2021.11.02
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2021.05.19
グローバル化が進み、子供たちは将来、世界中の人々と協力し、切磋琢磨しながら仕事をして生きていくことになる。読み書き計算といった基礎学力はその力を養う土台となる。わが子が基礎学力をちゃんと身につけられるか気になるところだ。
スプリックス基礎学力研究所は、日本・アメリカ・中国・インド・イギリス・フランス・ポーランド・タイ・インドネシア・マレーシア・ミャンマーの世界11ヶ国において、学習に関する調査を実施。6~15歳の子供と保護者を対象に「学習に関するアンケート」を、子供にはさらに「50問の計算に関する基礎的なテスト」を行った。
その結果から、日本の6~9歳の子供たち(2010年代中盤~2020年代序盤に生まれたα世代)における基礎学力の課題が浮かび上がった。
まずテストによる子供の学力測定では、全学年の日本の総合順位は11ヶ国中4位と上位であったのに対して、6~9歳では11ヶ国中9位となった。
保護者へのアンケートでは、「基礎学力は大切だと思う」と考える保護者は11ヶ国全体で94.3%、日本で95.9%と同水準。一方、「基礎学力に満足している」保護者は11ヶ国全体の78.0%に対し日本は26.1%と大きく下回り最下位に。
この状況に対してパパママたちはどう対処しているだろうか。「基礎学力を向上させる努力をしているか」質問すると、日本では「努力をしている」のは58.0%。これは他国に比べて30ポイントほども低い。
さらに、子供の学習への具体的な関与についても、「やり方を教える」「意義を伝える」「一緒に考える」「勉強を教える」いずれにおいても11ヶ国で最も低いことが判明した。満足度は低いが、具体的なアクションも他国に比べてできていないというのが実情のようだ。
また、子供の勉強に対する意欲や自信においても課題を感じる結果に。日本では「計算が好き(57.1%)」「読書が好き(53.9%)」と答えた子供は11ヶ国平均に対し20%以上低い。
勉強への自信についても、「計算には自信がある(49.1%)」「読解力には自信がある(30.0%)」は他国を大きく下回る数字だ。
日本の子供は自己肯定感が低いと言われがちだが、学習面でも自信を持てていない現状がうかがえる。
「詰め込み」と「ゆとり」の間を揺れ動いてきた日本の小学校教育だが、発展した知識の獲得や関心に沿った追求を深めるには、やはり土台となる基礎学力も大事だ。
基礎学力の学習は、知ることの喜びを知り、できたときの達成感を得る機会でもある。親として、わが子の学習への関わり方はどうか、家庭に合ったやり方を今一度見直してみてはいかがだろうか。
<調査概要>
・調査地域:日本・アメリカ・中国・インド・イギリス・フランス・ポーランド・タイ・インドネシア・マレーシア・ミャンマー
・調査対象:6歳~15歳の子供(各国1,000名・11ヶ国の11,000名)
上記子供の保護者(各国1,000名・11ヶ国の11,000名)
・調査手法:インターネット調査
・調査内容:「意識調査」 子供、保護者を対象に実施した学習に関するアンケート
「学力調査」 子供を対象に実施した50問の計算に関する基礎的なテスト
・実施期間:2020年8月~9月
文:平井達也
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