【体験レポート】EQ(こころの知能指数)を子育てに活かす研修とは!?

【体験レポート】EQ(こころの知能指数)を子育てに活かす研修とは!?
「EQ」という言葉を知っていますか? これは「感情をマネジメントするための力」だと言われ、コミュニケーションの基礎としてビジネスなどでも活用されています。このEQを「子育て」に活かすための研修が行われると聞き、編集部の征矢が行ってきました!

EQ(こころの知能指数)とは?

EQとはEmotional Intelligence Quotientの略語で、「こころの知能指数」と訳されます。これは、わかりやすく言えば「人の感情を上手くマネジメントする能力」だと言われています。

人間の行動には「感情(気持ち)」が大きな影響を与えています。頭ではわかっていても気持ちの問題で行動できないとか、気持ちが高ぶって深く考えずに行動してしまう……ということはよくありますよね。

EQとは、そういった感情を目的に合わせて上手くコントロールするための能力です。EQを活用することで、人とのコミュニケーションをスムーズにし、より良い関係を築いていくことができます。

EQで子育てをレベルアップ!

今回訪れたのは、そんなEQを「子育て」に活用して、子供のEQを育てながら自分のEQも高めていくための研修。

確かに子育てをしていると、子供が泣いたり怒ったりした時にどうしたらいいかわからなかったり、自分がつい怒ってしまうことはしょっちゅうですよね。モヤモヤしたり、イライラしたり、泣きたくなったりといった気持ちを少しでもコントロールできたら、子育てがもっと楽になるはず……!

主催は、EQを活用した企業向け研修を行っている株式会社アドバンテッジリスクマネジメント。参加者は、「あおぞらえん」という幼稚園に通うママたち20名ほどです。

企業ではなく、一般のママ向けの研修を行うのは初めての取り組みだそう。「研修」というと硬いイメージがありますが、今回は小さなお子さん連れのママさんも参加OK。講師の米田久美子さんも小学生のママということで、会場はなんとも和やかな雰囲気。

一体どんな研修になるのか……わくわくドキドキです!

EQ活用法
①自分と子供の気持ちをつかむ

まずは、「自分と子供の気持ちをつかむ」ワークからスタート。

感情を四象限に分けて、「子供/自分が、どんな時に、どんなモード(気持ち)になりやすいか」をまず考えていきました。

「元気・活気・前向き」などの感情は、人を勇気づける「イケイケモード」に。「恐怖・不満・怒り」などの感情は、人を攻撃しがちな「ギャングモード」に。

「のんびり・まったり・やわらぎ」などの感情は、人を見守る「親鳥モード」に。「がっかり・だるい・悲しい」などの感情は、人を批評する「評論家モード」に、それぞれなりやすいそうです。

まずは「子供/自分のモード(気持ち)を自覚する」のが大切とのこと。なるほど……!

ワークシートに書き込んだら、周りの人と共有。「うちの子、予定が急に変わるとすっごく怒るんだよね」「私、時間にゆとりがある時なら優しくできるんだけど、時間ないと焦って怒っちゃうかも」など、さっそく話に花が咲いていました。

EQ活用法
②自分と子供の気持ちを切り替える

次に、そのモード(気持ち)を切り替えることについて。

基本的に、子育ては相手をゆったり見守る「親鳥モード」が一番うまくいくことが多いそう。そうではないモードの時には、意識的にモードを切り替えることが大切です。

モードの切り替えのために、例えば「甘いものを食べる」「子供の写真を見る」など、いわゆるルーティン的な行動を決めておくのが良いそうです。

私の場合、いつもお迎えまでスマホで仕事をしてしまうのですが、仕事が忙しいと「イケイケモード」や「ギャングモード」になりやすくて、そのまま子供と接してしまう時があるかも……。

スマホの時間制限をして無理に切り替えるのは失敗した経験があるので、「好きなお菓子を食べる」など、自分の機嫌を取りつつ気持ちを切り替えてみよう! と思いました。

EQ活用法
③気持ちを言葉にして整理する

次に、気持ちを「言葉」にすること。これには、IQや語彙力などの「知的な力」が最も必要となります。

「モヤモヤ」「イライラ」「キレそう」「やばい」などのふわっとした感覚をなるべく掘り下げて、「それって、つまりどんな気持ち?」「どうしてそんな気持ちになるの?」と言葉にすることで、自分や相手の気持ちが理解・整理できるようになります。

特に子供の場合、気持ちを言葉にできずに「泣く」「暴れる」「体調不良」「黙る」などで表現しやすいので、親が「親鳥モード」で寄り添って、言葉にするお手伝いをしてあげると良いそうです。

ここでは、「話す側」と「聞く側」に分かれたロールプレイ方式で、相手の気持ちを言葉にするお手伝いの練習をしました。参加者全員、話が弾んですごく盛り上がったのですが……講師の方から鋭い指摘が!

「『気持ちを理解する』ためには、話を聞く側が『問題を解決しよう』とアドバイスしすぎてはいけません」とのこと。私も「じゃあこうしたら?」ってすぐ言っちゃってました……!

ネガティブな感情は「心の成長痛」であり、成長にとっては必要なこともあるので、そのまま受け止めることも大切、とのこと。確かに、子供の話をしっかり聞いて、子供が自分の気持ちを言葉にできたら、ほとんどの問題は自分で解決できるのかもしれない……と感じました。

EQ活用法
④目的に応じて気持ち(行動)をコントロールする

最後に、目的に応じて気持ち、そして行動をコントロールするためのステップです。そのためには、まず「目的」をはっきりさせる必要があります。「どんな子供に育てたいか?」「どんな親でありたいか?」ということは、普段漠然と考えていることが多いですが、まずこれを言葉にすることが大切だそうです。

改めて紙に書いて考え、言葉で共有するワークを行いました。

時には、「親はこうあらねばならない」「こうしなくちゃいけない」と無意識に思い込んでいることも。「本当にやりたい子育て」を改めて考えることで、本来の目的を阻害するような考え方の癖に気づいて、目的に向かうことができるようになります。

確かにそうかも……! と気づかされると同時に、これはぜひ夫婦でやりたい、と思いました。

もちろん、目的がはっきりしても、気持ちをコントロールするのは至難の業。ただ、いつもじゃなくても、10回に1回でもできれば自信になるし、さらなる工夫もできるようになる、という講師の方の言葉に励まされました!

EQを活用して人生を豊かに

会場は終始笑いと共感に包まれ、参加者の方からは「感情を四象限に分けて考えるワークが面白かった」「ロールプレイの体験が新鮮だった」「話し合いが多く、他の人の考え方が参考になってよかった」「学んだことをすぐに毎日の子育てに活かせそう」といった感想がありました。

今回のEQセミナーは、ビジネスで活用されているEQ研修が、もっと幅広い分野で活用できることを知ってもらいたい、という意図で企画されたそうです。今後は「企業の福利厚生」として、家庭を持つ社員向け研修などの形での展開を検討していくとのことですが、ぜひもっと広まって欲しい! と感じました。

EQは人間とのコミュニケーション全般に応用できるので、子育てはもちろん、例えば夫婦関係や義父母との関係、友達やご近所との関係などにも役立つはず。EQに興味を持たれた方は、ぜひ試してみて下さいね!


文・写真:FQKids編集部

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