2021.10.08
2020.02.22
2022.07.27
多くの教科書による“ランドセル重すぎ問題”をはじめ、小学校教育のオンライン化へ期待が高まっている今、「テスト」のオンライン化にも注目が集まっている。
「CBT」という言葉をご存知だろうか。Computer Based Testing、つまりコンピューター上での試験のことだ。ディスプレイに示される問題にマウスやキーボードを使って解答する。パパやママは職場の研修などで経験しているのではないだろうか。学校の試験にも今後導入されていくことが予想される。
e-ラーニングに関するサービスのさまざまなコンテンツを提供する株式会社イー・ラーニング研究所は、全国のパパママを対象に「2022年:テストのオンライン化・CBTならびに親のITリテラシーに関する調査」を実施した。
まず尋ねているのが、「学校でのテストのオンライン化への賛否」だ。なんと89%が「賛成」と回答した。理由としては「どこでもテストを受けられるから(78.9%)」が最多だ。
社会のリモート化が進み「どこでも」が一般化する中、テストについてもその利便性を求める意識がうかがわれる。「テストのフィードバックがすぐ受けられるから(60.8%)」「テストの成績が可視化されるから(46.3%)」の回答も多く、教育上の効果からもオンライン化への期待が高いことがわかる。
反対派の理由としては、「カンニングなどの不正行為の可能性があるから(64.6%)」「インターネット環境の差が出るから(58.3%)」などが挙げられている。
つづいて、CBTについて質問している。「CBTという言葉を知っていますか」という問いに対して「言葉の意味を理解している」のは10%にとどまった。CBTはすでに資格試験や検定試験で用いられているのだが、認知度はまだこれから、といったところのようだ。
一方で「子供に英語や漢字などの検定をCBT形式で受けさせたいですか」の質問には86%が「受けさせたい」と回答。時代の流れに沿った受験のあり方に期待が高いようだ。
さらに、「CBT形式のテストを導入するのはいつからが適していると思いますか」と尋ねると、「小学生未満(28.3%)」「小学1~2年生(28.3%)」という回答が多く、合わせて全体の半数超となった。早期からITに慣れておく必要性を、パパママたちも感じているようだ。
また、少し広くICT化について、「教育のICT化が進むことへの不安感はありますか」の問いには、「あまり不安ではない」「不安はない」を合わせて約7割となった。日本の教育はICT化が遅れていると言われてきた。GIGAスクール構想などはむしろ、時流に沿ったものと受け止められているのではないだろうか。
一方で「自分自身のITリテラシーは高い方だと思いますか」と尋ねると、「低い」「やや低い」が65%に上る。自信の持てないパパママが多数派なのだ。
「保護者を対象にした、ITリテラシーを高める取り組みは必要だと思いますか」に、「必要」「やや必要」の回答が94%となり、ほとんどの親が、自身のITスキルを向上させる必要があると感じていることが明らかになった。
「どういったITリテラシーを高める取り組みに参加したいと思いますか」には、約7割が「PCなどデバイススキルの向上」と回答。他にも「情報選別スキルなどの活用法(63.8%)」「アプリケーションなどの活用法(60.3%)」「セキュリティ対策(56.1%)」などITに関して広く知識・技術を身につけねばならないと考えられているようだ。
これから絶対に必要になるITリテラシーを子供に身につけさせたいと誰もが思っているだろう。しかし、やみくもににたくさん触れさせればいいというものではない。心得ておくべきなのは、情報や可能性が無限大のオンラインだからこそ、リスクもはらむということだ。
メタバース、暗号資産、NFTと、パパママが想像もしてこなかった世界を子供たちは生きていくことになりそうだ。そんな時代の教育だからこそ、ICTリテラシー以外に大切にすべきものもあるはずだ。
〈調査概要〉
「2022年:テストのオンライン化・CBTならびに親のITリテラシーに関する調査」
・調査期間:2022年5月4日(水)~28日(土)
・調査対象:20~50代の子供のいる親 男女 計428人
・調査方法:紙回答
・調査地域:全国
文:平井達也
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