”が見つかったら、それをとことん体験させてみよう。体験のポイントは、「調べる」「作る」「試す」

例えば動画で昆虫に興味を持ったら、親子で昆虫図鑑を作ってみたり、実際に虫を捕りに行ってみる。電車のゲームにハマっていたら、「電車に乗って〇〇駅に行ってみよう」と誘ってみるなど、体験のサポートをしよう。エデュテイメントで作ったきっかけを体験に発展させることによって、“好き”を深めることができる。

STEP 3
“好き”を増やしていく

子どもの“好き”は2ヶ月程度で変わっていく。そのときは、またSTEP1 に戻って新しい“好き”を見つけよう。

“せっかくいろいろ体験したのに”と親が継続にこだわってしまうと、子どもが嫌になってしまう。1度“好き”になって体験した記憶は残り、決して無駄になるわけではない。次の“好き”への入口を気軽に作れるのも、エデュテイメントのメリットだ。子どもの“好き”をたくさん増やしていこう。

ポッドキャスト番組
「正頭先生の『好きがミライを変える授業』」

子育てや教育のリアルなお悩みに対し、正頭先生が世界の教育事情やトレンド、教育現場での実体験などを織り交ぜながら回答。現役教師だからこそわかる、子どもとの向き合い方やニーズの変化、教育のHow Toなどを伝えている。

 

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タブレット使用時に気になる利用時間や閲覧内容を細かく設定可能。ゲームや動画の使用時間に上限を設けたり、触れてほしくないコンテンツをブロックしたり、就寝時間に自動的に利用を終了したりといった設定もできる。

POINT3.
3~12歳まで年齢に合ったコンテンツを提供

専任チームがコンテンツの内容を確認し、対象年齢を決定。子どもの年齢範囲を設定するだけで、年齢に合ったコンテンツのみが表示される。

「第16回 キッズデザイン賞」「第15回 ペアレンティングアワード」を受賞!


ここがおすすめ!
充実したコンテンツから、たくさんの“好き”が見つかるはず。閲覧履歴を利用すれば、子どもが何に興味を持っているかの振り返りも簡単ですよ。(正頭先生)

 

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問い合わせ

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文:藤城明子
協力:Amazon Kids+

FQ Kids VOL.18(2024年春号)より転載

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