2023.01.31
2024.09.18
2024.02.21
1〜2週間、親は働きながら、子どもは保育園にのびのび通いながら、多様な地域に家族で滞在し、子ども主役の暮らしを体験する、それが「保育園留学」※1だ。大自然の中で子どもが心身ともに健やかに育つ環境と、ママ・パパに子育てのあり方と働き方の多様な選択肢を提供したとして、第16回ペアレンティングアワードのコト部門を受賞した。
お茶の水女子大名誉教授で発達心理学や保育学を専門とする内田伸子さんも、社会性・自制心・挑戦力といった非認知能力の発達の観点から、保育園留学の効果を高く評価している※2。
2~3月は特におすすめのシーズン。雪の体験ができたり、花粉から逃れられる留学先もある。育休最後の思い出作りもいいだろう。0歳OKのベビーフレンドリーな留学先や、春休み(3月後半)も受け入れ可能な留学先もあるようだ。
保育園留学を展開するのは株式会社キッチハイク。同社がおすすめする2~3月にぴったりの留学先を紹介しよう。
※料金には、留学先までの交通費や留学期間中の食事は含まれません。ただし、保育園での給食は除く。
世界一素敵な過疎のまちを目指す北海道厚沢部町は、保育園留学の始まりの地。リピート希望率は95%以上だという。
「こどもが主役」の保育を実践する「認定こども園はぜる」では、公園の芝生や築山をそのまま活用した大自然の園庭で、めいいっぱい遊ぶことができる。やって来た子どもたちは「どうしてはぜるの空は、こんなに広いの?」と口にするそう。ここでは本物の空の雄大さが感じられるのだ。
園にはボルダリングなどの遊具や、ズッキーニとキュウリの栽培を行う菜園畑もある。
●受入クラス :全クラス(生後6ヶ月〜5歳児)
●金額:¥211,200〜(大人2名・子ども1名/1週間、税込)
●詳細:hoikuen-ryugaku.com/assabu
札幌市から車で1時間ほどの月形町は、きれいな水と耕地に恵まれた人口3000人ほどの小さな町。雪体験では、スノーウェアの貸し出しがあり、地域でも雪のイベントが多く楽しめる。
町唯一のこども園として、少人数だからこそ1人ひとりにじっくり向き合う「花の里こども園」では、“なんでもちょっとずつやってみる” ことを大事にしており、「好きなこと」を見つけるための活動が盛りだくさんだ。ブロックで大きな秘密基地を作ったり、縄跳びの縄を子どもたち自らの手で編んだりと、ゼロから遊びを創造する。
●受入クラス :全クラス(生後6ヶ月〜5歳児)
●金額:¥196,300〜(大人2名・子ども1名/1週間、税込)
●詳細:hoikuen-ryugaku.com/hokkaido/tsukigata
岐阜県南部に位置する美濃市は、清流長良川と緑濃い山々に囲まれた豊かな自然と、まちの中心部に軒を連ねる伝統的な建造物が魅力。まちのお寺が代々運営を続ける認定こども園「美濃保育園」は、木育に力を入れている。地元の天然木材できた園舎を子どもたちは裸足で駆け回る。
0歳児からの受け入れが可能で、ベビーベッドを貸し出しする宿もある。
●受入クラス:全クラス(生後6ヶ月〜5歳児)
●金額:¥177,100〜(大人2名・子ども1名/1週間、税込)
●詳細:hoikuen-ryugaku.com/mino
“日本一おいしいお米のふるさと”と呼ばれる庄内町。大らかに、のびやかに個性を育む「認定こども園からふる」の前にも広大な田んぼが広がっており、探検したり、たくさんの生き物を観察したりする。給食はもちろん、おやつでも地元のおいしいお米を食べられる。
0歳児受け入れOKで、宿にはベビーベッドもあり、赤ちゃん連れフレンドリーな環境だ。充実したワーク環境も魅力。園庭に1m以上積もる雪も、子どもが遊びに来るのを待っている。
●受入クラス :全クラス(生後2ヶ月〜5歳児)
●金額:¥163,100〜(大人2名・子ども1名/1週間、税込)
●詳細:hoikuen-ryugaku.com/yamagata/shonai
普段車を運転しないパパ・ママにも嬉しいのが、島根県 大田市大森町の保育園留学。現地の方が空港から送迎してくれ、買い物にも途中で立ち寄ってもらえる。宿と園は徒歩5分という好アクセスだ。
重要伝統的建造物群保存地区に指定される大森町の「大森さくら保育園」は、武家屋敷の敷地内に園舎がある。子どもたちは歴史や自然に触れて遊びながら学ぶことができ、保育園留学専用の宿舎・山田家でも親子で歴史を感じながら過ごすことができる。園に併設する学童クラブでは、小学生の兄姉向けのプログラムも。
●受入クラス: 1~5歳児
●金額:¥376,100〜(大人2名・子ども1名/2週間、税込)
●詳細:guide.hoikuen-ryugaku.com/oda-omori/lp
東京から北陸新幹線で約90分の長野県上田市。「ISN上田」と宿、スーパーなどのお店は徒歩15分以内に揃っており、豊かな自然に囲まれながらも、車なしで不自由せず過ごせる環境だ。
ISN上田は「探究の学び」を大切にした、国際バカロレア認定校の系列校。国際基準の英語教育を受けながら、外国籍の先生やお友だちとグローバルな環境で、さまざまな価値観や多様性に触れられる。
●受入クラス:1~5歳児
●金額:¥307,400〜(大人2名・子ども1名/2週間、税込)
●詳細:hoikuen-ryugaku.com/ueda
スギ花粉がほとんどない北海道の、日高山脈を臨む十勝平野の西部にある清水町。子牛にミルクやりが出来る酪農体験や、乗馬体験、自由に歩き回る牛たちの世界を覗き見できる放牧地ツアーなど、貴重な経験ができる。
広大な緑と山々の中で身体や心、感性を育める「しみず認定こども園 ぽっけ」では、冬のイベントとして「長靴アイスホッケー」や「雪中運動会」など、都会では味わえない楽しみも。
●受入クラス: 3~5歳児
●金額:¥176,600〜(大人2名・子ども1名/1週間、税込)
●詳細:hoikuen-ryugaku.com/hokkaido/shimizu
土地の9割が森林という大自然に囲まれた山形県西川町は、都心部より花粉の飛散時期が遅い。宿から車で4分ほどで「道の駅にしかわ」の日帰り入浴施設・水沢温泉館の温泉が楽しめるのも嬉しい。
「にしかわ保育園」では、どんぐりの木や山、畑などが併設された園庭で、子どもたちが元気いっぱいに駆けまわることができる。食育に力を入れており、園内の畑で作物を育て、収穫した野菜を調理して食べたりするのはもちろんのこと、栄養士さんを招いて食育指導を行うことも。
●受入クラス:2~5歳児
●金額:¥153,200〜(大人2名・子ども1名/1週間、税込)
●詳細:guide.hoikuen-ryugaku.com/nishikawa/lp
春浅い土地での保育園留学はわが子に、地域の人たちや新たなお友だちとの出会い、交流をもたらしてくれるだろう。都会にはない自然も、子どもの何かを目覚めさせ、創造力を育むはずだ。
地域によって、魅力や特色はさまざま。親子の特別な思い出になることはもちろん、パパ・ママにとっては地方での暮らしに身を置く中で、家族にとって本当の幸せとは何かを見つめ直すきっかけになりそうだ。
※1「保育園留学」は、株式会社キッチハイクの商標です。特許取得済。
※2:参考/hoikuen-ryugaku.com/K4l0hlAG/interview-01
文:平井達也
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