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生成系AIの登場によって、これからの社会は、人間に求められる能力はどのように変わっていくのか。わが子の幸せを願うパパ・ママにとっても重要なテーマだろう。
そんなAI時代に注目されている教育の1つが「アート」だ。予測不可能な状況に対応していくには、固定概念にとらわれずに自由な発想や表現をする思考法「アート思考」を育むことが必要だといわれている。
今回は、アメリカ発の靴下ブランド「レンフロ・ジャパン」と画家の杉田陽平氏による、「デザイナー体験」ワークショップから、子どもたちにとってのアート体験の大切さと学びのヒントを紹介する。
2025年10月24日(金)から11月9日(日)に六本木 蔦屋書店で開催された、レンフロ・ジャパンと画家・杉田陽平氏とのコラボレーションによる特別展「花びらの落ちる音そして心は踊り出す supported by HOTSOX」。その最終日に実施された靴下の「デザイナー体験」には、小学6年生までの12名とその家族が参加した。
冒頭では、レンフロ・ジャパン株式会社 支社長の高橋氏より「今回制作する靴下は、ゴミを出さず、水をほとんど使わない、ペットボトルから生まれた素材でつくる“未来の靴下”」であることが紹介され、「SDGsだね!」と感心した表情を見せる子どもの姿も。
デザインの時間が始まると、参加者は靴下のベースカラーとなる画用紙を選び、約40分かけてクレヨンで思い思いの絵をデッサン。
立体物である靴下は、筒状にした際に継ぎ目となる部分の絵がつながるように描くことや、最も見せたいデザインは画用紙の上部に配置することなど、コツが必要だ。子どもたちは画用紙を丸めたり広げたりしながら試行錯誤を重ねた。
靴下デザインのコツを伝授する高橋氏と、子どもたちの様子を見守りながら声をかけ、サポートする杉田氏。
後半では、完成した作品について杉田氏が子どもたちにインタビュー! 最初は緊張した表情を見せていた子も、終了時には無事にデザインを仕上げ、満足げな笑顔を見せていた。
ハロウィンを意識した趣向を凝らした衣装姿も参加者を和ませた。
ワークショップに参加した子どもたちは、「ワンちゃんと金魚はうちのペット。カマキリは好きだから描いた」「外で遊んだ思い出を描いた」「頭に浮かんだものをそのまま絵に描いた」など、それぞれが自由な発想でデザインを楽しんだようだ。
保護者からは「立体の靴下をデザインするにあたり、どこにどの絵を描くかを考えながら取り組んでいて、そんなこともできるのかと驚いた」「子どもが描いた絵が製品になるということで、感動とともにとてもうれしく思う」といった感想もあがった。
杉田氏は、現代の教育環境について、美術館に子どもを連れて行くことへの躊躇や、学校での画一的な教育の限界について指摘。「上手いよりも個性的であることを大切にしたい」と述べ、“教える”よりも“引き出す”ことを重視したアート教育のあり方を示した。
今回のプロジェクトが生まれた背景には、「AI時代だからこそ、感性を育み、自分のやりたいことを自由に表現する力が大切」「ネット上の“正解”に縛られず、人と比べない環境の中で、自分自身を認める体験を届けたい」という杉田氏の想いと、レンフロ・ジャパン社の「アートを通じて子どもたちに“楽しい”を届けたい」という想いが共鳴したことで生まれた。
すぐに正解にアクセスできる現代の子どもたちにこそ、情報にとらわれずに、自分の感性を大切にすることを伝えていくことが重要なのかもしれない。まずは親から子へ、そんなメッセージを日常の中で伝えていくことがアート教育の第一歩につながるのではないだろうか。
文:FQ Kids編集部