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2021.10.06
2023.07.24
夏休みの自由研究には「自由」だからこその難しさがある。テーマの決め方から任されるのは小学生にとって大変かもしれないが、うまく生かせば貴重な探究型学習の機会になり、意欲・粘り強さ・自信といった非認知能力を育むこともできるだろう。
一方で、親の関与はどこまでが妥当なのか、親として何をサポートしてあげればいいのか、といったところも悩ましい。夏休みの自由研究を親子で乗り越えるコツを、調査結果から探ってみよう。
子ども向けの「教育×オンライン」プラットフォームを展開するキッズウィークエンド株式会社は、「夏休みの自由研究」について、同社サービスの会員を対象にアンケートを実施した(質問は全て複数回答可)。
まず尋ねているのは「子どもの自由研究で大変だと感じること」。最多は「子どもが1人で進められない(61.1%)」、次いで「子どもがテーマを決められない(45.1%)」「選んだ内容が大人の見守りが必要となる(41.4%)」という結果となった。
経験の少ない小学生ゆえにどこから何に手をつけたらいいのかイメージができず、時間だけが経過していく様を心配する親がやむなく手助けを申し出ている……という実情が思い浮かぶ。
中には、協力しようにも「一緒に考えたりアイデアを出し合う時間を確保することが大変」との意見や、「下の子どもたちの世話があり充分なサポートができない」といった切実な声も寄せられた。
次に尋ねているのが「自由研究のテーマはどうやって探しているか」。約5割が「インターネットでランダムに検索(48.8%)」と答え、「自由研究を特集している情報媒体(44.3%)」「SNSで情報収集(23%)」と続き、多様なメディアを駆使して探っていることがわかる。
一方、自由記載でさまざまな表記ではありつつ「子どもの興味のあること」から探す、とする回答も一定数寄せられている。自由研究を、わが子の自主性を重視することで関心を深める機会にしたい、と考えている親もいるようだ。
さて、「子どもは例年、自由研究をどのように進めているか」。これを質問すると最も多かったのが「保護者が手伝わないと何もしない(44.7%)」。「ギリギリまで手つかずで慌てて行っている」との回答も24.6%で、先延ばしにしてしまいがちな様子がうかがえる。
もっともこれは、子どもの怠けというより、どう手をつけていいのかわからない、という側面もあるかもしれない。パパ・ママは「早くやりなさい」と急かすよりも、ちょっとしたモチベーションやヒントにつながる声かけが効果的なのではないだろうか。
「計画的に楽しんでいる(26.6%)」という回答も3割近くあり、自由記述でも「楽しんでいるが計画的には難しい」や「楽しむけれど親のタイムマネジメント等の導きも必要」という報告が見られた。適切に助け船を出して「自由研究って楽しい」と気づいてくれればしめたものだ。
そして「今年の自由研究について、家庭ではどのように関わる予定か」を尋ねている。圧倒的に多かったのは「部分的に必要に応じて手伝う(67.6%)」だった。
「アドバイスにとどめて手は出さない(14.3%)」「手伝わず自主性に委ねる(8.2%)」も一定割合あり、基本的には子ども自身の力で完成させるものと考えている親が多いことがわかった。
最後に、「自由研究のテーマを選ぶ・探すのに重視すること」を質問している。1位は「子どもが楽しんで取り組めること(81.1%)」。2位は「子どもの学びになり、役立つこと」とで66%だった。
自由記述でも、「興味の幅が拡がり次の探究につながること」や「テーマが次につながること」「数年がかりであっても知りたいこと」「子ども本人が普段の生活で疑問に思ったこと」といった声が寄せられている。
自由研究をきっかけに、わが子に好奇心や学びを深めてほしいと願っていいるパパ・ママが実は多いのだといえるだろう。
調査からは、子どもがなかなか自分1人では進められず親が協力してなんとかしている実態、それでも子どもには自由研究を機に成長してほしいと願うパパ・ママの姿が浮かび上がってくる。
自由研究で大切なのは立派な成果を提出することよりも、自分で問いを立て、調べ、発見する喜びを知ること。そのためには、必要以上に手を出しすぎず、なるべく「自分でできた」と思えるようなサポートを心がけていきたいものだ。
〈調査概要〉
「夏休みの自由研究における保護者の関わり方やお考えについて」
・調査期間:2023年6月2日~11日
・調査期間:キッズウィークエンド
・調査対象:同社サービス利用者の保護者(性別年齢不問)
・調査方法:Webアンケート
文:平井達也
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