2020.06.25
2022.02.01
2022.08.03
近年、さまざまな教育の導入が低年齢化している。金融教育もその1つだ。身近なお金の使い方なら教えてあげることはできるが、「金融」となると身構えてしまうパパママも多いのではないだろうか?
これには2つの要因が推測できる。1つは親自身が金融についてよくわかっていないこと。2つ目は、金融について何からどう教えたらいいのかわからないことだ。実態はどうなのか、500名のパパママを対象にした調査から紹介しよう。
auじぶん銀行株式会社は、小学生の子供を持つ30~50代の男女を対象に「子供の夏休みと金融教育に関する調査」を実施した。まず尋ねているのは、「パパママ自身の金融に関する知識が不足していると感じることがあるか」だ。これには8割が「とても感じる(33.0%)」「まあ感じる(46.8%)」と回答した。
Q.金融に関する知識不足を感じることはありますか?
なんと大多数のパパママが金融に関しては知識不足だと感じているのだ。具体的には次のようなエピソードが寄せられている。
●きちんとした教育を受けたことがないため、何が正しいのかわからない(42歳男性・福岡県)
●昨今の経済状況で何が問題なのかが分からない(31歳女性・京都府)
●NISAやiDeCoなどの本を読むが、よく理解できません(44歳女性・山口県)
それでは、知識を身につけるために、何かしていること(したこと)はあるのだろうか。これを尋ねると、4割は何かしらの勉強をしていることがわかった。多かったのは「書籍や参考書などを読む(20.4%)」「YouTubeなど金融関連の動画を見る(19.0%)」「経済番組を見る(18.8%)」といったところだ。
Q.金融に関する知識を身につけるために、何かしていること(したこと)はありますか?
とっつきやすい、マンガ形式などの入門書から始めてみるのもいいだろう。
続いて、子供の頃を振り返って、金融教育を受けたかったと思うかを質問している。「そう思う(32.2%)」「どちらかというとそう思う(37.2%)」を合わせて7割が金融教育を受けたかったと思っていることがわかった。
Q.ご自身の子供の頃を振り返って、金融教育を受けたかったと思いますか?
子供時代にはわからないが、大人になって必要性をひしひしと感じるのが金融の知識だ。金利や為替の仕組みなどは、吸収力の高い小学生のうちから教えてあげたいものだ。
さて、よそのパパママたちは家庭内で子供に金融教育を行っているのだろうか。これには2割が「現在行っている(13.2%)」「過去に行ったことがある(6.4%)」と回答。8割は「行ったことがない(80.4%)」という結果に。
行わない理由としては、「自分自身も理解できていないから(66.2%)」が最多に。みんなそうなのか、とホッとしている方も多いかもしれないが、安心している場合でもないかもしれない。
Q.子供に金融教育を行っていない理由は?
以上を踏まえて、家庭で子供に金融教育を行いたいかを質問すると、「行いたい(27.6%)」と「どちらかというと行いたい(42.0%)」を合わせて、約7割が前向きという結果となった。自分も子供の頃に金融教育を受けたかったという気持ちも反映されているのだろう。
金融教育で学んでほしいことは、1位が「お金の価値・大切さ(82.4%)」、続いて「お金の使い方(63.0%)」だった。まずはお金について基本的な心構えを身につけてほしいと願うパパママが多いようだ。キャッシュレス化が進む今だからこそ、難しいが大切なことだろう。一方で「お金を貯める方法(48.2%)」「お金の流れ・経済の仕組み(45.8%)」も支持を集めた。
Q.子供に金融教育で学んでほしいことは?
調査では、この夏に学校や学習塾の勉強以外の取り組みとして子供にさせたいことも、複数回答で尋ねている。多かったのは「動物園や水族館などで動物と触れ合う(57.4%)」「遊園地やプールなど遊べるスポットに行く(53.2%)」「花火大会・お祭りなど夏ならではのイベントを楽しむ(49.4%)」だ。
Q.今年の夏休み、学校や学習塾の勉強以外の取り組みとして子供にさせたいことは?
勉強ばかりではなく、しっかり夏を楽しんでバランスよく育ってほしいというパパママの思いがうかがわれる。とはいえ4人に1人は「お金について学ぶ(24.4%)」も選択。金融教育が家庭においても、子供の学びの大きなテーマとなりつつあることがわかる結果となった。
なかなかコロナ禍の収束が見通せない状況が続く。第7波では若年層への感染が増加し、子供たちも日々ストレスにさらされているはずだ。ぼーっとできる時間も確保してあげたい。
一方で、日々成長していく子供に学びを提供し続けることも社会と親の役目だ。少しずつ、学校の勉強以外の学びにも触れさせてあげたい。お金など社会の仕組みや自然との触れ合いなど、親子で一緒に調べたり楽しんだりするうちに、パパやママも知識量を増やしていくことができるはずだ。
〈調査概要〉
「子供の夏休みと金融教育に関する調査」
・調査方法:ウェブアンケート調査
・調査対象者:小学生の子供を持つ30~50代男女500名
・調査実施日:2022年5月23日(月)~27日(金)
・調査主体:auじぶん銀行株式会社
・調査機関:株式会社ネオマーケティング
文:平井達也
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