
2021.06.18
子供の頃は何してた? 夢を叶えた人に聞く「パティシエ」になるために必要なこと
2025.12.24

――最近の印象的だったお子様とのエピソードがあれば教えてください。
うちの子は今5歳ですが、わが家に一大イベントがありました。それは「はじめてのおつかい」です。親は一緒にはついて行けませんから、もう心配でハラハラドキドキです。
でも、実際にできあがった映像を見て、「ああ、こんなふうにうちの子は成長してくれていたんだな」とあらためてその成長ぶりを実感しました。
――自分が子どもの頃どんなふうに育てられたか、それが今の自分にどうつながっているかを教えてください。
本当にすべては、親が教えてくれたという感じです。誠実さや人への感謝の気持ちを持つ大切さなど、親が常に教えてくれました。歌のお兄さんとしての歌い方から絵本の読み方まで、「あれ、これって親が僕にしてくれていたことだ!」と。今の自分のベースになっています。
僕は歌が上手かったわけでもなく、ただ歌が好きで、そんな僕の歌を親が褒めてくれました。それが何よりも自信につながりました。僕の“好き”を親が認め、応援してくれたことに感謝です。
――出産・子育てを経て、自分の考え方などで変わったなと思う部分があれば教えてください。
子育てというのは、楽しいことよりも大変なことの方が多くて、日々戦いだなと実感します。歌のお兄さん時代は、お手紙で子育ての悩みなどを聞く中で、少しでも楽しさを見つけられるようにと歌を届けてきたつもりだったんですが、子育ての大変さまでは実感できていなかったかもしれません。
アクシデントが起こるのが当たり前の日常は、一瞬で1日が終わっちゃいます。だから、一生のうちで子どもと一緒にいられるこの時間は尊く、そして短いから、今を大切にしなきゃ、と思うようになりました。
歌のお兄さんとしての経験を活かして、大変な日々の中で「心の余白をつくれる歌を届ける」ことができたらいいなと思っています。
――子育てとお仕事を両立する中で、大変なこと・楽しいことを教えてください。
お風呂時間は娘だけのための貸切リサイタルになっています。お風呂場ではエコーがかかって気持ちよ〜く歌えるので、娘が生まれた時は、僕が親にしてもらったのと同じように、歌をいっぱい歌ってあげました。
そしたらなんと言葉をしゃべり始める前に、言葉がメロディとして出てきたのには驚きました。発信すると、ちゃんと娘は受け取ってくれているんだな、と。
――子育てとお仕事の両立が大変だと感じるとき、どうやって乗り越えているかを教えてください。
どんなに忙しくても、どんなことがあっても、日々の家事は毎日やらなければいけないこと。だからあまり頭では考えないようにして、「できた時にできた自分を褒める!」というのを意識しています。
忙しい毎日でも「コンサートが終わって家に帰ってきて、お皿洗ったね」「洗濯物まで畳んじゃった!」と自画自賛しています。がんばっている自分を認めてあげること。そして、それと同時に家族への感謝の気持ちを伝えることを大切にしています。
――「横山だいすけ」として、これからの夢や目標があれば教えてください。
歌の歌詞には夢と希望がいっぱいにつまっています。僕が“歌のお父さん”になった今、人生を通して、夢や希望を歌を通じて口に出していける大人でありたいと願います。
そして子どもたちが大きくなれば、その言葉をまた次の世代に胸を張って伝えていくことができます。僕がそのバトンを渡していける人間になりたいなと思います。
横山だいすけ
千葉県出身。2006年に国⽴音楽大学音楽学部声楽学科を卒業。 歌が大好きで、⼩学校3年生から大学卒業まで合唱を続ける。 劇団四季時代は「ライオンキング」などの舞台に出演。 NHK Eテレ『おかあさんといっしょ』では、番組史上歴代最長となる9年間“歌のお兄さん”を務める。卒業後は、ドラマや声優、CM、コンサートなど活躍の場を広げている。2026年2月には、ソロコンサート「My Songs Concert」LINE CUBE SHIBUYA(渋谷公会堂)公演を控えており、4月には芸能活動20周年を迎え、5月に最新アルバム 『笑顔晴れ-20th Anniversary-』を発売予定。2025年、『第18回ペアレンティングアワード』“ヒト部門”を受賞。
写真:小野正博
文:脇谷美佳子