想像力から自己肯定感まで!? 子供の遊び&オモチャづくりで育まれる非認知能力とは

想像力から自己肯定感まで!? 子供の遊び&オモチャづくりで育まれる非認知能力とは
遊びやオモチャを自分でつくることが育む「非認知能力」は大きく分けて3つある。それも1つずつではなく、相互作用で同時に複数育まれる。また3つの能力の中にも、細分化された複数の能力が含まれている。その内容とは?

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1.自己を高める力

「自己を高める力」とは文字通り、「自分で自分を高めていける力」のこと。例えば、「もっと面白くするにはどうしたらいいか」という「向上心」、自分だけでなくみんなが楽しめるように考える「自制心」、この遊びやオモチャは自分がつくったんだという「自尊心」、そして、親の声がけで育まれる「自己肯定感」などもここに含まれる。

さらに、ルールや決まりを守ろうとする「道徳心」や「責任感」なども自己を高める力。また、遊びやオモチャを通じた関わりの中で、他人へのやさしさを持ちだすことも、自己を高めるうえで重要なポイントとなる。

2.コミュニケーション能力

「コミュニケーション能力」とはすなわち、「人とうまく関わる力」のこと。この力は、学校や企業など、大勢の人数の中に入った際にも重要な役割を果たすが、1対1の人との関わりにおいても重要となる。具体的には、自分で考えた遊びやオモチャを、家族や友人と一緒に楽しめる「協調性」、誰とでも仲良く遊べる「社交性」、また自分でルールを決めて人を引っ張っていく「リーダーシップ」もこの能力の1つ。

さらに、相手が考えていることをおもんばかる「想像力」や「思いやり」、自分自身の考えや気持ちを表す「自己表現力」も養われる。

3.困難を乗り越える力

「困難を乗り越える力」はそのままの意味だが、人生に欠かせない能力だ。原坂先生は、阪神大震災で被災して避難所へ行った際、この力がある人は「どうやったら避難所生活をより楽しめるか、何があると便利か」を考え、率先して行動する姿を見たという。

遊びやオモチャづくりで養われる具体的な力としては、自分で考えて実行する「行動力」や「積極性」、うまくいかない時もやり続けられる「忍耐力」や「チャレンジ精神」。あきらめない、投げ出さない「根気」や「粘り強さ」。そして、絶対うまくいくと信じる「プラス思考」もこれに含まれる。

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教えてくれた人

原坂一郎さん
こどもコンサルタント/KANSAIこども研究所所長。23年間の保育所の勤務を経て、「こどもコンサルタント」に。どんな子供も笑顔になるそのユニークな保育法は、メディアから「スーパー保育士」と呼ばれ注目された。現在は、笑いと笑顔をキーワードに、子育てに関するさまざまな研究・執筆・講演を全国で展開中。『読むだけで、子育てがうんと楽しくなる本』(春陽堂書店)、『ママのイライラが笑顔に変わる 男の子の育て方』(洋泉社)ほか著書多数。


文:笹間 聖子

FQ Kids VOL.09(2022年冬号)より転載

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