勉強も人間関係も……すべての行動の源泉になる「子供の意欲」を育む遊びのコツって?

勉強も人間関係も……すべての行動の源泉になる「子供の意欲」を育む遊びのコツって?
好奇心を持ち、さまざまな体験をしていく姿勢は、学びの場で必要不可欠なものだ。遊びの中で伸ばすことはできるのだろうか? その方法について、乳幼児教育を研究する増田修治先生に聞いた。

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思い通りに身体を動かすことで
意欲は育まれる

勉強、スポーツ、人間関係……。すべての社会行動の源泉になる意欲も、代表的な非認知能力のひとつ。好奇心を持って積極的に物事に向かおうとする姿勢は、学びの場で欠かせないものだ。

意欲を育むための効果的な方法のひとつに、運動遊びがある。

「自分の身体を自分が思ったように動かせるようになると、何事に対しても意欲が増し、自立心も高まります。運動が得意か不得意かは、経験の豊富さによるところも大きい。それを子供たちにも教えてあげて、たくさんの動きを体験させてあげるといいでしょう」。

とはいえ、非認知能力を高めるという目的があるのなら、ただ走り回ればいいというものではない。運動にも工夫が必要だ。

「例えば、ボーリングのようなゲーム仕立てにして点数をつけるなど、夢中にさせるような仕掛けを作りましょう。試行錯誤することで思考力の芽生えにも繋がります」。

子供の意欲
どうやって伸ばす?

ゲーム性のある遊びで、総合的な能力を高める
子供の意欲を引き出す、ゲーム性のある運動遊び。非認知能力の育成に推奨される運動遊びは数多くあるが、昔ながらの缶けりもおすすめ。

「缶けりはさまざまな身体の動きが求められる遊び。特に、走りながら缶を蹴飛ばすのは、至難のわざです。複雑なルールを理解し、仲間と協力しながら進める力なども必要です。体幹と体力と意欲を育み、ルールを守って遊ぶことで、道徳性や模範意識の芽生えにも繋がります」。

教えてくれた人

増田修治先生
白梅学園大学子ども学部子ども学科教授。1958年生まれ。埼玉大学教育学部卒。小学校教諭として28年間勤務経験を持つ。初等教育の教員育成に携わるとともに、保育・幼児教育・小学校教育における子どもの発達や学力、いじめなど多様な課題に取り組んでいる。著書に、『笑って伸ばす子どもの力』(主婦の友社)、『「ホンネ」が響き合う教室』(ミネルヴァ書房)、『幼児期の終わりまでに育ってほしい10の姿を育む保育実践32』(黎明書房)など多数。


文:曽田夕紀子

FQ Kids VOL.09(2022年冬号)より転載

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