2021.10.30
2022.10.20
2024.09.06
はじめまして。ママガク学長の新井美里です。ママガクとは、子育てを学ぶ・楽しむ「ママのための子育てがっこう」です。
私は3人の子どもたちを育てていますが、初めての子を産んでびっくりしたのが、「ママ=子育てのプロ」と周りに見られること。わからないことだらけなのに、「ママなんだから、泣き止ませ方くらい知ってるでしょ?」みたいな目で見られる理不尽さときたら!
「なぜ子育ての学校がないの? ママのための学校を作りたい!」そんな心の叫びからできたのがママガクです。
このママガクを通して、これまで述べ4万人の親子と出会ってきた中で実感したこと。それは、子どもは1人ひとり、まったく違う個性・才能を持って生まれてきているということ。そして、それを伸ばすことこそが、子どもの生きる力、強みになるということです。
そんなことわかってるよ! と思うかもしれません。でも実際は、みんなと同じ方向へ進むのが安心と思ってしまったり、つい他の子と比較してしまったり……「ありのままの個性」を受け入れることに、難しさや葛藤、不安や焦りを感じる方も多いのではないでしょうか。
そこでこの連載では、私がこれまで年間750の子ども向けクラスを担当しながら実践・研究してきた、“個才”(自分だけの強みとなる才能)を発見して伸ばす方法をお伝えしていきます。
今回まずお伝えしたい方法は、とってもシンプル。それは、「子どもを見守り、待つ」ということです。言葉にすれば簡単そう、だけど実践するのが意外と難しい。親はどうしても、「見守る・待つ=何もしない=放置」と捉えてしまいがちだからです。今回はその「観察メソッド」をご紹介します。
まず、家で好きな遊びを始めた子どもを観察してみましょう。気を付けて欲しいのは「口を出さない」こと。子どもが求めていないのに「こうした方がいいんじゃない?」というアドバイスはいりません。子どもに注目して、遊んでいる時の気持ちを親がじっくりと想像してみるのです。
このとき意識してほしいのは、遊びの「起承転結」です。
この起承転結のあり方は、子どもの個性によって異なります。「うちの子は飽きっぽい」、あるいは逆に「ずっと同じ遊びばかりしている」と思うことはありませんか?
起承転結を意識して観察すると、「飽きっぽい子」は、目に入る新たな遊びに対して「①関心を持つ」のが早いので、起承転結のサイクルが早くなる、ということに気づきます。
また「同じ遊びばかりしている子」は、興味をもった遊びに納得するまでじっくり「③遊ぶ」ので、起承転結のサイクルがゆっくりになる、という見方もできます。
こんな風に「起承転結」を意識して観察してみると、わが子の個性がよりよく見えるようになり、それをどう伸ばすかを考えやすくなります。
才能は珍しい能力ではなく、子ども1人ひとりが必ず持っています。私は子どもたちと接するたびに、その自由な発想力、集中力、やり抜く力に「そんなこと、よく思いつくね!」「よくやり抜いたね!」と驚きと発見があります。
でも子ども自身は、「やってみたいことを、ただやっただけだよ?」「こうやったら、面白いかなと思って」と、ありのままに遊んでいるだけ。この「ありのまま」を見守り、肯定することこそが、個才を育てる第一歩です。
これから全4回の連載で、子どものありのままの個性を肯定し、さらには「うちの子、控えめに言って天才なんじゃないか」と、わが子を信頼できるようになるコツをお伝えしていきたいと思います。
新井美里
mamagaku(ママガク)学長/一般社団法人子育てデザイン総合研究所理事。
自身の子育て経験をきっかけに、2013年、新しい子育て支援の場として「ママガク」を設立。これまで延べ4万人以上の親子に子育て講座を提供。また2018年からは、おうちではできない本気の遊びを通じて非認知能力を伸ばす「こどもリベラルアーツけんきゅうじょ」も開講。0歳から小学生対象に年間累計750回のクラスを担当している。他、講演会を多数実施。現在、夫と20歳、17歳、12歳の3人の子どもと埼玉県で暮らす。
FQ Kids VOL.18(2024年春号)より転載
Sponsored by 一般社団法人 子育てデザイン総合研究所
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